マンションはいま“買いどき”?

Photo by MARIA

Photo by MARIA

資産を増やせる、マンションの買い方」では、失敗しない物件をどう選ぶか、そして10年で買い替える理由について書いた。今回は、買い替えのタイミングと、10年で買い替えることのデメリットついても紹介したい。

不動産コンサルタントの沖有人さんに、今が買いどきなのかどうかを尋ねてみると「高値づかみが怖いと思う人は、下がるまで待ったほうがいいかもしれない」という答えが返ってきた。

実は、2015年に東京23区で売られたマンションの平均価格は6000万円を超え、価格は天井に近いという。東京オリンピックが近づいて建築にかかる費用が急激に高くなっていること、アベノミクス政策によって住宅ローンを組みやすくなっていることなどがその理由。

沖さんは、特に新築マンションでは、この先2年ほどマンション価格が高めの時期が続くと見ている。今すぐにマンションを買いたいというのでなければ、価格が下がるまで待つほうがいいのかもしれない。

割安な物件もある

ただ、全体の価格が高めだからといって、すべてのマンションが割高というわけでもないという。転勤などの理由で「すぐに売りたい」と考えている売り主なら、住んで間もない物件でも割安な価格で売り出すことがある。いい物件を見定めて、早めに決められるよう準備をしておくに越したことはない。

前もって住宅ローンの審査をしておくと、いざ欲しい物件が出てきたときにスムーズに話を進めることができる。

Photo by MARIA

Photo by MARIA

「たとえば、事前審査で『4000万円のローンが組めます』という結果が出て、1000万円以上の預金があるなら、5000万円の物件を買えることになります。その『5000万円まで買える』という状況を不動産会社に示しておけば、新しい物件の情報が回ってきやすくなり、中古物件の値引き交渉もしやすくなります」(沖さん)

価格が上がっている新築でも、販売がうまくいっていないのに入居の時期が迫っていたり、すでに入居が始まっているなら、値引きを引き出せる可能性がある。

値引きのテクニックなどないのか。「その地域の相場を把握し『この値段なら必ず購入します』と金額を指し値で提示することが王道です」と沖さん。欲しい物件があれば、ダメ元で値引きにチャレンジしてみては。

天災は予測できない

最後に、この「マンションを10年ごとに買い替える」方法が絶対にうまくいくわけではない、ということも付け加えておきたい。

たとえば、天災。どんなに条件のいいマンションを買ったとしても、大きな地震など天災によってマンションの価値が大きく下がることもある。

「たとえば、千葉県の新浦安ですね。千葉県の中ではマンションの価格が落ちにくい場所でしたが、2011年の東日本大震災によって液状化してからは、価格が崩れました」(沖さん)。ファミリー層に人気のエリアだっただけに、震災前にこれだけ価格が下がるとは想像できなかったという。

「買いどき」は家族が決めること

10年を待たずに住み替えなければならなくなるケースだってある。「家計を支えている人が病気になったり事故に遭ったりしてしばらくはたらけなくなる、リーマンショックのような状況になって全体が落ち込む、隣人とのトラブルが起きる、など、さまざまなリスクも考えておいたほうがいいでしょう」(沖さん)。

実は、不動産のプロでも10年後のマンション価格をぴたりと予想することはできないのだという。今、価値のあるマンションと言われていても、無理をして買えば金利が上がったときに住宅ローンが払えなくなるおそれも。結局は「自己判断」「自己責任」ということになる。

Photo by MARIA

Photo by MARIA

それぞれの家族には、子どもが小学校に上がる前に引っ越したい、子どもが大学生になるまでは引っ越しをしたくないといった事情があるはず。沖さんも「買いたいと思ったときが、買い時でもあります」と付け加える。

「相場も大事ですが、家族の思いはそれ以上に優先すべきことです。資産性の高い物件を購入することでいちばんいいと思うのは、家族のライフイベントに合わせて『売る』『貸す』『住み続ける』という選択肢が柔軟に取れることです」(沖さん)。

もっと言えば、10年で住み替えるという方法も、それぞれの家族の考え方によっては「正解」ではない。自分たちにとって幸せな住まいとはどんなものなのか、夫婦や家族でじっくりと話し合うことが、何よりも大切なことなのではないかと思う。

  • この記事をシェア
トップへ戻る