「あなたは、どうしたいの?」は魔法の言葉かもしれない

Photo by MARIA

「子どもにどんな声掛けをしたらいいのかわからない」

そんな悩みを持っているお母さんはたくさんいる。私も同じことで悩んだ時期があった。子どもが言うことを聞かない。ゲームばっかりする。学校の友達ともうまくいかない。

「私は、どうすればいいのだろう」

思わず、子育て大先輩の女性社長に尋ねた。彼女は離婚していた。子どもはお母さんに預けっ放し。世界を飛び回っていた。そんな彼女が教えてくれた。

「あのね、私もそうだったけれど、最後に大切なのは、自分で考えて行動する子になってもらうことよ。親なんていつまでも子どもにかかわっていられるわけじゃないんだから。だから、私は、いつも子どもにこう言い続けてきたの。『あなたは、どうしたいの?』。そしたら、自分で考える子になるから」

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実際、私は彼女の娘を知っているし、今でも彼女と彼女の娘はとっても仲良し。だからといって、彼女の娘がストレートにまっすぐに育ったわけじゃないことも知っている。勉強ができたわけでもないし、ふらふらと遊んでばかりいたこともある。母親として、ハラハラ、ドキドキさせられたこともいっぱいあったはず。

でも、母親が「あなたは、どうしたいの?」と問い続けた結果、「ニューヨークで芸術の勉強がしたい」とアメリカに飛び立った。なのに、帰ってきて定職にも就かず「エステティシャンになる」「やっぱりやめる」「こんなこと、したかったわけじゃない」などと言いつつ、「めんどくさい」とあっけなく結婚。子育ても夫婦もいろいろあった。

そのたびに私の友人である母親は、「あなたは、どうしたいの?」と問い続けた。結果、突如、40歳を過ぎて、再びアートに目覚め、個展を開き、世界に羽ばたき始めた。

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私にとって、この親子は見本。娘にイラッとするたびに、「あなたは、どうしたいの?」と問い続けている。結果、どうなったか……。

小学校でイジメに遭い、「あの子たちと同じ中学に行きたくない」と私立中学を受験。中学、高校とずっとバレーボール一筋。「受験勉強したくない」と、AO入試で行ける大学に。就職氷河期に「就活したくない」と、就活に挫折。

「ママの会社に入ってあげる」とうちの会社に入社。2年はたらいたら、「こんな中小企業で終わりたくない」と派遣で転職。「ろくな先輩がいない」と、そこも2年で辞めて転職。そこでコンサルタントのアシスタントをしながら彼氏を見つけて結婚――。

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イライラすることもいっぱいあるけれど、いつも「あなたは、どうしたいの?」と問いかけてきた。ありがたいことに、先に書いた友人親子は、わが娘に「最後は、自分のことだから」と助言し続けてくれている。

でも、最近わかった。この「あなたは、どうしたいの?」、ひょっとしたら、魔法の言葉だったかもしれない。

私の娘も友人の娘も、結果的に自分で考えて、自分の考えをしっかり述べられる子どもに育ってくれた。もちろん、危なっかしいこともいっぱいあれば、腹立つこともいっぱいある。でも、言葉は言霊(ことだま)。自分の言葉をいちばん聞いているのは自分。

「私は、どうしたいのだろう」

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つまずいた時に、自分で考えてくれる人間になってはいる。結局のところ、親ができることの最大限は、何があっても自分自身で解決する力を子どもに持たせることじゃないだろうか。

ただし、「あなたは、何をしたいの?」は詰問じゃない。どんな答えを言っても、きちんと聴いてあげることが大切。実はこれには体力がいる(笑)。

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