子供が学校を休みたいと言ったら休ませても良い理由4つ【小学校教諭の視点】
これまでそんなことなかったのに。
それでどうされましたか??
とりあえず今日は行きなさい!って行かせました。
後で考えると、何かあったのかなって心配になってきて・・。
当ブログにお越しくださりありがとうございます。
この記事は、子どもが学校に行きたくないと言ったら休ませてもいい理由4つについて書いています。
私は小学校で10年以上勤めてきましたが、不登校の児童と関わった経験も何度かあります。
長期的に来れなくなった子もいれば、1日休んで翌日から来れるようになった子もいます。
子どもが学校に行きたくない・休みたいとなった際に、周りの大人の対応次第でその子の今後の過ごし方も大きく変わってくるように思います。
そして、私個人の意見としては、子どもが学校を休みたいと言ってきたら全く問題なく休ませていいと思っています。
なぜ休ませてもいいと考えるのか、その理由は、
①何かのメッセージの可能性がある
・いじめ・勉強・教師
・無理に行かせる必要性はゼロ
②息抜きの仕方を学べる
・休むことは悪からの脱却
・自分で選択させる力をつける
③1,2日休んだところで影響はない
・致命的な遅れなどでない
④問題なければ自分から行きたくなる
・本来は学校は好きな子が多い
・家を快適にしすぎない
という理由からです。
・子どもは、つべこべ言わず学校は行くべき
・義務教育なんだから子どもを学校に行かせるべき
といった、親が固定化した思考停止の状態だと子どものさまざまな問題や悩みに気づけないだけでなく、一人の人間としての成長をさまたげてしまう可能性があります。
以下ではそのことについて具体的に解説しています。
また、休ませる際に気をつけること、対処策なども詳しく書いていますので、興味のあるお母さんは読み進めてみてくださいね。
①何かしらのメッセージの可能性がある
子どもが学校を休みたいと急に言い出したら、それは何かのメッセージが含まれていると捉えた方がよいです。
基本的に、子どもは学校で友達と遊んだり、一緒に活動したりすることを好みます。
単純に楽しいことが好きですから、学校自体は嫌いな子は少数だと考えられます。
なので、これまでは問題なく学校に通っていたのに、ある時から”行きたくないなぁ”と、ぐずるような態度を見せ始めたら、何か問題があると疑うことが大事です。
間違っても、
「そんなこと言ってないで、さっさと行きなさい!」
「子どもの仕事は学校に行って勉強すること!」
なんて言葉がけをして、無理やりに学校へ行かせるのはナンセンスです。
たとえそれでその場を解決できたとしても、
・子どもに逃げ場が無くなってしまう
・どうせ親に相談しても無駄
という考えを育ててしまうことになります。
もし、行きたくないと言い出した理由が「いじめ」だとしたら、取り返しのつかないことになる可能性だってあります。
もし、いじめが発覚して、いつまでも状況が変わらないようだったら、無理に行く必要など全くないです。
子供の命がなによりも最優先です。
学校を変える選択肢もありますから、いじめが発生するような腐った環境にしばられる必要はありません。
意外な子が来なくなってしまった事例
かつて担任をしていた子で、日頃から明るく、ニコニコと過ごしていたのに、急に学校に来れなくなった子がいました。
そして親御さんからの連絡で、「子どもが他のクラスの子から暴力を受けているので行きたくないと言っている」と知らされました。
それまでは、いじめられそうにもない全くノーマークの元気な子だったので、がく然としたのを覚えています。
その子の親御さんはとても素敵な方で、子どもに寄り添ってじっくり話を聴く育て方を大事にされていました。
なので、子ども自身もしんどい時に親にSOSを出すことができたのだと思います。
子どもがもし、学校を休みたいといいだしたら、形式的につっぱねるのではなく、「あれ?どうしたのかな」と疑う姿勢は大事だと思います。
その理由が、友達関係かもしれないし、先生との関係にあるかもしれません。
もしかしたら勉強にまったくついていけてなくてしんどくなっているのかもしれません。
そうだとすれば、その状況から抜け出すサポートは大人がしてあげないといけないと思います。
勉強をさぼりたくなる思いはどこからやってきているんでしょうね?
