使わないブランドバッグを誰かのおしゃれに役立てるサービス

シャネルにエルメス、プラダ――。一度は持ってみたい憧れのブランドバッグを、月額6800円(税別)で使える画期的なサービスがある。ブランドバッグのシェアリングサービス「ラクサス」は、ブランドバッグは一握りのセレブだけが持てるもの、というイメージを根底から覆した。

年収600万円未満のユーザーが8割

「ラクサス」に登録すると、52ブランド、1万8000以上のブランドバッグから好きなバッグを一つ選んでレンタルすることができる。期間は定められておらず、別のバッグを借りたくなったら予約してラクサスに返すだけ。シャネルやエルメスなどの有名ブランドが人気で、セリーヌの「ショッパー」は数百個単位の用意があるにもかかわらず、入荷すればすぐに予約が入る。

セリーヌのショッパー。ほかにはシャネルやエルメス、サンローランなどが人気

サービスを開始して約2年の今、利用者は1万2000人。「女子会や保護者会で使いたい」「実際に買う前に試し持ちしたい」など、目的はいろいろだ。

コアユーザーは子どもがいる40~50代の女性だそう。「自分のファッションにそれほどおカネはかけられないけれど、年相応にいいものを持ちたいという思いからでは」とラクサス・テクノロジーズの馬場添(ばばぞえ)佳さんは分析する。

ファッション商材なので配送する箱のデザインにもこだわっている

実は、ユーザーの8割は年収600万円未満。ブランドバッグを実際に購入する層は年収800万円以上と言われており、ラクサスが「ブランドバッグは憧れ」にすぎなかった層にもリーチしていることがうかがえる。「本音では『バッグも服と同じように頻繁に交換しておしゃれを楽しみたい』と思っている女性が多いんですよね」(馬場添さん)

ケイト・スペードを貸してシャネルを借りる

ラクサスが面白いのは、ユーザーを巻き込んだ「ラクサスエックス」というサービスを展開しているところ。2017年1月に始まったサービスで、自宅のクローゼットにしまったまま出番のないブランドバッグを預け、ラクサスの別のユーザーに貸し出すと収入が得られるというもの。

「プロモーションはしていないのですが、毎月1000個以上が送られてきて、17年7月時点で1万2000個近くのバッグが集まっています」(馬場添さん)。

ラクサスエックスで貸し出せるバッグは、高級ブランドはもちろん、ケイト・スペードやサマンサタバサなど“準高級ブランド”を含む32ブランド。誰かにレンタルしてもらうと、バッグ一個あたり一日66円、最大で毎月2000円ほどの売り上げになる。

レンタルされやすいのはフェンディの「ピーカブー」やセリーヌの「マイクロショッパー」など。サイトでは何人が入荷待ちをしているか“見える化”されているので、手持ちのバッグのニーズも把握しやすい。

サイト上ではファッションやメイクの提案も

「子どもが小さく、高級バッグは使わないから大きくなるまでの期間限定で預けたい」という人も。ラクサスエックスを使ってバッグを預けながら、別のブランドバッグを借りる人もいる。自宅のクローゼット内でシェアリングエコノミーを体感できるのだ。

ミュウミュウ好きはプラダも好き?

個人ユーザーからの預け入れも含め、ラクサスではレンタル用のバッグを現在の1万8000個から1年後には3万個まで増やす予定だ。品ぞろえの多さは魅力だが、「この中からお気に入りの一品を探し出してもらうため、探しやすさには工夫を凝らしています」。

人工知能(AI)を使ったおすすめ機能がその一つ。アプリ上にある「おすすめページ」では、利用歴やページの閲覧履歴、お気に入りコレクションのデータから好みの一品を提案してくれる。「ミュウミュウやバレンシアガを借りる人はプラダを借りる」「シャネルが好きな人はグッチが嫌い」といった傾向があるらしい。

好みのバッグを探してくれる機能も

ブランドバッグの価格は一昔前よりも上がっているそうだ。一般の人が手に入れづらくなっていることもラクサスのようなシェアリングサービスを後押ししているのだろう。「ブランドバッグは質がよく、きちんとメンテナンスし滅菌すればレンタル商材として長く使えます」と馬場添さん。

モノの価値が見直される今の時代、ラクサスのようなサービスを使ってモノを貸し借りすれば、経済をじかに体感できそうだ。

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