家庭学習を小学生に習慣化させるための5つのポイントを小学校教師が解説します!
うちの子、学校から帰ってきても勉強を全然しようとしないんです。
すぐに出ていっちゃうし、夜はゲームばっかりして。
悩まれるところでしょう・・。
家では注意していないわけではなく、むしろ厳しくしつけてきた方だと思うんですが・・。
学年が上がるにつれて、言うことも聞いてくれなくなってきますよね。
同じような悩みを抱えたお母さん方をこれまでたくさん見てきました。
どうにかせねばってことで、
担任をしていた頃に考えだした、お子さんが家庭学習をできるようになるための秘訣がありますのでご紹介しますね!
当ブログにお越しくださりありがとうございます。
今回は、家庭学習を小学生に習慣化させる5つのポイントについて書きました!
家に帰ってから全然勉強をしないということで悩まれている親御さんはたくさんいらっしゃるかと思います。
私もこれまで、小学校で数百名のお母さんのお悩みを聴いてきました。
それらの経験と学級指導の中でうまくいった事例を元に、家庭学習を習慣化させるために必要なことについてまとめてみましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
最後までよろしくお願いします。
家庭学習を習慣化させるための5つのポイントとは?
①学習の目的を親子で考える
②17時~19時の間にやる(夕食・風呂前)
③課題+自分の興味のあることをやる(自主学習)
④学年×10分間(子供による)
⑤親の目の届く場所(集中できる所)
このような内容が書かれています!
それでは詳しく解説していきたいと思います。
①何のためにするの?
家庭学習は何のためにやるのか
まず、何よりも大事なことは、何のために家庭学習をするのかという目的の確認を、子どもと親ができているかが大事です。
家庭学習が大事だということは何となく分かっているものの、何のためにやって、どんなメリットがあるのかということを、お子様に確認されている親御さんは少ないかと思います。
・周りの子から遅れないため
・やらないと叱られるから
このような理由で机に向かっている子も多くいるでしょうが、それではおもしろ味が感じられず、つまらない苦痛の時間を毎日過さなければいけません。
到底、習慣化はされにくいでしょう。
「なぜ家で学習をする必要があるのか?」ということについて、しっかりと時間を取って、お子様と向き合うことは、その後の子どもの行動にも良い影響を与えます。
さまざまな家庭学習の目的
・宿題を消化するため
・叱られるのを回避するため
・学んだことを定着させるため
・苦手なところを克服するため
・より実力を上げるため
・叶えたい目標や夢のため
・興味があるからしたくなる
家庭学習の目的はさまざまで、それぞれ個人によっても異なります。
教育現場では基本、学習習慣の定着を図るために家庭学習があると言われています。
では、なぜ学習習慣の定着が必要なのでしょうか?
家庭での学習習慣は中学、高校、大学入試では必須の能力になります。
小学校のように周りの大人が手取り足取り教えてくれる環境ではなくなります。
自ら学習し、苦手なところを克服していく能力が必要になります。
身に付いていないと、のちのち本人が困ることになります。
家庭学習はめちゃめちゃ大事なことなのです。
ですが、後々入試で困ると言ったところで、子どもの心には響きません。
叱られるから嫌々やっていたり、自発的な目的がないうえで家庭学習を毎日やらせたりしても学習習慣は定着しないと、私は思っています。
できるだけ早いうちに、「家庭学習はやって当たり前だからやりなさい!」ではなく、
「何のためにやるんだろうね?」の問いを投げて、お母さんと一緒に考えることが大切です。
そして、その問いに対する正解はありません。
親子で向き合って、主体的に考えてみることが大切です。
つまり、思考停止の教育から論理的思考力を育む教育への転換です。
子どもから、あまり前向きな考えが出てこないこともあるかと思います。
その際も否定せずに、その考えを一旦受け取ります。
自分の思いを受け入れてもらいたいのであれば、子どもの考えも否定してはいけません。
その後、「お母さんはこう思うんだけどな、どう思う?」と、子どもが想像し得なかった、未来地図を提示してあげることで子どもの思考が広がります。
例えば、
むしろ頭が悪いとなれないのよ。
なぜだと思う?
その高い要求に応えられるだけ彼らは優れてるの。
その力ってどうやって身につけてきたと思う?
というように、世の中の憧れの対象を例に挙げて、問いを投げます。
たとえお母さんの考えを受け取ってもらえなかったように見えても、子どもの思考は新たな視点から逃れることはできません。
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だからあなたも勉強しなさい!
ではなく、
と問いを投げる方が子どもは勝手に考え始めます。
繰り返しますが、勉強は必要だからやりなさい!では子どもには届きません。
勉強を通して身につける能力が、自分の将来を無限に広げてくれるという未来地図を見せてあげることです。
正答は出なくても、「何のためにやるのか」ということに向きあうだけで、子どもの行動は変わってきます。
②いつやるの?
