学校のリアル

小学校の通知表【よくできる】がつくポイントは?成績のつけ方を元小学校教師が解説!!

aki-dylan

当ブログにお越しくださりありがとうございます。

今回は、通知表の【よくできる】がつくポイントと成績のつけ方について書いてみました。

わが子の現時点での学力を知るための指標となる通知表ですが、いったいどのような基準で、どのような方法で作成されているのか気になったことはないでしょうか。

子どもにとっても、親にとっても重要なものであるにも関わらず、その作成方法や選定基準について具体的な内容が知らされていないことに違和感を覚えた人は少なくないはずです。

(担任によっては、成績の基準を個人懇談や学級通信などで伝えるケースもありますが稀です)

これまで小学校教師として数百名の成績をつけてきた経験をもとに、【よくできる】がつけられるポイントと、どのように通知表の成績がつけられているのかを解説していきたいと思います。

ぜひ最後まで読んでいただき、参考にしていただけたらと思います。

【よくできる】がつくポイントは?

よくできるがつくポイント

①テストの平均が95点以上ある

②課題の提出を守れている
(かつ、クオリティが高い)

③ミニテストも確実に良い点数

④授業中に積極的に発言や活動をする

⑤頑張っている姿を教師に印象づけておく

①~⑤のポイントをおさえていれば、小学校では確実に【よくできる】の評価がつきます。

そして、以下ような流れで成績がつけられていきます。

成績のつけ方

・テストの結果を重視

・点数を集計ソフトに入力・順位づけ

・提出物の確認/評価

・ミニテストの結果で人数調整

・授業の態度で加点・減点

・主観による微調整

それでは成績のつけ方と【よくできる】ポイントについて詳しく説明していきたいと思います!

テストの結果を重視

評価の大部分はペーパーテストの結果が主流

まず、成績をつけるうえで外せないのがペーパーテストの結果です。

いくら時代が変わってペーパーテストが全てじゃないと言っても、結局のところ評価の大部分を占めているのは、ペーパーテストの結果です。

ペーパーテストの利点として、客観的事実が残り、成績をつけやすいということとクレーム対応がしやすいということがあります。

もし通知表に【よくできる】をつけないことで保護者からクレームが入ったら、教師はその評価をつけた意図を説明しなければいけません。

その際に役立つのが、【テストの結果】です。

『 〇〇さんは、全体的にはよくできていますし、提出物もきちんと出しています。

ですが、2回目と4回目のテストが【よくできる】の基準を下回っているため今回は【できる】とさせていただきました。』

と、説明することができます。

海外では、幼い子どもに対してペーパーテストでの評価を禁止する動きもありますが、そうなると全てが担任の主観的な評価になってしまいます。

主観的な評価自体は悪いことではないですが、そうなると教師の仕事はさらに膨大なものになるでしょうね。

いままで以上に子どもの活動を細かく観察し、記録していかないといけなくなるからです。

というわけで、今も昔も変わらず成績の大部分はペーパーテストであることは変わっていません。

ペーパーテストが行えない体育や図工などはあらかじめ教師が評価の基準点を設定しておき、ほぼほぼ教師の主観で割り振っていきます。

今後テストはなくなる?!

2018年に千代田区、麹町中学校の工藤勇一校長は中間・期末の定期テストを廃止する改革を行いました。

ですが、実力テストと単元テストの数は増えたようで、学校教育においてペーパーテストは切っても切れないものなのでしょうね。

集計ソフトにて成績を管理

テストの結果をその都度打ち込んでいけば、平均値や順位などを自動的に出してくれるソフトを教師の多くは使っているかと思います。

(手書きの教師もいますが、使っていないと、とてつもなく時間がかかります)

他に教材会社から無料で配布される集計ソフトに打ち込んで成績を管理する教師もいます。

個人情報ですから紛失や流出したらえらい事になってしまうので、取り扱いが年々厳しくなっています

集計ソフトに、

・100点~95点までは【よくできる】

・ 94点~40点までは【できる】

・ 39点~ 0点までは【がんばろう】

というように、はじめに評価基準を設定しておいて、おおよその成績分布を把握します。

【よくできる】の割合が多すぎる場合は、ミニテストや提出物、授業態度などで調整することもあります。

学年や学級、テストの平均点により【よくできる】がもらえる基準点は異なりますますが、おおよそ95点~100点の平均点を取れていたら【よくできる】がつきやすくなります。

【よくできる】がつくポイント①

テストの平均が95点以上あること

提出物の確認・評価

提出物の評価は通知表に意外と影響します。

その理由はいくつかあります。

①テストの平均点に差がないときに、差別化するため

 

②出さなくても『良い評価』はもらえると思わせないため

 