②息抜きのしかたを学ばせる
しんどくなった時、行き詰った時にその場を回避すること。
これは生きていく上ではとても重要なことです。
これからの長い人生を生きていく上で、努力や根性だけで乗り越えられないことも山ほど出てきます。
あるていどの忍耐力は必要ですが、うまくいかないときは一歩下がって第三者目線から自分をフカンして見れる能力の方がよっぽど大事だと私は思います。
ただやみくもに、しんどいことに向き合うだけでは問題は解決できません。
大人だって、今日は何もやる気が起こらない~!ということありますよね。
そんな時には、スパッとその場を離れるいさぎよさも必要です。
なので、どうしても勉強がいやでさぼりたい、今日は行きたくないと思っているのであれば休ませることもよいと私は思います。
そうすることで、嫌な気持ちがリフレッシュできたり、友だちと過ごしている方が楽しいと気づけたりするのなら良いことです。
ただし、無条件に子どもの要求をのんでばかりいると、子どもは楽な方に流れやすいですから逃げグセがついてしまう恐れもあります。
子どものうちに付けておかなければいけない基礎的な能力もたくさんありますから、さぼりグセ、逃げグセがつくことは避けたいところです。
そうならないようにするために、
①休みたい理由を否定せずに聞く
②休むことのメリット、デメリットを書かせる
③休む期日を決める
④休んでいる間にもやるべきことはやっておく
⑤さぼりグセがついたらどんな自分になっている?とイメージさせる
このようなことを丁寧にやっておく必要はあるかと思います。
ただ単に、「お母さん忙しいから、いい子にしてるのよ!!」
で休ませてしまうと、いつでも休める、サボれると学習してしまうので後々に厄介です。
子どもの思いは尊重しつつも、これ以上は引かないという毅然とした親の姿勢は大事です。
大人になっても息抜きの術は必要
日本人は世界でも類をみないほど勤勉な人種だといわれてきました。
それは日本の文化が勤勉や苦労こそが美徳とされてきたこと。
努力はむくわれる、真面目が一番という思考を育む教育を学校がしてきたことの影響も大いにあるかと思います。
その結果、ブラックという働き方に対しても、仕方がないことだと受け入れて勤勉を続ける人もいまだに少なくありません。
教師もまさにそのような人種です。
そして勤勉第一、マジメに育った人は、労働者としては優秀な人材として扱われてきました。
そのような思考の人は、さぼること、息抜きすること、不真面目は悪と刷り込まれていますから、とにかく休めません。
休むと、手を抜くと不安でしかたなくなります。
勤勉、マジメが悪いのではなく、それ一辺倒になってしまうのは危険な思想だということです。
だれも過労死なんてしたくないはずなのに、マジメな人ほど損をする結末が待っていたりするものです。
時には息抜きをしてリフレッシュすることも、日本人は学ぶくらいで丁度いいと思います。
・息抜きのタイミングを自分でつくる
・できた時間で自分と向き合う
子どもにも回避を選択する権利はあります。
選択肢をもつことで、自ら考える人間を育てます。
③1,2日でたいした影響はない
ぶっちゃけたところ、1日、2日学校を休んだところで取り返しのつかないことになどなりません。
算数の学習なら、1時間の授業で学ぶおおよその範囲は教科書で決められています。
そして、1時間のうちにあれもこれも詰め込みすぎないよう、1つか2つずつしか新しいことを学びません。
例えば、2けた+2けたのひっ算(くり上がり無し)を学んだら、翌日は2けた+2けたのひっ算(くり上がり有り)というように、スモールステップで進んでいくように設定されています。
図工などの作品を作る授業であれば、遅れた時間を取りもどすために、放課後に残ってやる必要も出てきますが、それ程度のことです。
子どもからすれば、たかだか1日、2日休みたいと言っただけで、
①すごい剣幕で怒られる
②大罪でも犯したかのような言われ方をする
③さぼる性格を否定される
④冷たくあしらわれる
のような反応を親からされたら、たまったもんじゃありません。
特に③は、ダメージがでかいので要注意です。
プロ野球選手のようにケガを隠してでも試合に出続けなければ、レギュラーを奪われてしまうのならまだしも、学校を数日休むくらいなんら問題ありません。
くり返しますが、子どもが休みたいと訴えてきた背景にしっかり目を向けてあげることが大事です。
④問題がなければ自分で行くようになる
