最近よくキウイを食べるようになったのは?

最近になってよく食べるようになったフルーツがある。わが家の場合はキウイフルーツだ。

スーパーに行けばだいたい店頭に並んでいるし、半分に切ってスプーンで食べれば、皮をむく手間もない。甘みと酸のバランスもちょうどよく、子どもも大好きだ。

実はキウイは、日本人の果物全体の購入額が減少傾向にある中、目立って伸びているフルーツの一つ。2005年と15年の購入金額を比べてみると、リンゴはようやく1.1倍、バナナは1.2倍増えているのに対し、キウイだけが断トツ1.8倍にも増えている(総務省「家計調査」)。

こうした近年のキウイ人気を作り出してきたのが、「ゼスプリ」だ。そういえば、最近買うキウイにはだいたい「ゼスプリ」シールが貼ってある。

ゼスプリって何?

「ゼスプリ」とは、ゼスプリ・インターナショナルというニュージーランドを拠点とする企業の名前。

もともとはキウイの生産者が集まって作った官製組織で、ニュージーランド産キウイの輸出を独占的に扱っていた。「ゼスプリ」ブランドが誕生したのは1997年。民間企業となった現在も、ニュージーランド産のキウイの輸出を一手に担っている。

つまり、日本で見るニュージーランド産のキウイはすべてゼスプリブランドということ。日本国内で流通しているキウイのなんと72%ものシェアを占めている。

実は、ニュージーランドのキウイ生産者の中でも、ゼスプリブランドのキウイを生産できるのは、厳しい品質管理基準を満たした農家だけ。こうした農家だけがゼスプリキウイを育てられる権利「育種権」を持つ。生産したキウイはすべてゼスプリが買い取り、輸出している。

ゼスプリブランドのキウイは現在、世界56カ国で売られているため、品質管理とブランディングを徹底しなければ、ブランド価値を損ねてしまうのだ。だから、現地での輸入・販売、マーケティングを担う子会社を17カ所に置いている。その一つはもちろん日本にもある。

キウイはニュージーランド以外に南米やヨーロッパでも作られているが、世界で取引されているキウイの3分の1はニュージーランド産、つまりゼスプリキウイが占めているのだという。

「旬」はいつ?

ところで、いつでも店頭に並んでいるようなイメージがあるキウイに「旬」はあるのだろうか。

実は、ニュージーランドにおけるキウイの収穫時期は3~4月。が、キウイの収穫は未熟な状態で行われる。収穫されたキウイは各国の倉庫で温度とエチレンガス濃度などを調整しながら保管され、出荷はだいたい12月ごろまで続く。

つまりキウイは、出荷時期をコントロールできるという点で、商品としても優れもの。そのため、価格は年間を通じてほぼ一定。スーパーなどの小売店にとっても売りやすい。

最近では、ニュージーランド産キウイが出回らない冬季にも流通できるよう、ゼスプリは北半球の各国に生産者を拡大している。

日本でも現在は愛媛県と佐賀県にそれぞれゼスプリブランドの育種権を持つ契約農家がいて、こちらは10月以降に収穫、出荷が始まる。ニュージーランド産キウイが店頭から姿を消す12月以降も、こうした国産ゼスプリが店頭に並ぶ。

とはいえ、国産キウイのうちゼスプリブランドのシェアはまだ小さいので、ゼスプリブランドでないキウイを見掛ける機会のほうが多いかもしれない。

“ヘルスマーケティング”

今年4月、ニュージーランドに世界16カ国から200人もの科学者や栄養の専門家・研究者が集まって、キウイの栄養や健康効果に関する国際シンポジウムが開催された。会場では、キウイが栄養面においていかに優れているか、さまざまな研究成果が発表されたという。

ゼスプリのマーケティング活動において重要だと考えられているのが、キウイの栄養面をPRする「ヘルスマーケティング」。消費者にとって「体にいい」ことはリピート購入の大きなきっかけになる。

確かに、キウイに含まれる栄養素はほかのどんなフルーツよりも豊富。ビタミンCや食物繊維、葉酸やタンパク質など17の栄養素がどのくらい含まれているかを比較した「栄養素充足率スコア」では、バナナ8.1、いちご9.3、レモン5.3、りんご1.8に対して、果肉が緑色のグリーンキウイが10.6、黄色のサンゴールドキウイが15.1にも上る。

サンゴールドキウイに含まれるビタミンCはレモン8個分以上。1日に必要なビタミンCを1個でほぼ100%取ることができる。グリーンキウイに含まれる食物繊維はバナナ3本分以上。そのほかにも、カリウム、葉酸、ビタミンEなど、体に必要な栄養素が多く含まれているという。

ゼスプリのテレビCMで人気タレントが「ビタミンCだけじゃない」と連呼しているのはそういうことだったのだ。

日本が最大の市場

いまや日本はニュージーランド産キウイにとって最大の市場。これだけ消費も広がってきたが、「それでももっと多くの人に食べてもらえる余地がある」とゼスプリ・インターナショナル・ジャパンのシニアマーケティングエグゼクティブの栗田麻衣子さん。

キウイが持つ栄養面でのアドバンテージ以上に、厳しい品質管理基準を設けているゼスプリブランドは、味には絶対の自信があるという。全国のスーパー店頭などで年間約8000回ものサンプリングを行っているのも、「買うときには、味がいちばんの決め手になるから」(栗田さん)。

今日もスーパーに行ったら、フルーツ売り場の大きな一画をゼスプリのキウイが占めていた。しばらく見ていると、お客さんが次々とかごに入れていく。キウイをよく食べるようになったのは、やっぱりわが家だけのことではなかったみたいだ。

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