カウンセリング

ポジティブシンキングにひそむ3つの落とし穴【メンタルコーチの視点で解説】

当ブログにお越しくださりありがとうございます。

 

この記事は、ポジティブシンキングにひそむ3つの落とし穴について解説しています。

 

僕は10年近く小学校の教師として働いてきました。

そのかたわら、カウンセリングやコーチングのスキルを身につけ、プロのアスリートのメンタルをサポートしたりセミナー活動も行ってきました。

 

たくさんの心理学や脳科学などを学んできましたが、これは気をつけておいたほうがいいなと思う概念があります。

 

それは、ポジティブシンキングです。

 

ポジティブシンキング最高!

絶対デキル!デキル!デキル!ってやつです。

 

僕はポジティブシンキング崇拝とよんでいますが。

 

人気セミナーもたくさんあり、リピーターがとても多いように感じます。

 

なぜ知っているのか?

かつて僕も、わりと参加していたからですw

 

ポジティブシンキング自体はわるいことではないですが、気をつけないと陥ってしまう落とし穴がありますので紹介したいと思います。

 

この記事はこのような内容です!

ポジティブシンキングにひそむ3つの落とし穴

①長続きしない

②問題を直視しない

③時間とお金を搾取される

 

メンタル、セミナー業界にのさばる、ポジティブシンキング最高!説にも一石を投じたいと思います。

ポジティブシンキングの落とし穴に気をつけろ!

落とし穴はこれ!

①長続きしない

 

②問題を直視しない

 

時間とお金を搾取される

です。

 

それでは具体的に解説していきますね。

①ポジティブシンキングは長続きしない

カンフル剤で今日も元気!元気!

冒頭でも書きましたが、やる気!絶好調!イエーイ!!とかやっちゃっている人は、高い確率で途中で挫折するんです。

 

セミナーや講演会で元気をもらったり、やる気を引き上げてもらうのはべつに悪いことだとは思いません。

 

やる気は確実にあがりますし、自分もデキる人間のような気になれますから。

 

けれども、それと結果が出せるかどうかはまったく別問題です。

 

有名な講師が「ポジティブでいこー!!」

って言えば、なんだか自分もイケるような気になってくるものです。

 

ですが、この講師が陰でどれだけの苦労や努力、血のにじむ思いをしてきたかは、軽い部分しか知りません。

 

マインドセットは死ぬほど大事です。

それと同じく実行動も死ぬほど大事なのです。

どちらも無いとダメなんですね。

 

なので、言葉や雰囲気だけを受け取って、

「この人みたいになりたい!なれる!絶対になれるんだー!!」

って興奮気味に思っても、数時間、現実の世界で過ごせばスーッと興奮は冷めていきます。

 

長くても2,3日です。

 

それが常態化してくると、セミナーの住人になってしまいます。

「あぁ、そろそろカンフル剤投与してもらわな。おれ成功できないよ。」

一種の麻薬です。

 

一時的にやる気を奮い立たせるために、カンフル剤としての自覚があって、ポジティブなセミナー動画、啓発本を読むのはいいかと思います。

 

僕も鴨tubeやホリエモンチャンネル好きなので、乗らないなーってときは、作業やめて見るときもあります。

そこからヒントを得ることもあるので。

 

ただ僕が言いたいのは、ポジティブシンキングであれば結果はおのずとついてくると考えるのは、甘ちょろビンだということです。

 

成功できる人が1割しかいないのも納得なのです。

ポジティブシンキングで問題を直視しない

トライ&エラーのエラーはいずこへ

僕がポジティブシンキングを危惧する、もっとも大きな理由は、ポジティブシンキングは問題をあまり直視しないということがあるからです。

 

何かで結果を出すためには、トライ&エラーをくり返し行って、成功に近づけていくことが大事です。

誰でも知ってることだとは思いますが。

 

狙っていきなり一発目で結果を出せる人なんてまずいないですよね。

 

学校の研究授業でも、本番までに別のクラスで何パターンかの授業案を試してみて、修正をかけてから学校全体にむけた公開授業を行います。

 

ポジティブシンキングでなんでも乗り切れるという思考だと、ネガティブ要素は悪であり、なかったことのようにハイテンションで上塗りしようとします。

 

つまり、トライ&エラーのエラーはどこかに行っちゃっています。

なので、検証・修正のしようがありません。

 

口角を上げたり、鏡の前でニコッと微笑んだら、一時的にはテンションが上がったような気になるかもしれません。

脳が楽しいことだと勘違いするからだそうです。

 

ですが、ネガティブな感情がわき出てきたり、どうもテンションが上がらない状況には必ずそう思わせる何かが潜んでいます。

 

ネガティブの事例

【Aさん】あぁ、学校行きたくないなぁ・・

 

【Bさん】なんだか分からないけどすごく不安・・

 

【Cさん】今日は空気が重く感じる・・

みたいなしんどいテンションの時があるとします。

 

それぞれの人には、以下のような原因があったとします。

Aさんの原因は、ある保護者とうまくいっていなくて、今日も何か言われるんじゃないかと億劫になってきている

 

Bさんの原因は、夕方見てたニュースが凶悪犯罪の内容で、その怖さに引っ張られている

 

Cさんの原因は、ここ数日、徹夜が続いていて体がSOSを発している

というそれぞれのネガティブな原因があるために、不安になったり、億劫になったりします。

 

これをなかったかのように、アホみたいに、

 

よっしゃー!!おれはデキル!デキル!デキルーっ!!