もし、子どもが休みたいと言ってきて休ませたとしても、1日、2日経つと飽きてくることはよくあることです。
その背景に何も問題がなく、ただサボりたかっただけなのであればですが。
学校に行けば、なんだかんだで気のあう友だちと過ごしている方が楽しかったりするものです。
このようにして、また学校に行ってくれるようになれば親も安心ですね。
ただし、そのためには環境を仕組むことも大切です。
もし学校よりも家で過ごすことの方が圧倒的に快適で楽しいのであれば、わざわざ学校に行ってしんどい勉強や課題をやりたいとは思わないかもしれません。
もし、家で過ごしている間にゲームをやり放題な環境があるのなら、それは子どもにとってマイナスに働く可能性は高いです。
ゲームをすること自体がいけないのではなく、メリハリなくやり続けてしまうことで、楽なことばかりに逃げてしまうからです。
ゲームをやり続けてしまう環境を制限することは必要かもしれません。
最低限やるべきことを、休むうえでの約束事にするのも良いですね。
・漢字の学習
・計算ドリルや昨日までの復習
・家事の手伝い
などを、きっちりやった上で、ダラダラ寝るなり、本を読むなり、テレビを見るなりして過ごしていれば、たいがいはヒマで飽きてきます。
放課後も友だちと遊べないので、休む方が子どもにとってデメリットが多いことに気づけば勝手に行くようになります。
このくらいの余裕をもって、親も子どもも過ごせればお互いに楽です。
昭和時代の教育で育ってきた親御さんであれば特にですが、
・子どもは〇〇すべき
・子どものクセにつべこべいうな
・親の言うことを聞きなさい
・義務教育なんだから!
というような価値観で子どもを見ているのではれば、それは将来何らかのしっぺ返しがくる可能性が高いです。
親子間だからこそ、コミュニケーションが丁寧にとれずに、年齢が上がるにつれてこじれていってしまうパターンは驚くほど多いです。
自分が親にされて嫌だったことを、知らず知らずのうちに自分の子どもにしてしまっていることは往々にしてあります。
さいごに
なぜ疑いもなく学校に行かないといけないのか
私が子どもの頃は、学校に行きたくないと言えば、第一声で怒鳴られていました。
「何言うてるの!!早く支度しーや!!」
私の通っていた小学校、中学校はとにかく荒れていました。
もう30年も前ですが、毎日がストリートファイターの世界で、ケンカの強い順を決めるのが学級内で流行っていました。
当然イジメもとっかえひっかえ行われていましたが、担任も手をつけられない状況でした。
中学へ行っても状況は変わるどころか、校区が広がったため、よりパワーアップしたヤンキーが揃いました。
ある意味、そのような過酷な環境で生き抜くことでたくましくはなったかもしれませんが、当時の私は学校が牢獄のようにしか思えませんでした。
イジメ、暴力も普通にあったし、ただただ辛い。
そんなことは親は知らず、学校へ行けと言う。
勉強にやる気もでず、絶望感の毎日。
学校は労働者の生産工場であり、子どもに人権など無いと思っていました。
その頃から30年経ちましたが、「学校は行くべきもの!!」という前提は、世の中にいまだに強くあります。
不登校の児童に、あの手この手を使って必死に学校に来させようとする教師の前提にも、
「学校は来るべきもの!!」
「そうでないと、恐ろしい未来が待ってるわよ!」
という価値観が少なからずあると、現場で働いていると感じます。
義務教育という言葉で片付けるのではなくて、
なぜ学校に行かなければならないのか、
行かないという選択肢があってもいいのではないのか
と私は一教師として思っています。
このような考えから、私は子どもが休むことを望むのであれば、休ませてもよいと思っています。
まとめ
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休ませてもいい理由
①何かしらのメッセージの可能性がある
・いじめ・勉強・教師
②息抜きの仕方を学べる
・休むことは悪からの脱却
・自分で選択させる力をつける
③1,2日休んだところで影響はない
・致命的な遅れなどでない
④問題なければ自分から行きたくなる
・本来は学校は好きな子が多い
・家を快適にしすぎない
という内容でした。
いち早く子どもの目に見えないメッセージに気づき、元気よくハッピーにすごしてくれる環境をつくることができたら、親としては安心ですよね。
何かしらの参考になれば幸いです。
最後まで読んでくださりありがとうございました!