人間関係のトラブルやこじれている人にはポジションチェンジがおススメ【メンタルコーチが解説】
アドバイスも聞かないし、もう関わるのやめました!
ははっ、ははは。
当ブログにお越しくださりありがとうございます!
ココハレです!
私は10年ほど小学校の教員として働いてきました。
そのかたわら、メンタルコーチのライセンスも複数もっており、プロアスリートのメンタルサポートなども行ってきました。
これまで学んできた心理スキルの中から、簡単にできる効果的なものを紹介していきたいと思っています。
今回紹介するのは、ポジションチェンジというワークです。
人間関係のこじれに効果的なワークです。
実際の学校現場でも活用しまくりで、数々の子供のトラブルを解決してきた経験もあります。
ぜひ人間関係の改善にお役立てください。
ということで、
この記事は、人間関係のトラブルやこじれている人にはポジションチェンジがおススメ
・ポジションチェンジの解説とワークのやり方
・原理・原則の説明
について書かれています。
こんな内容です!
・イスを使って、相手の立場にたって考える
イスを使ったワークの進め方
・いちいち体を動かすことに意味がある
・『思いして、想像する』『第三者の視点でみる』が肝
・相手を変えるのではなく、自分のとらえ方を変える
それでは、詳しい解説にはいっていきますね!
長引く人間関係のこじれにはポジションチェンジがおススメです
人間関係がうまくいかずに悩んでいる方ってすごく多いと思います。
教員の世界では、子供との関係がしんどくなるというよりは、あっとうてきに職員間や保護者との人間関係がしんどくなって仕事が嫌になってしまうケースの方が多いように思います。
詳しく統計をとったわけではないので経験値で言ってますが。
間違いないと思います。
うなくいかない相手としっかり話し合うことができれば、何らかの解決策もみえてくるのかもしれませんが、そもそも話し合いが成立しないからこそ、どこまでもこじれてしまいますよね。
そこで、解決にむけた心理テクニックを1つ紹介したいと思います。
ポジションチェンジという技です。
昔はゲシュタルト療法でエンプティチェアという呼び名で活用されてきました。
ここ十数年では、カウンセリングだけでなく、コーチングのスキルとしても広く取り入れられています。
その際には、ポジションチェンジという呼び名で扱われることが多いように思います。
(イスを使わずに、ポジション(立場)だけチェンジすることもあるからでしょうか。詳しくは知りません!)
見た目はめちゃめちゃ胡散臭いですが、実際に体験してみると、これが不思議や不思議。
心の耳垢が取れる感じです。
心なのか耳なのかはおいといて。
何か引っかかっていたものが、すっと降りる感じです。
だれでも簡単に行えて、リスクもない(1人でやっているところを知らない人に見られたら引かれます)ので、やり方を紹介したいと思います。
ポジションチェンジのやり方・手順
①イスを必要な数だけ用意する
まず、イスがないと始まりません。
もしなければ、座布団でもいいし、布でもいいです。
自分と問題の相手の位置が分かればよいです。
その上に乗っかることができれば何でもできます。
イスの数は必要最低限の方がいいですね。
多すぎるとわけわからんカオス状態になってきますので。
問題の相手が1人なら、自分と相手の分で2つ。
もし職場の人間全員であれば、その中でも主要な1,2人をピックアップします。
②イスの位置を決める
ゲシュタルト療法では、イスを対面で置くのですが、より効果、臨場感をもたせるために、イスを自由な位置に起きます。
例えば、目をつむって、愛おしい彼女を思い浮かべるとき、自分からすぐ近くの左側にいるようなイメージを持つ人もいれば、ななめ後ろで支えてくれているようなイメージを持つ人もいます。
嫌いな上司を思い浮かべたとき、正面にいるイメージよりは、少し離れたところからネチネチ嫌味を言っているイメージを持つ人もいます。
このように、人によって相手を思い浮かべる位置(ポジション)は変わってくるので、課題の相手を思い浮かべて一番しっくりくる位置にイスを置きます。
あまり神経質になりすぎずに、なんとなくこの辺かな?くらいで大丈夫です。
