【人材育成】部下と良好な信頼関係を築くために必要な4つの概念を解説
人材育成でよくある悩みとして、部下との価値観の違いや、年齢からくるギャップによる人間関係がうまく構築できないということがあります。
なんとなく温度差がある、頼ってこない、相談すらしてこない。
そのようなお悩みをよく耳にします。
ということで、今回は部下との良好な信頼関係を築くために必要な関わり方について解説していきたいと思います。
ビジネスだけでなく、あらゆる人間関係に応用可能ですから、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
信頼関係を築くことが基本
良好な人間関係の基本になるものは、信頼関係です。
信頼とは、無条件でこの人だったら大丈夫、安心できると思えることです。
信用とは、要件を満たしたときのみ、あなたのことを信じるよということです。
信用銀行とはいいますが、信頼銀行とはいわないですよね。
部下と関わるうえで、信頼関係を築くことは互いのパフォーマンスを上げることにもつながります。
この上司のために一生懸命頑張ろうと思われるのか、
なんであんたのために協力しなきゃだめなんだよと内心思われているのでは大きく違います。
より良い関係を構築する上で大切なこと、やってはいけないことをまとめましたので以下をご参考ください。
信頼関係の構築に必要なこと
聴き上手になる
まず、相手の話をしっかりと聞くということはとても重要なことです。
【聞く】よりは【聴く】の方がニュアンス的に合っています。
つまり、聞こえてきた音声を受け取るだけでなく、意識して相手の言葉を聴くといった感じです。
部下と上司の会話のやり取りでよくありがちなのが、部下が話し始めると頭の中では、
「ああそういうことね。はいはい分かった。その解決法はこうするんだよ。ながながと必要ないんだよ。これだろ?」
というように、過去の自分の経験と照らし合わせて、評価・分析しながら部下の言葉を聞き流してしまいます。
話の途中で全部分かったつもりになってしまい、部下の思いまではくみ取れない、一方通行なコミュニケーションが生まれてしまいます。
話している部下も、なんだか聞いてもらっている感じがしないのと、結果的に批判的な返答やそもそも論的なことを言われてしまうと、次からはこの人には大事なことは話せないと判断するようになってしまいます。
ビジネス、学校、夫婦関係や親子関係でも、このようなコミュニケーションは無自覚に行われています。
まずは丁寧に、じっくり聴くということがとても重要になりますね!
安心・安全を保障する
自分の内面を相手にさらけ出すことは勇気のいることです。
ましてや、歳の違う上司と部下では、腹を割って本音で話し合うというのはレベルの高いことなのかもしれません。
全部をさらけ出す必要はないですが、自分の思っていることや考えを上司に伝えられないような環境では、新しいアイデアや改善点などが見つかったとしても、会社に還元するチャンスが減ってしまいます。
部下が上司に意見しずらくなる原因の一つに、安心・安全が保障されていないことが考えられます。
「これを言ったら気分を害されるんじゃないだろうか」
「いつも否定ばかりされるし余計な荒波はたてないでおこう」
「いつまでそんなこと言ってんだ!って舌打ちされたし・・・」
というように、はじめはコミュニケーションを取ろうとしていたケースでも、はなから否定されたり、受け入れられなかったりした経験が重なれば、言っても無駄という諦めの気持ちが生まれてしまいます。
そして、多くは陰で上司の悪口大会に発展します・・・。
「あいつ、わかってない!」
『Yes,and I ~』話法
聴き上手になるとは、まず相手の意見・考えを無批判で受け止めるということです。
受け止めるのであって、全てを認めるということではありません。
「そうか、君はそう考えているんだね。」
と受け取るだけです。
その後で、自分と考えが違うのであれば、
「そうか、君はそう考えているんだね。なるほど。」
「そして、このプランのA案に関しては、私は〇〇〇だと思うのだけども、君はどう思う?」
というように返せば、お互いの意見を建設的に交流させることができます。
『相手の意見を受け止める、そして、自分はこう思う』
ただこれだけで、相手は否定・強制された感じを受けないですし、自然と対等な意見交換の場が生まれます。
リスペクトする
『嫌われる勇気』が大ヒットし、アドラー心理学が多くの人に知れ渡りました。
その、アドラー心理学で大切にされている概念の一つに、『人はみな対等な関係である』という考えがあります。
人はみなですから、大人も子供も、赤ん坊もお年寄りもです。
人間関係は縦ではなく横のつながりを大切にすべきとあります。
つまりは、部下と上司にも当てはまるということです。
上司は部下を、上から下に見てしまいがちです。年功序列という言葉があるように、これまでの自分たちが経験していた概念では、上下があってあたりまえだと思います。
けれども、信頼関係の構築において、横の関係を意識することはとても大切なことなのです。
想像してみてください。
すごく尊敬できる、仕事のできる上司でも、有名な起業家やタレントでも。
いつも偉そうに上から目線で、否定ばかりしてくる上司と、
横に寄り添ってくれて、仕事はすごくできるのにいつも謙虚な上司。
どちらを尊敬して、ついていきたいと思いますか?
多くは後者ではないでしょうか。
横の関係を築くとは、相手をリスペクトするということです。
対等な関係で、相手の人生をリスペクトし合うからこそ、お互いの意見を尊重することができ、そこに信頼関係が生まれるのではないでしょうか。
やってはいけないコミュニケーション
ここまで読み進めていただければ、何となくやってはいけないコミュニケーションがどういうものか予想がつくかもしれません。
上記の逆を行うということですね。
全ての基本は、相手にリスペクトがあるかどうか
部下の話を丁寧に聴かないのも、頭ごなしに否定するのも相手にリスペクト(尊敬の念)が欠けていると考えられます。
・自分の価値観を押し付ける
自分がこれまで見てきた世界観の中で、相手の行動や考えをジャッジして、否定してしまうのは、とてももったいないコミュニケーションです。
自分の意見・考えは持ちつつも、お互いにとって一番必要な最適解を生み出すことが、組織の発展にも繋がっていきます。
逆にトップダウン型の関係性しか築けていなければ、部下は思考停止状態になり、クリエイティブな発想は生まれにくくなっていくと考えられます。
他には、
・評価・分析・判断で聞く
・話し合いのテーブルに乗らない
・上の世界から降りようとしない
などのような関わり方を続けていては、良好な信頼関係を築くことは難しいかもしれません。
まとめ
今回は、部下との良好な信頼関係を築くために必要な関わり方について解説してみました。
部下だけでなく、生活の中のあらゆる人間関係の中で応用可能な要素です。
これまでのコミュニケーションのスタイルと大きく違っていれば、自分の中に抵抗が生まれるかもしれませんが、もし、このような関わりを意識的にでもできるようになれば、確実に人間関係は良くなります。
・丁寧に聴くこと
・受け取ること
・安心・安全の場を作ること
・リスペクトすること
この4つを意識して、ぜひ最高の部下との関係を作ってくださいね!
あなたの心が晴れますように。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!!