足裏をきれいにするアイテムは世界中の女性を魅了した

生足の露出が増えるこの季節、「ベビーフット」で足をケアするのが恒例になりつつある。

「ベビーフット」は、足裏の古い角質を自宅で簡単に取り除けるフットケアアイテム。ジェルが入ったフットパックを30分、または60分履くと、数日後に足裏の角質がはがれ落ちる。2005年の発売以来、世界55カ国で1500万個も売れた大ヒット商品だ。

だが発売から数年間は全く売れなかったという。ヒットのきっかけは、女性社員の大胆でユニークな発想だった。

角質が自然にはがれ落ちるワケ

足裏に限らず、皮膚は28日周期で生まれ変わる。ただ、加齢などの原因で新陳代謝が悪くなると、古い角質がそのまま残ってしまう。「足の裏から粉が落ちる」「足の裏がひび割れている」状態がそれだ。見た目の問題だけでなく、悪臭や乾燥、冷えの原因にもなる。

「商品には絶対の自信を持っていました」と、ベビーフットを販売するリベルタの海野容子さんは言う。角質をこすって削り落とす道具とは違って、ベビーフットは、古い角質が自然にとれる。成分の一つであるフルーツ酸が角質に浸透し、はがれやすくするのだ。足裏にかかる体重や歩くときの摩擦によって、数日たつと古い角質が自然にはがれ始める。

ビニール製のフットパックに足を浸して待つだけ

ベビーフットが生まれたのは2005年。男性向けに売っていた水虫対策商品を応用し、殺菌・消臭効果のある木酢液を主成分としたベビーフットを2800円で売り出した。だが、知名度も低くまったく売れなかったという。

そこで結成されたのが、海野さんら女性3人のPRチーム。「足の裏きれいにし隊」と名づけられたチームは、女性目線で「どうすれば使いたいか」を考えた。

「ズルむけ」にあこがれる!?

最初に「足の裏きれいにし隊」が取り組んだのが、商品のパッケージと香りのリニューアル。

当時のパッケージは真っ白で、商品の魅力が伝わりづらかった。そこで、パッケージに“ズルむけ”した足裏写真を載せるなどして魅力をわかりやすく伝え、まず店頭で手に取ってもらうよう仕向けた。

女性だけで組んだ「足の裏きれいにし隊」

さらに、主成分だった木酢液は「一度使うと3日間、部屋から臭いがとれないほどくさかった」と海野さん。そこで、メインターゲットである女性向けに主成分をフルーツ酸に変更した。

こうして改良した商品をヒットさせるきっかけとなったのが、足裏の角質がはがれた写真で競い合う「足裏ズルむけコンテスト」。「ベビーフットを使うと、誰かに見せたくなるくらいきれいな足裏になる。“ズルむけ“を自慢できる場、感動を共有できる場を作ってみようと思ったんです」(海野さん)。

2008年に初めてコンテストを開催したとき、参加者はたったの40人だった。しかし「ホームページに並んだ足裏写真は壮観で、40人のリアルな体験談にも説得力があった」(海野さん)。これを契機にベビーフットの魅力が徐々にブログなど口コミで広がっていったという。その後、半年に1回コンテストを開催し、これまでに4000人以上がコンテストに参加してきた。

「足裏ズルむけコンテスト」を通じて、ユーザーに教わったこともある。角質のはがれ方は人それぞれ。ベロリとはがれ落ちる「ズルむけ」は全体の約2割で、ほかはポロポロと皮がむける「ポロむけ」や魚のウロコのような「ウロコむけ」、粉をふく「粉むけ」など。「個人的な感覚では、角質がたまっている場合、新陳代謝や血行がよくなる夏のほうがズルむけしやすいと思います」(海野さん)。

コンテストを通じ「ズルむけ」にあこがれる人が増えている

全米でも大ヒット

顧客の声を聞きながらベビーフットの改良も重ねてきた。ジェルに足を浸す時間を大幅に短縮したのもその一つ。初代ベビーフットは2時間かかったが、「待っていられない」という声が多くあった。角質のたまり具合や体質によってかかる時間が変わるので、現在は30分と60分の2タイプを販売している。「とれた角質で部屋が汚れる」という声を聞いて、お風呂に入っているときも、ベッドで寝ているときも履ける使い捨ての靴下「ブラックカバーソックス」も作った。

類似品がない海外で大ヒット

ベビーフットは海外でも人気だ。アメリカの人気テレビ番組「TODAY」で紹介されてから、Amazon USAのビューティーカテゴリで1位に。「海外には効果が目に見える美容商品が少なく、SNSを通じた口コミへの反響も大きいようです」(海野さん)。15年にはとうとう海外の売り上げが日本を超えたそうだ。

現在展開しているアジアやヨーロッパ、北米、中東に加え、アフリカ・コンゴにも進出する予定。日本発のフットケア商品は、世界中の女性をとりこにしているのだ。

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