覚えておきたい、法トラブルの駆け込み寺「法テラス」

Photo by MARIA

Photo by MARIA

もしも法律関係のトラブルに合ってしまったら、あなたはまず誰に相談するだろうか。身近に法律に詳しい人がいない限り、「どうしよう?!」と困ってしまう人がほとんどでは。とはいえ、いきなり法律事務所のドアをたたくのもなかなかハードルが高い。

そんなときにワンクッションとなり、解決を手伝ってくれる「法律問題の総合案内所」がある。全国に50カ所の拠点を持つ、「法テラス」(正式には「日本司法支援センター」)だ。

サポートダイヤルやメール、あるいは近くの法テラス事務所の窓口に問い合わせると、どこに相談したらいいか、どんな法制度があるか、といった基本的な解決の糸口となる情報を無料で教えてくれるのだ。

子どもが友達にケガをさせたら

「自分は法トラブルとは無縁」と思っている人もいるかもしれない。でも実は、サポートダイヤルを最も利用するのは30~40歳代の女性。この年代らしく、家庭に関する悩みが多いという。

女性からの問い合わせ内容で最も多いのは、「男女・夫婦」の問題。ここ数年、離婚や不倫の悩みは増えており、全体の問い合わせ件数でも、2011年以降は借金などの金銭問題を抑えてトップになった。

高齢化の影響もあってか、相続の当事者になったり、「親が認知症になってしまったので後見人をつけたい」といったものなど、「相続・遺言」関連で問い合わせてくる人も多い。

Photo by MARIA

Photo by MARIA

子どもに関する相談もある。「学校で子どもがお友達にケガをさせてしまい、高額な治療費を請求されてしまった」「子どもがいじめられてうつ病になったので、相手の親や学校に損害賠償を求めたい」といった問い合わせも寄せられている。

子育て中の女性が気をつけたいのは、自転車事故。自転車は子育ての強い味方だが、運転を誤ると加害者になってしまうことも。事故を起こしても、保険に入っておらず高額な賠償に困って相談してくるケースが多いという。

Photo by MARIA

Photo by MARIA

インターネットの取り引きを通じた被害も増えているそう。近頃では、ネットバンク関連の被害を始め、ネット上で誹謗中傷されたり写真を無断で掲載されたりといったトラブルが目立ってきているという。

こうしてみると、他人事とは思えない身近なトラブルだ。

なぜ無料なのか?

何か困り事があったとき法テラスに問い合わせてみると、弁護士会や消費者センター、自治体の無料相談といった、最適な相談先を無料で案内してくれる。また、4人家族で月収が約30万円以下など収入や資産が一定以下なら、法テラスが法律相談を無料で行ってくれたり、弁護士・司法書士の費用などをいったん立て替えてくれることもある。

困り事があったときの窓口としてだけでなく、法テラスは犯罪被害者をサポートしたり、法律家がいない地域に事務所を設置してサービスを提供したりもする。東日本大震災や熊本地震の被災者には、民事であればどのような問題も無料で相談を受け付けている。

Photo by MARIA

Photo by MARIA

なぜ法テラスがここまで手厚いサポートをしてくれるのかというと、国が作った組織だから。

法テラスができたのは、10年前。「自治体や弁護士、司法書士、警察、支援団体などと相談窓口がバラバラなので必要な情報にたどり着けない」「経済的に余裕がなく相談できない」「近くに専門家がいない」といった声を受け、政府が全額を出資して設立された。主に国から交付される運営費や、法テラスの弁護士が事件を担当したときの収入などで成り立っている。

法テラスはまさに、困ったときの法律の110番。「中古の家を買ったら雨漏りがひどい」「隣の家がゴミ屋敷に」「スマホの無料ゲームで20万円請求された」といった、日常での困りごとでアクセスしてくる人もたくさんいるそう。

「こんなことで問い合わせていいの?」と思うかもしれないが、ささいなことでも気軽に相談できるのがよいところ。「自分にはどんな権利や義務があるのか」といった基本的な法知識の確認程度なら問い合わせの段階で教えてくれるので、法テラスへの電話一本で解決してしまう場合もある。気軽に使える“駆け込み寺”として覚えておくと、安心なのではないだろうか。

  • この記事をシェア
トップへ戻る