できる教師ほどおちいりやすいダメ出し型の指導【学級崩壊のおそれあり】
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当ブログにお越しくださりありがとうございます!
本記事のテーマですが、できる教師ほどおちいりやすい原因追及型の指導【学級崩壊へのカウントダウン】というテーマでお話ししていきます。
僕は10年以上、小学校の教員をやってきましたが、コーチングやカウンセリング、心理学のスキルを学級での指導に取り入れてから子供への関わり方が大きく変わりました!!
子供たちもこれまで以上に活き活きと過ごしてくれるようになったんですね。
なので、教育の現場や子育て中の親御さんにいろいろな役立つスキルや考えをシェアしたいと考えています。
この記事を最後まで読んでいただくことで、
・ダメ出しばかりする指導の仕方にバリエーションが増える
・子どもとの関係づくりに役立てることができる
・コーチングのエッセンスを学ぶことができる
ということが得られますので、ぜひ最後まで読んでいただき、参考にしていただけると嬉しいです!
では本題にはいっていきましょう!
原因追及型の指導とフロイト
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まず、原因追及型の指導についてなんですが、簡単にいうとダメ出しばかりするコミュニケーションのことです。
心理学の巨匠、フロイトの原因論について触れながら解説していきたいと思います!
医者・修理屋と教師の違い
仕事のできる人間、例えば医者なら、問診して患者のどこが悪いかを適切、迅速に見つけ出して治療して治す。これが腕利きの医者ですよね。
スマホの修理屋だったら、何が原因で故障しているかを的確に見つけだして、修理してくれる店員が評価が高い。逆に全然故障の原因でない、画面のガラスを交換しだしたら、文句言いますよね。
このように、仕事のできる人は、いち早く原因を突き止めて、それを改善できる人なんですね。
このような一般的な感覚は多くの人に染みついているかと思うんですね。
これが、フロイトの原因論ていう考え方で、何か問題が起こるのは、過去のあの出来事が原因としてあるからだという考え方ですね。
で、教師も医者やスマホの修理屋と同じように、原因を見つけ出して、それを改善していく思考が基本になっている人が、けっこういるかと思うんですね。
子どもの悪いところはバシーっと直して、良くしていく。
まあ、当然っちゃ当然ですね。
ただ、少々やっかいなのが、教師が相手にするのは、病気でもスマホではなく、子ども(人間)を相手にしていることなんですよ。
対、人なんですね。
不適切な行動に対して、「そこが間違ってる!君のここが間違ってるー!!」
って指摘して、時には厳しく罵倒して改善させようとするんですけど、人間の心に対して、原因を突いてしまうと結構な確率で抵抗を生み出してしまいます。
実際、自分が言われる側でも、できていないところ、間違ったところばっかり指摘されたら、気悪いじゃないですか。
このような関わり方を無自覚でやりまくっている指導者は、僕が10年間見てきた中でもそうですけど、けっこういるんじゃないかと思うんですね。
小学校でありがちな指導者の関わり方の事例
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例えば、
A君がB君のノートをポイっと投げて渡そうとしたために、折れ曲がってしまった。
そのことについてB君が怒って殴りつけてケンカになった。
というトラブルがあったとします。
原因追及型の指導者だと、例えばA君に対しては、
なんでノートを投げたの!!
学習道具を大切にしない人は成績伸びませんよ。
ノート配るときは手渡しで渡さないといけないと言ってるじゃないの。
これ何回目よ。こないだも言ったよね。
聞いてなかったの?周りの子にもし当たったりでもしたらどうするの?[/say]
と、とにかく過去のこと、起こった原因をつぶそうと躍起になって、たたみかけます。
どついたB君に対しては、
で、B君もノート折れ曲がったからって、なんでどついたの?
どついた時点であたな悪者になるのよ。
言葉で解決しなさいよ言葉で。
暴力は最低よ!なんでもかんでもすぐキレるのやめたらどない。
どついたことをどう思ってるの?
こんなふうに関わる場面はけっこうあるかと思うんですね。
よかれと思って過去の原因を指摘して、つぶす指導をやりまくったらどうなるでしょうか?
