学校のリアル

気になる子どもへの指導が頻発したら疑ってみよう【脳のしくみ】

aki-dylan

当ブログにお越しくださりありがとうございます。

本記事の内容ですが、気になる子どもへの指導が頻発したら疑ってみよう【脳のしくみ】というテーマでお話ししていきます。

僕は13年、小学校の教員をやってきましたが、コーチングやカウンセリング、心理学のスキルを学級での指導に取り入れてから子供への関わり方が大きく変わりました。

 

子供たちもこれまで以上に活き活きと過ごしてくれるようになったんですね。

 

なので、教育の現場や子育て中の親御さんにいろいろな役立つスキルや考えをシェアしたいと考えています。

この記事を読むことで、

・思考のクセや仕組みについて知ることがる

 

・気になる子への注意の回数が減る

 

・子ども本来の良さを引き出す方法が知ることができる

これらのことを知ることができますので、ぜひ最後まで見ていただき、参考にしていただけると嬉しいです!

では本題にはいっていきましょう!

学級であるある・手のかかる子どもたち

どの学級でも、担任の思惑通りに動いてくれない子、問題ばかり起こす子、じっとしてられない子とかね。

いると思うんですよ。

いろんな特性、性格の子がいるとは分かってはいても、大人数を抱えている担任は、困ることもたくさんあるかと思います。

例えば、

「〇〇さん、静かにしてくれるかな。席につこうね」

2分後、

「〇〇さん、うるさいよ。うるさい。」

3分後、

「〇〇、〇〇さん。これ3回目ね。座りなさい」

5分後、

やかましい!座れ。

おい、何回言ったら分かるの!!

あのさ、いい加減にしてくれる。おい。

黙れ!!

みたいなね。

たしかに、授業中の適切な行動ができないがために、教師に指導されてしまうのはよくある光景であり、普通のことなんですが・・。

この時、教師の心理状態、心のなかでどんな思考が生まれやすいかというと、

「またあの子だ」「いつもあの子」「あの子は手かかる」「問題おこしてばかり」

「あの子おらんかったらどれだけ静かなんだろ・・」

こんな思考が生まれやすくなるんではないでしょうか。

気になる児童って、気になりだしたら、とことん気になりませんか。

やることなすこと、視界に入ってきて、注意せずにはいられない状態になりやすいかと思います。

だけどもね、

実は他にも注意すべき子がいるにも関わらず、気になるあの子だけが問題行動を起こしているように見えてしまっているかもというお話しをしていきたいと思います。

脳の性質が原因?まさか・・・

気になるあの子が問題ばかりを起こしているように映ってしまうのは、脳の働きによるものかもしれません。

毛様体賦活系(もうようたいふかつけい)といって、脳は焦点化したものの情報を集中的に集めようとする性質があるそうです。

普段、脳はとにかく身の回りにある情報を受け取らないようになっています。

目に映る情報、耳、口から入る情報、肌で感じる情報。

とにかくものすごい量の情報が1秒の中にもあふれていて、もしすべての情報を受け取って、脳が処理しようとするとエネルギー不足で死んでしまうそうなんですね。

なので、なるべく余計な情報はカットするようになっています。

逆に、生命維持に必要だと判断した、ものにはものすごいエネルギーで情報収集をはじめます。脳内Googleですね。

引き寄せもここからきている

例えば、新しいスマホが欲しいなと思ったら、ネット上や雑誌、街中に新機種についての情報があふれだします。

あれ、なんだかタイムリーだな。引き寄せてるよねー。みたいな。

これが脳の仕組みであって、新しいスマホの情報は普段から同じ量だけあったにも関わらず、脳がいらないと判断していたため、目や耳から入ってきていたけど、意識にあげていなかったんですね。

つまり、“焦点化したものは増えていく”ように感じるということです。

これが、学級の中でも起こっている可能性は大いにあるということです。

というか確実に起こっています。

「最近、トラブル続いてるな」「最近、〇〇さんよく喋るなー」とか。

普段も起こっていたにも関わらず、焦点化したことで意識にあがってきただけのことはよくあります。

なので、気になるあの子への指導が重なったら、指導者は一旦立ち止まって、偏りがないかを見つめることが大切です

このように関われば問題解決!

