“ノーリスク”で自分好みのアクセサリーを作るアプリ


アプリ上でパーツを組み合わせ、完成したアクセサリーを購入・販売・注文できるアクセサリー制作アプリ「monomy(モノミー)」がいま話題だ。作品のオーダーが入ったら、モノミーの自社工房で製造が開始され、その後、商品が購入者の手元に届けられる。サービスの開始は2015年。SNSなどの口コミで人気を呼び、作品数は45万点を超える。

「ノーリスクでアクセサリーが作れるサービス」と話すのは、同アプリを運営するFUN UP代表の山口絵里さん。一般的にアクセサリーをハンドメイドするときは、手芸店などでパーツを購入する。ただし、パーツはロット数で売られているため、必要以上に材料費が高くつく。作品が売れなければ、残りのパーツは在庫となって手元に残ってしまう。

梱包作業もモノミーが代行する

モノミーでは、スマホの画面上でヴァーチャルの作品を作るため、パーツを揃える必要がない。さらに梱包作業も発送作業もモノミーが代行してくれる。資金ゼロでも気軽にブランドを立ち上げることができるのだ。

つくるのが心地いい

アクセサリーの作り方は簡単だ。「ピアス」「ネックレス」「アレルギー対応」といったカテゴリーからベースを選んだら、スワロフスキーや天然石、チャームなど3000種類以上の中から好きなパーツを好きなだけ選ぶ。次に「つくる」ボタンを押し、自分が選んだパーツを指で動かして、くっつけたり離したりを繰り返しながら画面上でパーツを組み合わせていく。「試着」ボタンを押すと、実際に自分が作ったアクセサリーをモデルが試着したイメージが表示される。

「まずは、“モノを売ること”よりも、“良い商品を作ってもらうこと”が大事」と考えた山口さんは、ユーザーの作る楽しみを最大化するために、制作画面の開発に特に力を入れたそうだ。

こうして重力を表現したゲームエンジン“物理演算”を使って、“つくる感覚”をリアルに感じられる画面が完成した。パーツ同士がくっつくと左右に揺れ、制作途中でパーツが落ちるとコロリと転がっていく。その様子がなんともいえず心地よく、まるで静かな動画を見ているかのようだ。

「ユーザーは“作ることそのもの”を楽しんでいる」と山口さんは話す。それを裏付けるように、モノミーのユーザーは作品を買うだけの人は全体の5%と少なく、残りの95%の人が買い手でもあり、作り手なのだ。

子育てをしながらアクセ作り

0歳児を育てる主婦・樋口聡子さん(仮名・36)は3か月前にモノミーを知り、以来、授乳中の気分転換に、スマホを片手にアクセサリー作りを始めた。ピアスの穴を開けていない樋口さんが最初に作ったのは、イヤリング。モノミーで見たかわいいピアスを参考に自己流にアレンジした。

ピアスはかわいいものがいっぱいあるけれど、イヤリングはピアスほど種類が豊富にない。お店で販売されている既製品は、「かわいいけど、この部分のパーツは変えたい」と思うことも。「自分好みの作品を簡単にカスタムメイドできた」と樋口さんは驚く。育児中のいま、なかなか買い物に行けないので、自宅で気軽にアクセサリーを買えるのも魅力的だ。

モノミーの主なユーザーは、20~40代の女性だ。日中と就寝前の時間帯に利用する人が多く、「6割以上のユーザーが主婦では」と山口さん。一人で月に1000~4000作品を作るスーパー主婦もいるそうだ。

ちょっとしたお小遣いを得ることもできる。作品が売れると、1作品につき販売価格の10%のインセンティブ報酬が入る。販売されているアクセサリーの平均価格は3000円。インセンティブが1個あたり300円だとすると、仮に月に20個売れた場合、月に6~7000円が手元に入る計算になる。

高品質なパーツなのになぜ安い?

山口さんの前職はアパレルショップの販売員。「服の販売価格は、30%は廃棄されることを見越して設定されている。在庫ありきの価格に疑問があったんです」。

モノミーは在庫を持たないから、価格を低く抑えることができる。現在取り扱う3000種類以上のパーツのうち、約半分は巷の手芸店などでは販売されておらず、質の高いパーツメーカーから直接取り寄せている。それでも直販だから、「セレクトショップで販売されているアクセサリーの半額以下で作ることができる」。

ユーザーに人気のパーツ情報をもとに、自社でオリジナルパーツを開発・製造することもあるそうだ。人気は、スワロフスキーや天然石、コットンパールやリボン。ユーザーの約60%が週1回はモノミーにアクセスするので、毎週、新規パーツを仕入れている。

「一昔前は、“ブランド”だけでものが売れていたが、これからは “個”で物が売れる」と山口さん。今年の母の日には、三越伊勢丹でポップアップショップが実現した。モノミーで作ったアイテムのうち、選ばれた10アイテムを販売したという。

誰もがクリエイターになれる時代。作り手のブランド化が進めばもっと面白くなりそうだ。

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