どんどん関係性が悪くなっていき、最悪、学級崩壊にもつながっていくかと思います。
そもそも教師の話、届いてないですからね。全然。
では、原因追及型をやめて、どのように関わっていけば、
相手に伝わりやすくなり、改善を促すことができ、良い関係性を築くことができるのかについて解説していきたいと思います。
原因追及型の指導いがいの関わり方
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学習において、間違っている原因を的確に見つけ出して、やり方を改善させるのは大事なことだと思いますが、
子どもの行動っていうのは心、思考から来ているんですね。
だから、間違ったことや失敗したこと、問題を起こしたことに対してずばずばと原因を突くのは、抵抗が生まれ、逆効果になってしまいまうことも大いにあります。
そして、過ぎ去った過去の過ちをいつまでもグチグチ指摘されても、
今となってはどうすることもできないわけで、言われている側は我慢大会なんですね。
言葉が届いていないんですよ。
結局、話し手の憂さ晴らしにしかなっていません。
そのような指導はあまり意味がないんですね。
ではどうすればいいのかなんですが、
別のパターンを考えてもらう
未来思考、目的思考で考えてもらう
自分の中から考えを出させて、行動してもらう
これ、ずばりコーチングのエッセンスそのものなんですけどね。
要は、間違っていることについて、自分で考えてもらって、適切な行動を見つけ出していってもらうということです。
能力が高い指導者ほどやりがちなのは、多くの原因を事前につぶして、自分で解決しようとしてしまいます。
それは、子どもが困難や問題を乗り越える機会を事前に取り除いてしまうことなんですね。
このような教師のクラスでは、たしかに問題は起こりにくく、子どももかしこ~く過ごしているんですけど、社会に出て生きていくために必要な問題を解決する能力は鍛えられないんですよね。
教師も仕事なので、1年間安泰に過せることを最優先する方も多くいます。
それは崩壊してしまったりやいじめが横行するよりはマシで、悪いことではないですが、
教師力、経験値が上がってもいつまでのこのような指導しかできないのはもったいないなと、僕、個人的には思っています。
この事例ではこう声をかける!
それでですね、例えば、
A君がB君のノートをポイっと投げて渡そうとしたために、折れ曲がってしまった。そのことについてB君が怒ってケンカになった。
という先ほど紹介したケースであれば、
『配る時に、投げて渡したんやね。それは何か考えがあってやったんかな?』
と、まずA君の言い分を聴いてあげて、
投げて届くと思ったし、そっちの方が早いと思ったから[/say]
てもし答えたとしたなら、
『そうか、届くし、早いと思ったんだな。
結果的にノート曲がってしまったんやけど、次配る時はどうやって配れば同じようなことにならんと思う?』
一旦、子どもの言い分を受け止めてから、未来思考で改善策を考えてもらうんですね。
この問いかけだけで、子どもの逃げ道が作られるのが分かりますか?
逃げ道と言っても、事をうやむやにするってことじゃないですよ。更生のチャンスを作っているんです。
追い詰めると、更生のチャンスを逃してしまいます。
そして、次どうすればいい?って聞かれたら、否応なしに、頭は考え始めるんですよ。
責められていないから、改善のチャンスがあるから、肯定的な思考で考えられるんですね。
でもこれ、一通りグチグチ言われた後で、問いかけられてもだめですよ。心の矢印が未来に向かっていないですからね。
別の問いかけの例
A君に対して、別の問いかけだったら、
『ノート投げられて折れ曲がってしまったB君はどんな気分やったかな?』
とか、
『A君は謝ったと言ったけど、B君は許さなかったんだね。
B君がいいよって許せるような謝り方や、伝え方って今のままでいいと思う?
