1日10分、自宅で受けられる無料の大学講義って?

gacco

Photo by MARIA

育児や家事にお母さんたちは毎日忙しい。でも子どものお昼寝中や習い事に行っている間など、すき間時間ならあるはず。そのわずかな時間を使って、自分のために何か勉強したいと思ったとき、大きな助けになるのがインターネットを使ったオンライン講座だ。

オンライン講座といえば語学や資格取得のためのものをイメージするかもしれない。しかし一般教養から経営戦略まで、大学教授による講義も無料で受講できる「gacco(ガッコ)」というオンライン講座があるのをご存じだろうか。

1日10分だけ動画で勉強

gaccoは大規模公開オンライン講座(MOOC=Massive Open Online Course)として2014年、日本で初めて立ち上げられた。MOOCはインターネットを通じ誰でも無料で受講できる開かれた講座のこと。gaccoではこれまで180講座が開講され、登録者数は約32万人と国内のMOOCの中で最多だ。

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講座は歴史や文化といった一般教養分野から、経営戦略、ファイナンスといったビジネススクールで学ぶような内容までさまざまで、常時10~15程度がアップされている。講座の中身は細かく分けられており、一つの動画の長さは10分程度だ。

学習期間はだいたい4~5週間に設定されており、1週間の想定学習時間は動画の視聴と合わせて2~3時間程度。毎日コツコツ勉強するのが難しいときは、時間に余裕があるときにまとめて受講してもいい。

開講しているのは大学や企業、地方自治体など。講座を広く一般に開放することで認知度を上げたり、入門講座として入り口を作ってその後の受講につなげたり、という目的がある。

たとえば総務省統計局は、データサイエンスの入門講座をgaccoで開いた。これは「ビッグデータ」と呼ばれる膨大なデータを分析・活用できる人材が今後、国内で足りなくなることを予想した人材育成のため。愛媛県は西南部に位置する南予地域の魅力についての講座を開き、成績上位者に2泊3日の滞在体験を贈った。

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gaccoの講座が無料なのは、大学や企業が利用料を運営会社の「ドコモgacco」に支払っているから。ドコモgaccoは、講座の動画作成をお手伝いしたり、社内研修に使いたいという企業に過去の講座を提供したりすることでも運営資金を賄っている。

職場復帰にもつながる

ドコモgaccoの広報・マーケティング室長、岩瀬光世さんによると、会員のうち女性は3割で、平均年齢は39歳。男性は退職後のシルバー世代が多いものの、女性の場合は次の仕事へのステップアップとして利用している人が多いそうだ。

16年5月に行った利用者アンケートでは、フルタイムではたらきながら子育てをしている38歳の女性から、「gaccoのおかげで経済的・時間的に無理なく受講できた」という声が寄せられた。さらに「学ぶ姿を子どもに見せることで“勉強しなさい”ではなく、“お母さんと一緒に勉強しよう”と言えるようになったのがよかった」という。

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別の40代女性は、再就職を目指して資格専門予備校の簿記3級の講座を受けた。無料だったからこそ、まず3級を目指し2級を目指す、という流れにもって行けた。経理の仕事は未経験だが、新しいスキルを身に付けてフルタイムでの職場復帰を目指すという。

リアル講座でやる気もアップ

gaccoの仕組みは忙しいお母さんに優しいが、モチベーションを保って、毎日受講し続けるのは大変だ。そのためgaccoにはやる気を継続させる仕組みがある。

受講後に最終リポートを出すなどすれば、名前入りの修了証が発行される。資格ではないが頑張った証しとして残せるのはうれしい。専業主婦の人が再就職したいと思ったとき、「子育て中もスキルアップを続けてきた」と自己PRの材料に使えるだろう。

さらに開講中はオンラインでディスカッションする掲示板があり、受講生同士で情報交換ができるほか講師の先生が直々にアドバイスをくれることもある。

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対面のリアル講座ならやる気もさらにアップする

対面授業がセットになっている講座もある。対面の講座は希望者のみの参加で有料だが、さらに知識を深めたい人にとても人気がある。自主的に受講者が集まって、各地で勉強会も開かれることもあるそうだ。本当に学校へ行っているような気分になるコミュニティが作られるのも魅力の一つだろう。

お勧めは2倍速

期日内に課題が提出できず、修了証がもらえなかった人からも「知識の整理になった」「仕事の役に立った」という声が寄せられているそう。「学びのスタイルは自由なので、自分のペースで取り組んでもらいたい。途中で受講をやめても、何のペナルティーもありませんから」(岩瀬さん)。

岩瀬さんは「時間がないなら2倍速で視聴してもいい」とアドバイスする。難しいところだけは字幕をダウンロードし、文字を目で追いながら講師の話を聞くのもお勧めだ。わかりにくいところがあれば戻って1倍速で聞くと頭に入りやすい。

筆者は新しく『デザインへのまなざし - 豊かに生きるための思考術』の受講を始めたばかり。お勧めの方法を試しながら、修了証をもらえるようがんばりたい。

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