より普段の人間関係のりんじょー感をもたせる工夫だと思ってください。
③普段の自分の言動を再現する
イスの位置がきまったら、相手のイスの方に向かって普段自分が行っている言動を再現します。
遠慮なく、本気でやることが効果をだせるコツです。
例えば、全然仕事のできない新任が入ってきたとします。
最近では、アドバイスを聞くどころか反抗的な態度まで見せるようになってきました。
「こいつはどうしようもないやつやな。」
「ほんまにありえん!もうシカトや!!」
と、学年間で冷え冷えの空気になっていたとします。
そしたら、実際にその新任に向かってアドバイスしてきたことや普段の関わり方を再現して、イスに向かって話します。
ただのイスやーん!ではなくて、そこに相手がいると仮定して本気で話さないと効果は出にくいです。
④ひとしきり終えたら、相手のイスに座る
ひとしきり、アホ・ボケ・カスと言い終えたら、イスから立ち上がって大きく伸びをするなり、深呼吸をしてください。
イスから幽体離脱する感じで、抜け出してください。
そして、抜け出したタマシイで今度は相手側のイスに座ってください。
相手の中に入り込むイメージです。
相手の姿勢やしぐさなどを真似ても効果的です。
そして、さっき自分がひとしきり、アホ・ボケ・カスとののしったり、シカトした言動を思い出して胸いっぱいに受け止めてください。
この時は、元の自分を離れて、フラットな状態で新任になりきることが大事です。
ひとしきり、胸いっぱいに言動を受け取ったら、そのことに対して感じたことを、自分が座っていたイスに向かってぶちまけます。
自分が思いついたことを話せばいいだけです。そしたら、
「そんな言い方しなくてもいいじゃないですか!」
「周りの状況も分からないし、ナーバスになっている上に無視されて、もう辞めたい!!」
「はなから否定されたら反抗的になります!」
みたいな言葉がでてくるかもしれません。
⑤もう一度自分のイスに戻って、受け止める
言葉がひとしきり出おえたら、また大きく伸びをして深呼吸して幽体離脱みたいに相手の中から抜け出します。
そして、元いた自分のイスの中に戻って、さっきの言葉を胸いっぱいに受け止めます。
ここで何か気づく場合もあるし、あと何回か自分と相手のイスを行ったり来たりしてもよいです。
⑥当事者から離れて、フカン目線で見てみる
第三者の目線で、この状況を見てみます。
自分のことはいっぱいいっぱいなのに、人の恋愛相談には、「そんな男やめとき!」と、いい感じのアドバイスできることってないですか。
それがフカン目線です。
客観的に物事をみるってことです。
2つのイスから離れた位置から、こじれている自分たちの様子をみて、どんなことを感じるか。
そして、どんなアドバイスを送ってあげたらいいのか感じてください。
そして、得意の恋愛相談のように、
「あんたな、そんなつまらんことで悩んでるんか。新人の頃の不安な気持ちどっか行っていもてるんちゃうか?」
みたいに、超上からアドバイスしてあげてください。
⑦元の自分のイスに戻る
フカン目線からの超上から目線のアドバイスを胸いっぱいに受け止めます。
イスから立ち上がって、大きく伸びをして深呼吸したらポジションチェンジのワークは終了です。
①から⑦までの流れを忠実に行っていただければ、それまでこじれていた原因がなんだったのかのヒントが得られます。
あくまでヒントです!
これをやったからといって、明日職場に行ったら相手がガラッと変わっているようなことはありません。
そんなスピリチュアル的なことをいうコーチはたいがい、なんちゃってコーチです。
とりあえず、心の耳垢がポロっと取れます。
ポジションチェンジの原理・原則
ポジションチェンジを初めて知った方で、ここまで読み進められた方は、超怪しいじゃないか!!と思われる方もいるかと思います。
最後に高額な魔法のイスを売りつけられるのではないかと。
そうです、1つ3万円のイスが今回特別、1万5000円で購入いただけます!
なんてことはいいません。
この心理スキルにも原理・原則があります。
なぜ、イスを行ったり来たりするだけで、心の耳垢がポロっと取れてしまうのか。
その解説をしていきます。
ポジションチェンジでなぜ、気づけるのか?