どんな風に伝えたらもっと伝わるかな?』
このような問いかけをすれば、子どもの中で思考が始まります。
ただ、このような指導者からの言葉が届きやすくなるのは普段からの子供との関係性、
信頼関係が構築できているからということは重要ですね。
また、初期段階での信頼関係を築く上でも、このような関わりをすることは効果的です。
殴ったB君への関わり方の例
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B君になら、
『ノート投げられて腹が立ったんやね。そら腹立つよね。』
ここでまずは同調して話をできるフィールドに上がってもらいます。
『すごく腹立つのは分かるわ。そしてその後で殴りかかったんだけど、
それ以外には解決策は作れそうかな?』
とか、
『これからも同じように殴りかかって、お互いさらに嫌な思いをする方がいいかな?』
みたいな感じで、殴る以外のパターンを考えさせたり、次は違うやり方がないかを考えさせたりします。
あまり考えがでないのであれば、
『先生は殴って解決しようとするのは残念だな。先生だったら〇〇して解決するかな。』
のように、解決策を提案してあげても良いかと思います。
ちょっとだけ惜しい関わり方
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「すごく腹立つのは分かるわ。だけど、その後で殴りかかったんは間違ってるで。暴力は絶対だめ」
っていう声かけは、少しだけ惜しい関わり方だなと思います。
間違いではないんですよ。暴力はダメって教えてあげることも教育として大事なことですからね。
伝わる子には伝わりますよ。
強い信頼関係が築けている、先生の話なら聞こうって関係があればね。
ただ、多くの子どもに伝わりやすいか、受け取りやすい伝わり方かどうかといえば、惜しいんです。
「すごく腹立つのは分かるわ。」て同調して子供の気持ちをゆるめますよね。
その後で、「だけど」とか、「でも」で否定・非難の言葉をもってきたら、言われている方は、
ウイーンってシャッターおろすんですよ。表向きは聞いているように見せてててもね。
また始まったよ。結局、説教かよ。おれ悪ないし。ノート投げられてるし。被害者やし・・
実際には被害者であり、加害者なんで、お互いの行動の変容を生み出していかないといけないんですけど、ノート折られた側の変容を生み出すのはちょっとハードルが上がるんですね。
だから、言葉のかけ方も慎重にチョイスする必要があるんですよ。
被害を受けたことに対して、同調しつつ、責めている感じを出さずに、
「次はどのように行動すれば、お互いにとってハッピーだと思う?なにか案くれないかな?」
っていうニュアンスが大事かなと僕は思うんですよね。
推奨しないYes,butの関わりかた
コミュニケーションの方法でYes,butが良いよって聞いたことある方もいるかもしれませんが、僕は逆効果だと思っています。
教育現場では、このパターンでの伝え方が多いので子供も分かってるんですよ。
例えば、
今朝はたくさんの人が先生に挨拶してくれました。すごく嬉しかったです。
だけどー、廊下を走っている人がたくさんいたので残念です。
みたいな感じです。
それよりは、yes,andが抵抗を生みにくいです。
「すごく嬉しかったです。
そして、廊下を歩いてくれる人がもっと増えたらさらに嬉しいので、明日も先生を喜ばしてくれると嬉しいな。」
のように僕なら伝えます。
他には、
「そうなんやね。そして〇〇についてはどう思う?」 てな感じですかね。
コーチング的関わりの補足説明
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ここまで、子どもの中から考えを引き出していく関わり方について紹介していきましたが、
もし、子どもの中に、間違った行動を変えていくリソース
(考えや経験値、乗り越えていくだけの能力)がまだ足りていないのであれば、
指導者から積極的に、
「私ならこうするけどな。どう思う?」というように提案することも必要になります。
また、早急な対処、抑制が必要な場合。
例えば、いじめを行なっていたり、命に関わるようなケースでは、
ずばり原因を指摘して、即刻改めさせることも必要なケースも当然あります。
この辺はごっちゃにしてしまうと、秩序や平和が崩れやすくなってしまいますので気をつけてくださいね。
まとめ
改善の一例を紹介しましたが、あくまで一例であって、実際の現場では、何通りも会話や主張のパターンは生まれるので、この一例を丸々使えることはごくごくマレだと思います。
会話の例の内容よりも、指導者が大切にして関わるべきポイントの本質をつかんでいただけたらと思います。
まとめますが、
・過去の原因にフォーカスして指導するのではなく、未来に目を向けて、
じゃあどういう行動をいていけばよいのかという問いを投げかける
・Yes,butのパターンは子供は何度も経験済みなので、逆効果になりやすい
・yes,andで問いかけてみる
ということを意識して関わってみるだけでも、子どもの反応は大きく変わってきます。
さいごに
問題が起きたことには必ず原因があると唱えた、フロイト。
そして、問題を起こしたことには必ず目的があると唱えたアドラー。
僕は心理学を学級経営に取り入れていますが、どちら主張が正しい、間違っているととらえるのではなく、その状況に応じてそれぞれの考えを活用できれば、より良い教育ができるのではないかと思っています。
ですが、対、ヒトに関しては、過去の原因を突かれるよりも、じゃあ次どうすれば良い?
と関わられる方が、心は健全に前を向くことができるのではないかと思うので、僕はアドラー心理学の目的論を積極的に取り入れています。
たくさんの著書も出ていますので、そちらも良かったら参考にしてみてください。
過去ではなく、未来に目を向けて子供の可能性を引き出せる教師になれたら素敵ですよね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!