③課題を出した教師の気が済まないため

①成績の差別化を図る

小学校のテストは主に市販のものを使います。

発注する業者によっては、ものすごく簡単な内容のテストもあります。

簡単な内容のテストだとクラスの平均点は全体的にあがり、テストだけでは差別化が図れません。

もちろん、今は絶対評価で成績をつけることになっている(※記事最下段に補足説明あり)ので、

全員が良い成績であれば、全員に【よくできる】をつければよいのですが、現実問題、純粋な絶対評価はつけられないのが教育現場のリアルです。

②出さなくても『良い評価』はもらえると思わせないため

課題は時にしんどさや面倒くささを伴うものもあり、やらずにやり過ごしたいと思う子どももいます。

テストの点数だけ取れていたら、良い評価がもらえるという経験をさせてしまうと、しんどい事をことどとく避けるようになってしまう恐れがあります。

なので、提出物がほとんど出ていない状態でいくらペーパーテストが良くても、良い評価がもらえないのが一般的です。

③先生の気が済まない

教師も人間なので、主観的な感情が評価に入ってしまうこともあります。

提出物を出さないことに過剰に怒ったり、とことん絞り上げる教師をこれまで何人も見たことがあります。

「あぁ、気が済まないんだなあ」

と思いながら職員室での会話を聞いていたこともあります。

どれだけ脅され?ても最終的に提出しない子ども当然いるわけで、そういう場合【がんばろう】がつけられることがあります。

【よくできる】がつくポイント②

課題の提出を守れている
(かつ、クオリティが高い)

ミニテストの結果で人数調整

国語であれば漢字10問テストや音読テスト、他の教科でも学習のあいまに主要な大テストとは別に、ミニテストを行っている学級は多いかと思います。

大テストより負担が少なく、頻繁に行うことにより、学習の定着に活用されたりします。

これらも提出物と同じく、テストの平均点が【よくできる】の基準に達している子がたくさんいすぎて、差別化が図れない場合に活用されることがあります。

残念ながら、いくらミニテストが毎回満点で良かったとしても、本番の大テストで点数が低ければ【よくできる】はもらえないと考えた方がよいでしょう。

【よくできる】がつくポイント③


ミニテストも確実に良い点数である

授業の態度で加点・減点

授業態度が良い、悪いの判断は教師の主観的な評価によることろが大きいです。

授業に参加せずにおしゃべりばかりしている子や、授業中寝ているといったことがない限り減点されることはあまりないと思います。

態度の悪い児童に、プレッシャーをかける狙いで「成績から減点するよ」と声かけをしている教師はいるかと思います。

授業態度に関しては中学校の方がシビアで、内申点に影響するので今後も気をつけないといけません。

逆に、授業中に積極的に発言をしたり、活動をする子の姿は教師の目に留まります。

教師手帳にメモしておき、成績決めの参考にする教師もいます。

【よくできる】がつくポイント④

授業中に積極的に発言や活動をする 

主観による微調整

成績を決定する最終段階は、教師の主観による微調整です。

若干、基準点には達していないが、授業態度も良く、提出物も確実に出しているので、今回は【よくできる】をつけてあげよう!

ということもあります。

また、逆の例では、テストの成績は申し分がないが、提出物をいい加減にやったり、出さなかったりする場合は、【よくできる】ではなく、【できる】にしておこうと判断する場合もあります。

あくまで教師の主観であり、その時の状況や好き嫌いも影響するところなので、通知表の信ぴょう性が低いと感じるところです。

【よくできる】がつくポイント⑤

頑張っている姿を教師に印象づけておく

【補足】評価の仕方について

評価の仕方が相対評価から
絶対評価に変わった

子どもの成績は、2001年までは相対評価でつけられていました。

相対評価とは、例えばクラス全体の

2割が【A】

7割が【B】

1割が【C】

という割合を学校全体で決めて、クラスごとに成績上位の子から割り振っていくという方法です。

(割合は学校・学年によって異なります)

いくら成績の良い子がたくさんいるクラスでも、上位2割の子だけが【A】を獲得できる仕組みです。

デメリットとしては、相対的に評価が決まるので、全体的に平均点が低かったとしても必ず上位何割の人に【A】がついてしまいます。

また、努力して頑張っても上位に不動の優秀者が君臨していると、いつまでも【A】評価をもらえない子がでてくることがあります。

絶対評価は、他者は関係なく、例えば100~95点までを取れば誰でも【A】がもらえる仕組みです。

なので、クラス全員に【A】がつく可能性もあります。

個人の頑張りをしっかり評価できるので、多くの子どもにとっては絶対評価の方が嬉しいのではないかと思います。

ですが、客観的な実力が把握しづらくなってしまい、親にとっては対策が立てにくくなってしまいました。

まとめ

よくできるがつくポイント

①テストの平均が95点以上ある

②課題の提出を守れている
(かつ、クオリティが高い)

③ミニテストも確実に良い点数

④授業中に積極的に発言や活動をする

⑤頑張っている姿を教師に印象づけておく

成績のつけ方

・テストの結果を重視

・点数を集計ソフトに入力・順位づけ

・提出物の確認/評価

・ミニテストの結果で人数調整

・授業の態度で加点・減点

・主観による微調整

いかがだったでしょうか。

小学校の成績はおおよそこのようにつけられています。

教師により多少のやり方の違いはあるにせよ大体はこのような流れです。

これらを意識して勉強に臨めば、通知表の評価は簡単に上がります。

ただし、通知表の評価がお子さんの真の実力を表しているとは言い難いので、そこは注意が必要です!!

この記事が何かしらのお役に立てれば幸いです。

最後まで読んでくださりありがとうございました!!

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