と、やったところで、絶対空回りするんです。

 

むなしくなるし、問題を先送りにしているにすぎません。

 

ここで必要なのは、これらの根本原因を見つけて、自分ってダメだわって落ち込むのではなく、その原因の解決にむけた手立てを考えることです。

 

例えば、①の解決にむけた手立てなら、

・管理職や学年の先輩にフォローしてもらう

 

・直接会いに行って話してみる

 

・これまでの連絡帳などを読み返してみて、こじれた元を探ってみる

など、いろいろな手立てをうっていけると思います。

それは、問題を直視するからこそです。

 

ですが、これがポジティブシンキング崇拝者だと、気持ちのもちようでなんとでもなると勘違いしているので、ただただ現状をこじらせていき、周りからもあいつは痛いくらいに空気が読めないやつだと、毛嫌いされてしまう人になってしまいます。

 

②の解決にむけた手立てなら、

テレビを極力見ないようにして、ニュースはネット記事の見出しだけにするだけで、なんだか分からない不安に引っ張られる可能性が下がります。

 

もしかしたら、もう少し深い部分に原因となる体験があるのかもしれませんが、テレビの情報にふれないようにするだけでも効果はあります。

 

テレビって思っている以上に、深層心理に影響力があります。

そんなことも計算して、CMや番組作りはされていますから。

いわばのテレビは洗脳マシーンです。

 

心のどっかでは分かっている。だからネガティブになる

世間一般では、ポジティブは善、ネガティブは悪みたいな風潮がありますが、違います。

 

なんでもかんでもポジティブにもっていこうとするのは、浅はかです。

 

ネガティブな感情っていうのは、深層心理にある、解決できていない問題や違和感を、

それ、どうにかせなアカンのちゃうの!?

って心の底から発しているSOSなんですよ。

 

内臓に負担のかかるものばかり食べ過ぎて、体中にブツブツが大量にでたとします。

 

それを治そうと、いくらクリームを塗りまくったところで良くならないのと一緒です。

 

体が、それ、どうにかせなアカンのちゃうの!?

っていうSOSのサインを発しているんですよね。

 

それを無視し続けて、クリーム塗り続けて、内臓に悪いものばかリを食べ続けていたらどうなるかは想像つくかと思います。

 

ポジティブシンキング崇拝とは、そういうことなんです。

ポジティブシンキングで時間とお金を搾取される

セミナー狂の人たち

最後にポジティブシンキングは時間とお金の搾取です。

ちょっとゲスいですが、事実です。

 

ポジ系のセミナーや講演会の講師をされている方の中には、結構なお金持ちがたくさんいます。

それ自体は素晴らしいことだと思います。

 

それだけの価値提供ができているということですから。

 

その人たちが素敵なマンションに住み、でっかい車に乗り、セレブリティな生活を送れるのも、ひとえにセミナー狂の方々のおかげです。

 

ポジティブシンキングは一種の麻薬であり、カンフル剤なので、一時的なやる気を引き出すには効果的です。

 

ですが、中毒性もあるので、1か月もすれば、

「あぁ、切れてきた・・。職場の人間は無能なやつばかりだし。」

 

「もうこんな環境まっぴらごめんだ。あの最高な空間に早く行きたい!!」

 

って、スマホでスケジュールのチェックなんかを始めます。

 

1回のセミナーで3~4000円のものもあれば、連続セミナーで数十万かかるものもあります。

 

自分の能力を高めるために、セミナーにお金を投資すること自体は良いことだと思いますが、目的がスキルや学びではなく、

「自分もデキる!!」って思えるようになるために、通いつめる人もいます。

 

残念ながら、ポジティブシンキング崇拝では結果は出せません。

 

ただただ、実行動と修正をくり返すのみです。

 

セミナー狂、セミナージプシー様のおかげで、セレブ講師さんたちはうはうはな毎日を過ごすことができます。

 

まあ、幸せと満足感の対価としてお金を受け取っているのですから、どちらもwin,winですかね。

 

まとめ

ポジティブシンキングにひそむ3つの落とし穴

①長続きしない
カンフル剤として活用していることを自覚する

 

②問題を直視しない
ネガティブに目を背けない

トライ&エラーのエラーがない

 

③時間とお金を搾取される
喜んで搾取されてるならよい結果には直結しない

という内容でした。

 

かつての僕もポジティブシンキング崇拝者でした。

 

そして、それを周りにも共有しようとしていました。

正直、キモかったと思います。

 

そういった過去の自分への自戒の念もこめまして、

ポジティブシンキングには気をつけないと落とし穴がいっぱいという記事を書きました。

 

物事を達成する上で、ポジティブに考えることは必要だとは思います。

 

僕自身もそのように思考することが多くの場面であります。

 

ただ、ポジティブに考えていればなんでもかんでもうまくいくと考えるのは、浅はかで意味がないと思っています。

 

ということでした。

 

貴重なお時間をありがとうございました!