ポーラの薬用シワ改善美容液が“日本初”なワケ

Photo by MARIA

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年齢を重ねるごとに増える肌トラブル、その中でもシワに悩む人は多い。乾燥が気になるこの季節は特に気になるかもしれない。保湿に気を使ったりマッサージをしたりと人によっていろいろな対策を取るが、美容液をはじめとするシワ対策化粧品も根強い人気がある。

2016年1月、ポーラから新商品の美容液、「リンクルショット メディカル セラム」が発売され、大きな話題になっている。「シワ改善」の効果があるとして、日本で初めて医薬部外品として承認されたからだ。

シワの原因とは?

そもそもなぜシワができるのか。諸説があるが、基本的にはシワは刺激を受けると刻まれやすくなる。たとえば紫外線によるダメージや摩擦、ケガなどの刺激を多く受けた部分ほど、シワができやすいと言われる。

紫外線を受けるとシワはできやすくなる Photo by MARIA

紫外線を受けるとシワはできやすくなる Photo by MARIA

こうしてできたシワを改善するため、たくさんの化粧品が発売されている。ところが実は、今までに「シワの改善」効果を“公式”に認められた化粧品は一つもなかった。

これまでの化粧品の効果は、あくまで「乾燥シワを目立たなくする」というもので、メイクアップ効果や保湿作用によるその場限りの効果しかない。つまりシワを改善したり消したりする効果はないのだ。けれどほとんどの人が、使い続けることでシワが改善すると誤解して買っているというのが実情だろう。

レチノイン酸とレチノールの違い

シワ対策として美容皮膚科など医療機関で処方されるものの中には「レチノイン酸」(トレチノイン)を使ったホームケアコスメもある。レチノイン酸は皮膚の代謝を促して古くなった角質を除去し、新しい皮膚を作るという作用を持つ。一方で使用中は皮膚に刺激があったり乾燥を引き起こしやすくなったりする。

レチノイン酸が変化した「レチノール」は、市販のシワ美容液やアンチエイジングコスメに使われることもある。けれど実際は、医療機関で使われているレチノイン酸とは別の物質で、100分の1の効果もない。期待できるのは保湿効果だけなのだ。

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そのうえレチノールは皮膚への刺激が強い。以前、高濃度のレチノールを配合した化粧品で肌の腫れや炎症が多く報告され、販売が中止されたことがあった。だから、もしレチノール入りの化粧品を使ってピリピリした刺激を感じたら、使うのをやめたほうがいい。

今回ポーラから新しく発売されたシワ対策化粧品「リンクルショット メディカル セラム」は、シワを改善する効果が日本で初めて公に認められた。

前回の記事、「“お助けアイテム”医薬部外品と賢く付き合うには?」にも書いたように、コスメやせっけんなどのアイテムは、薬機法(旧薬事法)という法律によって、「医薬品」「化粧品」「医薬部外品」の3つに分けられる。ポーラの商品は医薬部外品に当たり、規定量の有効成分を配合していることが、厚生労働省によって認められたのだ。

リンクルショットのメカニズム

リンクルショットに使われている有効成分は「ニールワン」と呼ばれている。ウイルスやバクテリアが傷口などから体の中に侵入すると、「好中球エラスターゼ」というタンパク質を分解する酵素が作られ、ウイルスなどを破壊することで私たちの健康は守られている。

ところが肌は、紫外線や摩擦刺激を受けた時にも好中球エラスターゼを作り、それが皮膚内部のタンパク質であるエラスチンやコラーゲンを破壊してしまう。エラスチンやコラーゲンには肌のハリを保つ役割があるため、ダメージを受けた肌にはシワが刻まれやすくなるのだ。

ニールワンはこの好中球エラスターゼの動きを邪魔して、シワができるのを防ぐという作用がある。非常に理にかなったメカニズムではある。

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ただニールワンは新しく開発された成分であり、安全だと言い切るにはまだ早いと思う。厚生労働省管轄の審査報告書にはさまざまな情報が記載されていて、ニールワンは最終的に安全性には問題がないとしているものの、「感作性(アレルギー性)のリスクがわずかに示唆されている」というコメントもある。それにニールワンは、水溶性成分を油剤の中に強引に分散させた特殊な構成で、皮膚の奥(真皮)にまで到達するという特性がある。真皮に届くような成分は効果が強く現れやすいので、人によっては副作用が出る可能性も高い。

ニールワンに限らないが、有効成分には「長期使用すると何らかの健康リスクを生じる懸念」があり、実際に健康被害が出て問題となったものもある。初めて市場に出る成分である以上、何が起こるかまだわからないというリスクが付きまとうのだ。

心配な人は、最初のうちは付けすぎないよう注意してほしい。しばらくは使用者の口コミが増えるのを待って、それから使うかどうか決めるのもお勧めだ。

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