結論から言いますと、相手の立場に立って考えられるようになるからです。
小学校で言われそうなことですね。
人間関係がこじれてしまっているとき、たいがいは”自分が正しいという思考・立場”に固執してしまいます。
てこでも動きません。
でも、心の深い深い部分では分かっているんです。
「あ、そんな考え方もあるよな」って。
ただ、振り上げたこぶしをうまくおろせないんです。
こり固まった思考が邪魔してしまって。
「いや、いや、いや!あんたがおかしいでしょ!!」って貫きなさいと、損得の思考が指令を出すんです。
お互いにそんな状態なので、いつまでも交じり合うことはありません。
なので、イスを使って強制的に、自分の思考をリセットしてしまうのです。
いちいちイスを使って、体を動かすことが意味があります。
頭だけで考えると、相手の立場に立って考えようとしても、直後に、
「いや、でも、許されへん!!」という思いがわき出てくるので。
強制的に相手の立場に立って考えることをすると、気づくんです。
思いだすと言った方がよいかもしれません。
誰しもこれまでの経験のなかで、相手のおかれている似たような状況を経験してきています。
新任の態度にムカつく上司も、はじめは新任でした。
若手になめられた態度を取られている管理職の立場も、これまでの経験の中で重ねて想像することはできます。
『思いして、想像する』
ずばりこれです。
そして、『第三者の視点でみる』
こり固まった自分の思考から強制的に抜け出させて、『思いして、想像する』『第三者の視点でみる』をするのがポジションチェンジです。
その結果、フラットな視点から物事を見られるようになり、改善につながるヒントが得られるようになります。
結局は、相手を変えるのではなく、自分のとらえ方を変える。
この考えに行きつきます。
これは理屈うんぬんよりも、感覚として味わうと、自分の主観を柔軟にすることの必要性に気づけるかと思います。
ポジションチェンジは万能なスキルではない!
気づくことで、すぐに人間関係が良好になるほど現実は甘くもありません。
相手を前にしたら、やっぱり無理となるかもしれませんし、自分が変わるだけでは解決できないこともあります。
ただ、こり固まった思考をほぐすことによって、改善にむけてアクションを起こせる確率は確実に上がります。
自分のとらえ方や考え方が変われば、行動も変わってきます。
その結果、平行線だったこじれた人間関係が改善にむかうことは考えられます。
コーチングとは可能性を探って、トライ&エラーを繰り返して成功に近づける手助けをするものです。
そのスキルの一つであるポジションチェンジもまた、万能なものではなく、全てを解決できるものではないことは知っておいてくださいね。
人間関係のこじれの原因
①人は主観でものごとをみる
人間関係でこじれる時、相手のここが良くない、気に食わない、常識がない、許せない、理解してくれない。
など、これら全部自分側からみた、正しいなんですね。
自分目線から物事を見ているうちは、相手のことは理解できません。
そして、相手もまた主観でこちら側を正しいか正しくないかの判断をするので、どこまで行っても平行線のままなんです。
常識や道徳心を小さいうちから強くたたき込まれれば、主観でみる傾向も強くなります。
なぜなら、常識や道徳心は正しいからそこから外れている人は間違っているという価値観が根深くあるからです。
主観でものごとをみるのが悪いのではなく、自分も含め、人はそういうものだと知っておくことが大切です。
②過去の経験を忘れる
経験を積み、努力を重ねて成長すると、過去のダメダメな自分をなかったことのように感じてしまうことがあります。
記憶としては残っていても、その当時のダメダメ感、不安な心境など、自分ができるようになるにつれてその感覚が薄れてしまいます。
子供との関係がうまくいかないのも、こういったことが原因にあるかもしれません。
自分のことは棚に上げて!ってやつですね。
宿題がいやでいやでしかたがなかったのに、自分の子どもにはサボっていたらボロかすに文句をいう。
その当時の自分がやる気になるような関わり方をみつければ、子どもは宿題をするかもしれないのに、過去の自分のことは忘れてしまっているので、抑えつけたり、否定したりすることで関係が悪化していきます。
③自分のことほど見えない
相手の行動は許せない、できていないところが目についてしかたがない。
だけど、自分の知らないところでは、自分も同じように言われていることもあります。
つまり、自分のことは分かっているようで、分かっていないこともたくさんあります。
自分が完璧でないこと、欠陥住宅なみにダメダメだけどみなさまに支えられてこうやって生きられていますという感覚があれば、相手に対して謙虚な視点で関わることができます。
まとめ
・イスを使って、相手の立場にたって考える
・いちいち体を動かすことに意味がある
・『思いして、想像する』『第三者の視点でみる』が肝
・相手を変えるのではなく、自分のとらえ方を変える
ということでした。
一人でもできるワークなので、ぜひ家族の出かけている頃合いを見計らってチャレンジしてみてください。
より深い気づきや、自分ではうまくできなかった場合はプロのコーチにお願いすることもオススメです。
私もプロボクサーの方の専任コーチをさせていただいていますが、毎回いろんな気づきを得てもらっています。
読んでくださった方の人間関係がますます良くなっていくことを願っています。
貴重な時間をありがとうございました!