あなたの言葉は思っている以上に届いていない!怒る前に自覚すべきこと
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この記事は、【あなたの言葉は思っている以上に届いていない!怒る前に自覚すべきこと】というテーマで書いています。
僕は教師として教育現場で10年以上働いてきましたが、これまでにいろいろな教師の指導の仕方をみてきました。
子どもたち全体をまとめるうえで必要不可欠なものに「言葉」がありますが、これがけっこうくせ者で、指導者を悩ませることも多々あります。
ちゃんと話を聞いとけー!!
教育現場でよくありがちな場面ですが、教師がパパーっとやることを話して、子どもに活動を始めさせることがあります。
一応は、「いいですか?」「分かりました?」
とは声かけしますが、それ程度のものです。
すると活動を始めて間もなく、理解できていなかった子、聞いていなかったこが次々と教師のもとにやってきて、何をするのかを確認し始めます。
なかには何をしていいか分からずただボーっと過ごしている子、まったく違うことをやり始めている子もいます。
教師ははじめは1対1で対応していたものの、だんだんと腹が立ってきて、
「だから言ったやろ!」
「何を聞いてたんや!」
「ちゃんと聞いとけ!」
「お前もか!!」
とデカい声で子どもたちに罵声を浴びせるようになります。
これは例ですが、このようなことは、教育現場では日常茶飯事に行われています。
これまでも何度も同じような場面を目にしてきました。
これ10000%、教師が悪いんですが、そんなこと気にすることなく、とにかく聞いていない、聞けていない子どもが悪い!
怒らなければ!っていう超自己中心的な思考です。
嘘みたいなほんとの話です。
このようなレベルの教師は昔から脈々といます。
自分の話が伝わらなかったらどうする?
ここまでひどくなくても、自分の出した指示が思うように伝わらなかった、子どもが思うように活動してくれなかったという経験は教師なら必ずあるかと思うんですね。
親御さんからお子さんへの声かけでも同じですが。
その際に、皆さんはどのような対応の仕方をされていますか?
「しっかり聞きなさい!」ですか?
それとも、「だからさ、これがさー」でしょうか。
僕は数年前までは、話が伝わらないことにイラっとすることもありました。
手を止めずに片手間に聞いているから聞きもらすんだ!と、子どもに厳しく注意することもありました。
少し話が逸れますが、
自分の話を聞かせるには、まずは聞ける環境をつくること。
これは集団を統率するうえでの大前提です。
手にもっているエンピツを置く。
途中の作業を一旦、中断する。
時には、手を膝の上に置きましょう
ということもやってきました。
話している人の方を向く。
このようなことは、話す前には最低限、確認しておくのは大事です。
そして、もう一つ話を伝えるうえでの超大事なことですが、
一文の中に、伝える事項は1つに絞る。
あれやって、これやって、次にこれやります。
1文の中に3つも、4つもやることを盛りこんでも、子どもは理解できません。
教科書110ページをあけましょう。
1の問題を指で押さえます。
読みます。式と答えをノートに書きます。
できた人は持ってきます。
こんなふうに一文ずつ切って伝えるのが鉄則です。
学年が低ければ低いほど。
これを、
教科書110ページをあけて、1の問題を読んでから、式と答えをノートに書いたら、
こっちにもってきなさい。
と伝えてしまうと、理解できない子がどんどんでてきます。
このような原理原則、教育技術を知ってても、その通りにやっていても、
その通りに動いてくれない子も中にはいます。
30人学級であれば、2,3人はいたっておかしくありません。
・指示を聞いている途中で、他に意識がいってしまう子
・そもそも聞こうとしていなかった子
・聞こうとしていたけど、途中で分からなくなってしまった子など
1つの学級でもいろいろな特性の子がいますから当然なんですね。
それで、話を戻しますが、
このような丁寧さを心がけて伝えても伝わらない場面で、みなさんなら、どんなことを思い、どんな声かけをしますか?
僕は、
「言葉って難しいなぁ。伝わらないなぁ。私もまだまだやわ。」
とあえて声に出して言うようにしています。
それが真実だからです。
言い訳しようのない事実で、伝えきれなかったのは、自分の力量不足なんです。
それとあわせて、言葉はそもそも伝えるのが難しいものなんですね。
それを理解していない教師が多いように思うんです。
言葉は完全には伝えられない
くり返しますが、言葉って、自分のもっている10割の情報から、どんどんそぎ落とされていって、相手に伝わるんですね。
そぎ落とされるだけでなく、時には付け足されたり、ねじ曲げられたりしてね。
自分の中では、映像が出来上がっていて、こんな風な流れで、次はこうなってということが見えているけれども、
言葉を受け取った側は、自分のこれまでの経験を元に、その言葉から想起して、イメージを作っていくんですね。
そこで、それぞれの解釈がはさまってくるんです。
だから当然、話の途中でズレは生じてくる。
ましてや教師よりも何十年も経験値が足りない小学生であれば、同じ言葉を受け取ったとしても、理解の仕方は全然違うものになりうるということです。
そのズレを小さくするには、より具体的に、こまかく話す必要があります。
すべらない話が面白い理由
芸人さんのすべらない話が、なぜ面白いのか。
理由の一つに、
万人が聞いても、同じように情景がイメージできるように、段階を追って、丁寧に話を進めていることがあります。
なので聞くだけで簡単にその情景が浮かんできます。
めちゃめちゃ丁寧です。
ここに教師が学べることはたくさんあります。
それでも、10人いたら10人分、もし映像にしてみたら違うものになります。
笑うポイントは同じでも、思い浮かべている絵はそれぞれ違います。
言葉を扱うプロをもってしてでも、言葉の100%を伝えることは不可能なんですね。
それが前提としてあれば、
まず、話が伝わらなかったことで怒ることは激減、皆無になります。
だって伝えられなかった自分が悪いんですもん。
そして言葉は難しいものなんですから。
だから、指示が伝わらなかったら、
もう一度、聞ける環境を作って、伝えたらいいんです。
そして子ども同士で確認し合ったり、
子どもにもう一度言わせてみたりすればいいだけの話です。
教育現場から、感情的に怒鳴るという行為が1つでも減ることを願っています!!
読んでくださりありがとうございました。