ものづくり未経験の主婦が作った究極のオムツポーチ

究極のオムツポーチキッズアイテムを扱うブランドRompbaby(ロンプベイビー)の「究極のオムツポーチ」はオムツ替えを日課とするお母さんたちに人気の商品だ。

最大の魅力は、お尻ふきの取り出しやすさ。市販のお尻ふきをポーチ内にセットすると、シートが片手で1枚ずつ“スッと”取り出せる。使い終わるとマグネット式のふたが自然にかぶさるので、次のシートを中に戻さなくても乾燥しない。

「お尻ふきの水分を保ちつつ、片手で簡単に取り出せる」ことで特許も取った。小さなポシェットくらいのサイズながら、オムツ数枚にお尻ふきシート、着替えまで入る。使いやすさから人気が広がり、5年間で2万個を売り上げたという。

究極のオムツポーチ

収納力はバツグン

このオムツポーチを開発したのは、現役のお母さんである土屋久美子さん。元々は専業主婦で、ものづくりの経験はまったくなかったそうだ。

未経験の主婦が特許を

土屋さんがオムツポーチを開発したのは自身の悩みがきっかけだった。「近くの百貨店に子どもとよく買い物に行っていたのですが、いつも焦ってオムツ替えをしていました。私の後ろに列ができることが多くって……」(土屋さん)。そこで、もっとオムツ替えが楽になるようなポーチを作ろうと思いついた。

とはいえ特許を取るのは簡単ではなかった。「新しい機能をなかなか認めてもらえず、私の場合は2回、拒絶理由通知(特許庁の審査官が特許の要件を満たさないと判断した理由の通知)がありました。出願内容を専門的な言葉で表現したり、図面を作ったりすることも必要で、特許事務所と何度も打ち合わせを重ね、9カ月ほどかけてやっと取得できました」(土屋さん)。

究極のオムツポーチ

片手で簡単に取り出せる点で特許を取った

特許庁によると、特許の申請には、出願時、審査請求時、登録時(3年分の特許料)に手数料として15万円近くがかかる。特許が取れた場合、4年目以降は特許を延長するために毎年、数千円~数万円が必要になる。

ただ、市町村民税が非課税の専業主婦なら、特許の審査のための審査請求料と3年分の特許料が免除になり、その後も10年目までの特許料は半額になる。つまり3年間は、出願時の手数料1万5000円だけで申請することができる。気軽にとまではいかないけれど、チャレンジしてみようと思える金額だ。

さらに個人の出願であれば、「早期審査制度」が利用できるので、大企業などに比べて早く審査をしてもらえる。土屋さんの場合、出願から特許取得までに9カ月かかったが、これでも早期審査を使っているので期間は短くて済んだのだそう。興味がある人は、日本弁理士会が各地方で開催している無料相談などを受けてみるといいかもしれない。

オムツを感じさせないデザイン

「販売するなら本当に役立つよいものを」と考えていた土屋さん。特許を取った後も100個の試作品を周りに配って意見をもらい、ポーチ作りに反映していった。「うまくいかずにあきらめようと思ったことも何度もありましたが、たくさんのママ友に応援してもらい、やめるにやめられなくなってしまいました」(土屋さん)と笑う。

究極のオムツポーチ

ママ友に意見をもらいながら改良を重ねた

納得のいく商品が出来上がるまで何度も改良を重ね、やっと完成した頃には構想から3年がたっていた。新聞に取り上げられたことがきっかけで徐々に注文が入るようになり、口コミでもどんどん広まっていった。

機能性だけでなく、日々の使いやすさを意識した縦型の形や、生地の柄、色にもこだわっている。「外食や散歩など日常的に持ち歩くお母さんがほとんどなので、どんな場所でも“オムツポーチ”を感じさせない高級感も大切にしています」(土屋さん)。子どもがオムツを卒業した後、自分のコスメポーチとして使うお母さんもいるそうだ。

究極のオムツポーチ

ベビーカーに掛けても様になる

「キッズデザイン賞」や「グッドデザイン賞」を受賞し、今では人気のあまり欠品中の色や柄も多い。「今後はベビー用品だけでなく、介護やペットの分野などでも、特許を生かした商品を作っていきたい」と土屋さんは話す。

オムツポーチ一つではあるけれど、使い勝手がよくデザインもすてきだと気分が上がる。専業主婦の発案から生まれた商品は、お母さんたちの子育てを陰ながら手助けしているのだ。

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