進化形コインランドリーで人気の「洗濯代行」って?

Photo by Chiyomi Tadokoro

Photo by Chiyomi Tadokoro

「タワーマンションで外に干せない規定がある」「花粉やダニ、ハウスダストなどのアレルギー物質が気になるから布団を丸洗いしたい」「小さな子どもがいて大量に洗濯物が出るが洗濯する時間がない」など、さまざまな理由を背景に、ここ数年、コインランドリーの利用者が増えている。

カフェのような空間

厚生労働省の調べ(2013年)によると、コインランドリーの店舗数はおよそ1万6700台。年間5%前後、年間数百店ペースで増えている。

1号店である代々木店の外観。オープン時からロゴにもこだわっている

1号店である代々木店の外観。オープン時からロゴにもこだわっている

とはいえ、増えているのは、いわゆる“銭湯に併設された簡素なコインランドリー”ではない。今までのコインラインドリーのイメージを覆すような、スタイリッシュで機能的な“進化形”だ。

「ウォッシュ&フォールド」もその一つ。店内には雑誌やウォーターサーバー、いすやテーブルが置かれ、まるでカフェのような落ち着いた空間が広がる。店頭にはスタッフが常駐し、利用者は仕上がりを待つ間、店内でゆったりとした時間を過ごす。

普段の洗濯を外注

ウォッシュ&フォールドが“進化形”と呼ばれる理由は、コインランドリーの店舗がおしゃれだからというだけではない。売り上げの6割を占める「洗濯代行」と呼ばれるオンリーワンのサービスがカギを握っている。

洗濯代行

日本にも洗濯代行サービスが根付きつつある

洗濯代行とはその名のとおり、お客さんの代わりに普段着の洗濯を行うサービス。

専用のマシーンで洗濯物を水洗いし(WASH)、乾燥させ、手で畳む(FOLD)。コートやよそ行きの服の「クリーニング」ではなく、あくまで普段着の洗濯を代行してくれる。

利用者は専用のランドリーバッグに洗濯物を詰めるだけ。店舗に持って行くか家まで取りに来てもらえば、最短で2日後には、洗濯物がきれいになり、びっくりするほど美しく畳まれて返ってくる。家まで取りに来てもらう場合の料金は、配送料を含めて2200円から。

ランドリーバッグに詰めてスタッフに渡すだけ

ランドリーバッグに詰めてスタッフに渡すだけ

洗濯代行は海外だともっとメジャーなサービスなのだそうだ。「日本では、洗濯=妻の仕事、という固定観念がある。洗って、干して、畳んで、収納して、という4つのハードルを越えなければならない洗濯は意外と負担が大きい。もっと気軽に外注してもらいたい」(ウォッシュ&フォールドを運営するアピッシュの代表、山崎美香さん)。

洗濯代行サービスの会員数は約2万5000人。利用者は共働き家庭や単身者など30~40代が中心。最近では子育てに忙しい主婦の利用も増えている。

30分かけて畳み上げる

筆者も大量にある子どもの洋服を人に譲りたかったとき、何度も洗濯機を回すのが面倒で洗濯代行サービスを利用してみた。戻ってきた洗濯物をみて、その芸術的な畳み方に驚いた。靴下一つにしてもはき口のゴムの部分を伸ばさず、かつコンパクトに畳んである。お古の子ども服なのにプレゼント感覚で譲ることができた。

ウォッシュ&フォールドが、洗濯代行サービスで特にこだわっているのは、“畳み”。ランドリーバッグ一つ当たり約30分かけて、一枚一枚丁寧に畳み上げる。

「簡単に崩れず、かつ、衣類を傷ませないよう、日々スタッフが畳み方を研究しています」と山崎さん。クロゼットに収納しやすいよう、袋詰めした後にしっかり洗濯物の空気を抜く点にもこだわっている。

一枚一枚、丁寧に畳み上げる

一枚一枚、丁寧に畳み上げる

きれいに仕上がるもう一つの理由はマシーンの機能性が高いから。乾燥一つとっても、家庭用の電気乾燥機ではどうしても縮んでしまう。だがウォッシュ&フォールドの業務用ガス乾燥機なら、ふんわりと仕上がり縮みも気になりづらい。

「ウォッシュ&フォールド」は現在15店舗。これまでは年に1~2店の出店ペースだったが17年には大型書店をはじめとする異業種とのコラボ店舗など新たに10店以上をオープンさせ、今後5年間で500店舗まで増やそうとしている。ちなみに、本業は洗濯代行でも店舗をおしゃれなコインランドリーにしているワケは、コインランドリーで稼いだおカネで店舗の家賃を支払ってしまいたいからだそう。

近所に洗濯代行のサービスを備えた“進化形コインラインドリー”が登場することで、時間的にも精神的にもゆとりを持った主婦が増えることは間違いなさそうだ。

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