ただ、立ち止まって、自分の思考を見つめたとしても、やっぱり気になるあの子の問題行動はおさまらない。

焦点化が原因ではない!と思われる方へ、一つ提案がありますので、参考にしていただけたらと思います。

先ほど解説したように、焦点化したものが増えていくように感じるのであれば、

不適切な行動ばかりに焦点をあてるのではなく、適切な行動に焦点を当てれば、子どもの行動も、教師からの見え方も、関係性も変わってきます。

こんなことを言うと、「いや、あの子は適切な行動をしないから問題なのよ!!」

って思われる方もいるかもしれないんですが、もし現時点で適切な行動ができていないのであれば、無理やりに作りだしてあげればいいんですね。

今授業中だから静かにしてね。と声をかけて、一応はきいてくれたとします。

たとえば、1分間は静かにできたと。

そしたら、その1分間に焦点化して、声をかけるんですね。

「〇〇さん、静かにしてくれてありがとうね。先生がお願いして静かにしてくれてたね。

授業もやりやすいし、周りの子も集中できたよ」

みたいな感じです。

実際の場面では、なかなかきめ細かな声かけを積み重ねていくのは難しいときもありますが、本質はここです。

良いところにフォーカスして、そこを増やしていくってことです。

過去の改善した事例

僕が過去に学級で意識して改善していった事例を紹介します。

高学年の女子で、けっこう自己中心的な考えというか、前年度にいろいろと問題も起こしていた子だったんですね。

で、その子に対して、僕は思いやりとか協力的な心を伸ばしてあげたいと思って、このような関わりをしました。

「〇〇さん、このノート、そこの机の上に置いてくれるかな」

そのような簡単な依頼だったら、たいがいは受けてくれますよね。

そして、ノートを置いてくれたら、

「○○さん、いつもありがとう。気が利くよね。」

て声かけをしたんですね。

いつもでも、気が利くわけでもなかったんですけど、さも普段からやってくれているかのように声をあえてかけて、望ましい姿に焦点を当てたんですね。

言われた女子の子、よっぽど関係性が悪くなければ、言われて悪い気はしないですよね。

「あれ、私、気利くんかな」

「いつもありがとうって。先生、あの時のこと見てくれてたんかな」

って思うかもしれない。その可能性があるってことなんです。

それをくり返し、こちらから頼み事っていうかたちや、何となくその子がとった行動をフォーカスして、

「〇〇さん、ほんま優しいよな。思いやりあるわ」って関わりを続けたんですね。

間違ったらあかんのは、白々しく、ほめ殺しになってしまったら逆効果ですからね。

褒めるとは若干、ニュアンスが違うんですね。程度はわずかでも、必ず事実に対して声をかけないと嘘になりますから。

1年後、気になるあの子はすっかり変わった

1年間、いろいろなトラブルもありましたけど、変わりましたよその子。

もしかしたら、何も変わってなくて、僕の焦点あてる場所が変わっただけかもしれないですけど、受けもった4月当初とは全然変わりましたね。

もし、僕が不適切なところ、悪いところばかりに焦点化して、そのこと関わっていたら、たぶんその子は僕の見ているような不適切で悪い子になっていたと思います。

まとめ

ということで、ここまでの話をまとめると、

・脳は意識を焦点化したものが、増えていく、ように感じる

 

・不適切な行動に着目するばかりではなく、良い部分にフォーカスする

 

・良い部分がないと思うなら、意図的に作り出して焦点化する

ということでした。

間違ってほしくないのは、適切でない行動を見て見ぬふりをしましょうと言っているのではありません。

状況によって、指導を入れて、行動をあらためてもらうことも指導においては必要なことです。

大切なのは、その頻度です。

気になるあの子ばっかり問題を起こす、いつもあの子ばっかり注意してしんどいわって、思うことがあるかと思うんですけど、

いつもいつも注意されているあの子も、同じようにしんどい思いをしているのかもしれません。

教育をするなら、一つのやり方に偏ってしまうのではなく、いろんなバリエーションで関わる方が子供の良さ、可能性を引き出して伸ばす確率があがるんじゃないかと、僕は思うんですね。

悪いところばかり見る人よりも、人の良いところを見つけるのが上手い教師になれたら素敵だなと思います。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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