セルフメディケーション税制を家族で使いこなすには

セルフメディケーション税制

Photo by MARIA

花粉症の人にはつらい季節がやってきた。家事に育児に忙しいお母さんは病院に行く時間もなく、市販の薬で何とか症状を抑えている人も多いだろう。

ドラッグストアの花粉症特設コーナーをよく眺めてみると、昨年までは見掛けなかったマークを見つけるかもしれない。市販薬の中に、「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」の対象商品を示すマークが付いているものがあるのだ。

セルフメディケーション税制は、今年から始まったお得な制度。対象となる薬を年間1万2000円を超えて購入し、確定申告をすれば税金を割り引いてもらえる。花粉症の薬を含め、およそ1600種類に及ぶ市販薬が対象になっている。

インフルエンザの予防接種も

確定申告で申告できる「医療費控除」は年間10万円を超えて医療費を支払ったときに使える制度だった。妊娠・出産などで大きな出費がある年に申告したことがある人もいるかもしれない。

ただ、家族全員分をまとめて申告できるとはいえ、大きな出来事がなければ医療費に10万円はかからないことも多い。今年から始まったセルフメディケーション税制なら対象商品の購入が1万2000円を超えれば使用できる。これまでの医療費控除に比べると敷居は低そうだ。

セルフメディケーション税制

Photo by Chiyomi Tadokoro

セルフメディケーション税制を利用するにはいくつか条件がある。

まずは申告する人が健康診断や予防接種を受けていて、自分でちゃんと健康管理をしていること。確定申告のときには、会社の健康診断の結果通知書のコピーや、インフルエンザの予防接種を受けた際の領収書原本を出す必要がある。

名前や日付、保険者または医療機関の名称など必要事項がわかればよいので、プライバシーにかかわる結果の部分は切り取ったり、黒塗りにしたりする。家族全員分の薬の購入費をまとめる場合でも、申告する人のみ健康診断や予防接種を受けた証明があればいい。

同じブランドの薬でも“対象外”

セルフメディケーション税制の対象となるのは、医師の処方箋なくドラッグストアなどで購入できる医薬品のうち、特定の成分を含むもの。2月14日現在、1601品目もあり、風邪薬や胃薬、解熱鎮痛薬のほか、肩や腰の痛みに効果的な外用鎮痛消炎薬、水虫の薬も。ビタミン剤や肩こり・腰痛の緩和薬もあり、日々、健康に気をつかうお母さんたち“御用達”のものも多いのではないだろうか。

ただし、同じブランドから出されている市販薬であっても、成分によって対象になっているものと、そうでないものがあるので注意したい。

セルフメディケーション税制

対象商品かどうか、まずはマークでチェックを

たとえば武田薬品工業株式会社が出しているビタミン剤「アリナミン」の錠剤は「A」、「EX PLUS」と「EX GOLD」の3 種類がある。このうち、セルフメディケーション税制の対象になっているのは「EX GOLD」のみ。これは「EX GOLD」だけが、セルフメディケーション税制控除の対象になる指定成分で、末梢神経の修復に役立つ「メコバラミン(活性型ビタミンB12)」を含んでいるためだ。

パッケージにマークを付けることは義務ではないため、すべての対象商品に表示されているわけではない。セルフメディケーションを推進している日本一般用医薬品連合会によると「まずはマークを目印にしてほしいのですが、どの市販薬が対象かわからないときは店の薬剤師に聞いたり、厚生労働省のホームページに掲載されている一覧を参照したりしてください」という。

他の買い物と一緒でいい?

セルフメディケーション税制対象商品を購入したという証明は、レジで発行される普通のレシートでいい。多くのドラッグストアではレシートに対象商品であることが自動で表記されるので、他の商品と一緒の購入でも大丈夫だ。

セルフメディケーション税制

対象商品であることがレシートに表記される   Photo by Chiyomi Tadokoro

個人経営の薬局やインターネットの通信販売だと、レシートに対象商品であることの表示がされていない場合もある。そんなときはひと手間かかるが、「納品書や領収書を発行してもらい、セルフメディケーション税制対象商品であることを記載してもらってほしい」(日本一般用医薬品連合会)。レシートをなくしてしまったら再発行してもらわなければならないので、薬を買ったら保管するという習慣は身に付けたい。

では、どれぐらい税金がお得になるのかというと、課税所得額が450万円の人が対象医薬品を1年間に2万円分買った場合、所得税は1600円、個人住民税は800円で合計2400 円の減税になる。同じ人が5万円分買ったときは、所得税は7600円、個人住民税は3800円で合計1万1400円が減税される。

セルフメディケーション税制

Photo by MARIA

所得控除を受けるためには2018年に確定申告をする必要がある。医療費控除との併用はできないため、治療費や医薬品の購入などで10万円を超えている場合は、どちらで申告した方がお得になるのか、シミュレーションしたい。医療費控除でも市販薬の購入額を合算できるからだ。

せっかく始まった制度だが、薬局によっては店頭での表示が間に合っていないことも。そのため制度そのものの存在を知らない人も多い。わが家でも、花粉症の薬を買ってきた夫に「レシートは?」と尋ねると「捨てた」と言うのでガッカリしたばかり。とにかく医療にかかるレシートや領収書は保管しておくことを家族皆で徹底したほうがよさそうだ。

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