デビットカードの使い方、知っていますか?

Photo by MARIA

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消費税が上がってから、財布に小銭が増えた。油断しているとすぐに小銭がたまって、財布が締まらずに困ることもしばしば。レジが混んでいるときは、仕方なくそのままバッグにしまうこともある。

クレジットカードなら現金を使わずに買い物ができるけれど、使いすぎてしまわないかが心配。電子マネーもあるけれど、つい入金し忘れて使えないことも。そんな人に人気が出てきているのが「デビットカード」だ。

口座からすぐ引き落とし

デビットカードは銀行口座にひも付けられたカード。クレジットカードに似ているけれど、使うとすぐにお金が引き落とされる“即時引き落とし”がデビットカードの大きな特徴だ。

クレジットカードを使って買い物をすると、その分のお金はカード会社の指定日に引き落とされる。使える金額はカードの限度額までで、支払い回数が自分で選べることが多い。カードを発行しているのはクレジットカード会社。

一方のデビットカードは銀行が発行するもので、自分の銀行口座に直結している。だから口座に預けられている金額までしか使うことができず、残高が足りなければそこまで。使うとすぐに口座から代金が引き落とされ、支払い回数は1回のみ。“現金感覚で使える”カードと言える。

自分の口座と直結しているだけに、クレジットカードのような審査がなく、銀行口座を持っていれば作ることができる。クレジットカードは専業主婦だといろいろと制限があるけれど、デビットカードにはそうした心配はなく、高校生から作れるものもある。海外やインターネットで使えるカードも多い。

電子マネーは、基本的にチャージした金額までしか使えないという面では、デビットカードに似ている。でも逆に言えば、前もってチャージする手間があるということでもある。それに海外、インターネットでは使えない。

広がる選択肢

デビットカードが日本で使えるようになったのは実は15年以上も前。でも特によく使われるようになってきたのは、最近のことだという。

日本では2000年に「J-Debit」という独自のシステムがスタートしていて、銀行はそのデビットカードを発行してきた。国内のほとんどの銀行がJ-Debitに参加しているから、キャッシュカードは実はそのままデビットカードとして使うことができる。でも使えるお店や時間帯が限られている場合もあって、なかなか広まらなかった。

J-Debitに少し遅れて、2006年、Visaのデビットカードが日本でも発行されるようになった。Visaは国際的な決済システムを持つ会社で、クレジットカード会社や銀行はVisaという「ブランド」を使う「ライセンス」をもらってクレジットカードやデビットカードを発行している。

Visaのデビットカードは使えるお店が多く、24時間いつでも使えるという便利さから人気になっていった。2013年には三菱東京UFJ銀行がVisaデビットカードを発行するようになったこともあり、さらに使う人が増えているという。2014年にはJCBブランドもデビットカードに参入し、さらに選択肢が広がった。

2016年9月の時点で、Visaは13銀行、JCBは9銀行でデビットカードの取り扱いがある。2016年10月下旬には、三井住友銀行がVisaのデビットカードを発行するという。

毎日の小さな買い物に

デビットカードは、実際にはどう使ったらいいのだろう。ビザ・ワールドワイド・ジャパン、デビット事業統括部の山田望未さんは「いま現金で支払っている買い物に、デビットカードを使うというのも一つの使い方です」と話す。

海外では日本よりもずっと広くデビットカードが使われていて、クレジットカードとの使い分けがはっきりしている。1回払いのデビットカードはスーパーやクリーニングなど金額の小さいものが中心で、分割払いのできるクレジットカードはもっと高いものに使われているという。

日本でもデビットカードは日常的な使い方がされているようで、コンビニなど少額の買い物で使われることが多いという。「どれか一つのカードに絞るのではなく、クレジットカードやデビットカードをそれぞれの特徴に合わせて使い分けると便利です」(山田さん)。

“ポイントの付く現金”

ポイントが付くのもデビットカードの大きな魅力。クレジットカードよりも還元率は低いものの、現金なら何のポイントも付かないのだから、その分お得だ。

還元率はカードによって異なる。ジャパンネット銀行の場合は通常500円につき1ポイント。同行とスルガ銀行にはTカード機能の付いたデビットカードもあり、Tポイント加盟店で使えば通常のTポイントに加えてお店が付与するTポイントももらえる。またジャパンネット銀行のカードには「ファミマTカード」機能も付いていて、ファミリーマートでの買い物に使うと現金払いの5倍のポイントが貯まる日もあるという。

「ファミリーマートをはじめ、スーパーやデパート、レストランなどにもTカードが使えるところはありますので、そのときの支払いにVisaデビットカードを使うとポイントも貯まりやすく、お勧めです」とジャパンネット銀行個人事業部の蓮見秀之さんはアドバイスする。

ATMに行かなくても

口座の残高が足りないと使えないという心配もあるけれど、手軽にチェックできるアプリを配布している銀行もある。スマートフォンにインストールしておけば、ATMに行かなくてもすぐに残高が確認できる。買い物の明細が残るので、レシートの代わりにできるのもうれしい。

それにATMに行かずに済むから手数料が節約できるし、即時引き落としだから家計管理もしやすいというメリットもある。

現金のような使い心地だけれど、カードだからもちろん小銭はたまらない。少しだけどポイントも付いてくる。「物理的」にも「経済的」にも、私たちのお財布にやさしいカードかもしれない。

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