いつやるかで学習効果は変わる
【一番避けたい時間帯】
まず、一番避けておきたい時間帯は、食後から就寝前(21時~0時ごろ)です。
日中の疲れが出てくる時間帯です。
特に暗記ものの学習はやってもそれほど効果が望めません。
最近の小学生は、大半が習い事や塾に通い、忙しい毎日を過ごしています。
帰宅が遅いと、どうしても後のほうにやることがずれ込んでしまいますが、できるだけ早く寝て、すっきりした頭で朝に学習する方が断然効果的です。
【帰宅後 16時~16時30分くらい】
帰宅したらまず学習(宿題)を終えてから、遊びに行ってもよいルールを設定されているご家庭があります。
これは子どもによっては良し悪しがあります。
遊びに行きたいがために、適当に早く終わらせてしまうことがあるからです。
家庭学習の目的が明確に持てている場合はよいですが、慌てて済ませてしまうのであれば、遊び終えてからにする方が良いかもしれません。
☆【夕食前の待ち時間17時~19時の間】☆
私が考える家庭学習のゴールデンタイムは、夕食前の待ち時間です。
この時間帯にだらだらと、アニメを見たり、ゲームをして過ごしたりしていては効果的な家庭学習の習慣は身につきづらいと思います。
各家庭の事情があるので一概には言えませんが、そばにお母さんがいて、その横で家庭学習をする環境こそが理想的です。
子どもは多少の疲れはありますが、まだ頭が覚醒している状態です。
晩ご飯を食べた後だと、一気に眠気や疲れが襲ってきて学習どころではなくなってしまいます。
ゲームやアニメは夕食後リラックスした状態で楽しめるようにしておけば、子どもにもお母さんにも負担はないでしょう。
【夕食後 20時以降】
この時間帯もあまり学習効果は望めません。
食後は眠くなってしまいますし、見たいテレビ番組もあり集中力が削がれやすい時間帯です。
あわせて入浴を済ませると、いよいよ学習できる状態ではなくなってしまいます。
【早朝 6時から7時】
早く寝て睡眠をしっかりとった場合は、早朝の学習はとても効果的です。
頭がリセットされているので、冴えている状態で学習できます。
ただ、親が横についてサポートしてあげられないのと、時間の制約が夕方よりタイトになります。
お母さんのサポートがあるとなお良いですね!
③何をやるの?
宿題は家庭学習になる?
ほとんどの小学校では、毎日何かしらの宿題が出されます。
多くの教師は、宿題を出すのは家庭学習を身につけさせるためだと言います。
なかには、驚くほど大量の宿題を出す担任もいますが、宿題の量が多すぎるのは逆効果であると、米国デューク大学のハリス・クーパ博士の研究論文で発表されています。
とはいえ、宿題をやっていかなければ次の日に叱られてしまうので、その日の分は済ませる必要はあります。
ただ、これだけで家庭学習を終わらせてしまうのはもったいないなと、個人的には思います。
主体性を持たせるための自主学習ノート
私が担任をしていた時に出していた宿題は、自主学習です。
学習内容は自由で、自分の興味あることを最低ノート1ページに調べて、まとめてくること。
虫でも、ロボットでも、ディズニーでも、ファッションでもO.Kにしていました。
もちろん、苦手と感じている漢字でも計算でもよいです。
時にはこちらから内容を指定して、テスト前にはテスト勉強とすることもありました。
学年にもよりますが、6年生に出していた時は保護者からも好評でした。
なぜなら、子どもが家で熱心に自分の興味のあることに取り組むようになったからです。
サイクリングのパーツについて事細かく調べてくる子もいれば、漫才の台本を書いてくる子もいました。
塾に通っている子も熱心にやってきてくれていました。
机に向かって、興味のあることに集中して取り組む。
これが主体的な家庭学習の素地を育てると私は考えます。
低学年、中学年までであればご家庭で、宿題+自由な課題で何かに取り組ませることを習慣化させることも1つの手立てです。
学年が上がるとやることも増えるので、なかなか厳しいかもしれません。
できた課題は大いに関心をしめして、認めてあげることで子どものやる気は増大していきます。
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そして、子どもはまた、次に調べたいことに向き合います。
ノートに調べる、まとめることの小さな成功体験をたくさん積ませてあげます。
そのような良い循環を生み出せるのは、教師よりもお母さんのほうが確実です。
ちなみに、私は国語や算数の宿題の大半は学校でさせていました。
そちらのほうが集中して取り組みますし、つまずいている子のフォローもできます。
塾や習い事通いで忙しい子どもも多かったですし、自主学習で主体的な学習習慣を身につけさせたかったからです。
④どのくらいやるの?
該当学年×10分
さまざまな研究などから、お子様の該当する学年×10分が適正な学習時間だと言われています。
小学1年生であれば10分、6年生であれば1時間です。
これはあくまで目安です。
私の友人は15分以上はさせないという教育方針で子育てをしていました。
だらだらするよりも、集中力して取り組ませるためだということでした。
子どもの実態をみて、それぞれにあった学習時間を見つけ出せるとよいのではないでしょうか。
⑤どこでするの?
親の目の届く、集中できる環境
親の目が届く、サポートしてもらえる環境はとても重要な要素です。
特に、小学校1年~3年生くらいまでは、丁寧に学習の進捗状況を確認してあげることが大事です。
できていないところの確認だけでなく、お母さんが寄り添ってくれていることがやる気と安心感を生みだします。
人には承認欲求や他者貢献の欲求がありますから、できたことを認めてくれたり、お母さんに教えてあげて感謝してもらうことで、学習することの楽しさを自然と身につけていってくれます。
まとめ
①学習の目的を親子で考える
②17時~19時の間にやる(夕食・風呂前)
③課題+自分の興味のあることをやる(自主学習)
④学年×10分間(子供による)
⑤親の目の届く場所(集中できる所)
いかがだったでしょうか。
これら5つのポイントを丁寧にクリアされれば、小学生のお子さんに高い確率で家庭学習を習慣化させることができると思います。
そして、すぐに変化や結果が出なくても長い目でじっくり関わっていくことが、結果的に子どもの成長に繋がっていきます。
焦らずに取り組んでみてくださいね。
この記事がお役に立てれば幸いです!
あなたの心が晴れますように!
お忙しい中、貴重なお時間をいただきありがとうございました。