おいしくて安全、出産祝いに人気のお魚の離乳食サービス

赤ちゃんが食べる離乳食のうち、「魚」はお母さんの悩みのひとつだ。下ごしらえに時間がかかるうえ、いつからどんな種類の魚を赤ちゃんに与えたらよいかわからない。そんな悩めるお母さんに寄り添う「mogcook(モグック)」が、いまじわじわと人気を集めている。

モグックは、「魚」に特化した離乳食用食材を定期購入できるサービス。三重県内で捕れた新鮮な魚の骨を取り、スチームで加熱処理をした後、10gずつに小分けして自宅まで届けてくれる。冷凍で3カ月保存がきく。

コースは、大きく3つに分かれている。白身や赤魚といったざっくりとした魚の種類や、フレーク状あるいは皮付きの切り身といった形状の違いから、子どもの月齢や離乳食の進み具合によって適切なコースを選ぶことができる。また、定期購入以外にも、1カ月分の購入や魚の種類や量を選べるバラ購入にも対応している。

「下ごしらえの手間が省けて助かる」「魚の種類が豊富だし、新鮮でおいしい」など、評判は上々。サービスが始まったのは、2014年7月。丸3年を迎えたいま、年々利用者の数を伸ばし、現在では、定期購入のお客さんだけでも、月300世帯以上が利用している。今年の売り上げは、昨対比150%を見込んでいるそうだ。

首都圏のお母さんを中心に人気

モグックを運営するのは、三重県紀北町にあるWeb制作会社「ディーグリーン」。Web制作会社がなぜ異業種である離乳食ビジネスを始めたのだろうか。それは、代表の東城(ひがし・じょう)さんが、東京で子育てをする友人の一言を聞いたことがきっかけだったという。

「自分の子どもにおいしい魚を食べさせたいが、東京のスーパーには決まった種類の魚しかないうえに、鮮度があまり良くない」

料理家・栗原友さん

紀北町は水産業が盛んな港町だが、年々衰退しつつあった。「地元産業の活性化になるかもしれない」と考えた東さんは、紀北町の旬の魚を使って離乳食を作ることを思いついたそうだ。

東さんの狙いどおり、注文の4割が東京や神奈川など関東エリアから。離乳食のレシピ本で知られる料理家・栗原友さんに監修を依頼し、栗原さんによる魚の離乳食教室も3カ月に1回のペースで開催している。東京で開催する回は特に人気で、120人ほどが集まるという。

親子で魚について楽しく学べる

利用者から支持される大きな理由のひとつが「魚種の豊富さ」だ。モグックでは、離乳食で使える約10種類の魚を毎月厳選。たとえば、11月のラインナップは、カマス、マダイ、サバ、ツバス、タチウオなど。中には地元でしか消費されないような珍しい魚もある。この約10種類のうち、その日の収穫量に合わせて3種類×10個ないし15個(コースによって異なる)を月1回のペースで利用者に届ける。

子どもに与える食材なので、安心・安全面には特に気を配る。顔の見える生産者や加工場と組み、ひとつひとつ丁寧に作業。魚はスチーム加熱をしているため、栄養や旨みを逃さないそうだ。

また、魚と一緒にレシピの載った「レシピカード」や「mogcook便り」のほか、「お魚カード」を同梱する。

この「お魚カード」の評判がなかなか良い。商品はすべて切り身のため、魚の全体像が見えにくい。それゆえに、お魚カードには魚の全身図を載せ、さらに生態の解説や栄養価、おいしい調理法など、その魚の特徴をたくさん盛り込んで紹介している。

料理教室の様子

「子どもが対象のサービスなので、食育も意識している」とディーグリーンのモグック事業部・樋口佐恵子さん。「お魚カードはまるでお魚図鑑。子どもが大きくなったらこのカードを見ながら、親子で一緒に楽しく魚について学んでほしい」。

ギフトアイテムとしても注目

離乳食は生後5カ月から始まるのが一般的だが、モグックはそれより前に、おじいちゃん・おばあちゃんから孫へ、あるいは友人への出産祝いとしてプレゼントされることが多く、それをきっかけにこのサービスの魅力にはまったお母さんは少なくない。

大阪市で9カ月の赤ちゃんを育てる蜂谷幸子さん(33)も、出産祝いで友人からお祝いセット(ギフトチケット)をプレゼントされたことをきっかけに、モグックを始めた一人。離乳食の開始と共に利用し、以来、手放せなくなるほど気に入っている。

日中はフルタイムではたらいているため、調理の手間が省ける点も魅力だが、それよりも「新鮮で味がおいしいこと」が利用し続けている最大の理由と蜂谷さんは話す。

「一度、ここ以外の会社のものも使ってみたことがありますが、モグックは、魚の香りがちゃんとあって、大人が食べてもおいしい。子どもには、大人が食べておいしいと思うものを与えたい」(蜂谷さん)

産地がはっきりしている点も、安心・安全な食材を与えたいと考える親心にマッチしているという。蜂谷さんは、子どもが生まれる友人へ出産祝いに自分もモグックを贈ろうと思っているそうだ。

今後は、赤ちゃんの離乳食材のみならず、離乳食を終えた子どもや、出産前のプレママなど、より幅広い世代に向けた食サービスを展開する予定だという。安心・安全でおいしく、手軽に調理を楽しむサービスを提供するモグックの今後の展開に注目だ。

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