仕事が忙しすぎて子育てとの両立ができていない

酒井菜法のお悩み相談室

僧侶であり3人のお子さんを育てるお母さんでもある酒井菜法さん。一緒に悩みながら、人生を豊かに歩むヒントを探していきたいと、読者のみなさんからのお悩み相談を受け付けています。今回寄せられたご相談はこちらのお母さんからでした。

お悩み相談

化粧品メーカーの新規事業部でリーダーとしてはたらいています。ずっとやりたかった仕事なので、熱意を持って仕事をしています。
ただ、仕事が忙しくなりすぎて、朝は「おはよう」のあいさつもそこそこに家を出て、帰りは深夜ということも……。土日は疲れて昼まで寝ている始末で、家事をする気にもなれません。洗濯物は洗濯機からあふれ出ているし、モノが散らかった寝室はベッド以外に足の踏み場もないほど。
子どもたちは、部活や学童で放課後を楽しく過ごしてくれているようなのですが、ときどき「ママ、家が汚い」と文句を言ってきます。先日の土曜日、昼すぎに起きると夫が子どもたちを連れてファミレスから帰ってきたところ。何も声をかけてもらえずショックでした。
どうすれば仕事と家事・育児を両立させられるでしょうか。
(Oさん 44歳/13歳、9歳の子の母 会社員)

仕事と家事・育児の両立ははたらく女性のいちばんの悩みですよね。私も共働きのようなものなので、上手にこなしている人を見るとコツを知りたいと思ってしまいます。

仕事は自分の判断だけでは調整できないことも多いので、どうしても家庭にしわ寄せがくるのは仕方のないことです。そして家庭は家族のサポートがなければ絶対にうまく回りません。

Photo by MARIA

もし家事が苦手なのであれば、それを家族に理解してもらうこと。理解を求めるのには時間がかかりますが、結局は協力し合わないと家庭が回らないということがわかってきます。また、お母さんが忙しくてできないということを子どもが理解すれば、「お母さんを助けてあげよう」という気持ちにもなるはずです。

仕事も家事も一生懸命やっているお母さんの背中を見た子どもたちが、自分たちもがんばって支えてあげたいと思えるような家庭を築けるかどうか。それはあなたひとりだけががんばってできることではありません。仏教では「異体同心(いたいどうしん)」といいますが、体は別々でも心はひとつに、ともに補っていくのが家族。家族の一員として、みんなで協力して家庭を回していくことが大切なのです。

うしろめたさは不要

あなたは仕事と家事を両立できない自分にうしろめたさを感じているかもしれません。でも、ここで無理をしてあなたが倒れてしまったらどうしますか? それこそ仕事も家事もできなくなってしまいます。

うしろめたさは不要です。自分で全部やろうと思わず、家庭内で協力してもらうこと。そして、それだけがんばっているお母さんを誇りに思ってもらえるように教育していくこと。それがあなたの役目です。

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ただし、毎日子どもがどんな生活を送っているのか、悩み事でふさぎ込んでいないか、成長期にごはんをしっかり食べているかなど、押さえるべきところだけはいつも気にかけておいて。それは母の務めだからです。

土曜の昼過ぎまで声をかけずに寝かせておいてくれるなんて、やさしいご主人じゃないですか。それに甘えて「週末の午前中は寝かせてください」と宣言してしまってもいいくらいです(笑)。できないことはできないと割り切ることも、ときには必要です。

シンプルな生活を心がける

仕事が忙しいうえに、一度散らかってしまった家を片づけるのはとても大変です。そこで天気のいい日に思いきって休みをとり、掃除の日にあててみてはどうでしょうか。そしてモノを減らし、シンプルな生活を心がけるのです。

モノが減れば家事もスムーズになります。家族の誰でも家事が手伝える環境になります。子どもたちにもご主人にもどこに何があるかを教え、自分のものは自分で片づけてもらうようにしましょう。

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洗濯物をたたんでしまうのが大変なら、一人ずつのボックスを作って投げ込むだけでもOK。たたむという概念を捨てて、家事をスムーズにする工夫をするのです。食事は作り置きをするなど、週末に少しがんばって準備することでラクになります。

そんなふうにして生活の環境を整えていけば、ちょっとした工夫の中で折り合いをつけられるようになっていくはずです。

家族みんなで補い合って

最近では家事を手伝ってくれるサービスもあるので、利用するのもひとつの方法です。月に1回ハウスキーピングを頼んで、一緒に片づけをしてみるのもいいと思います。そうすれば片づいた状態がキープしやすくなります。

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一人で抱え込まず、ときにはいろいろな人たちにサポートを頼みましょう。その都度折り合いをつけていきながら、家庭がスムーズに動くようにすることが重要です。

仕事のパフォーマンスを向上することも大事ですが、誰でも家庭を円満に過ごしたいと願っていますよね。家族に理解してもらい、できること・できないことを明確に話し合い、期待しすぎることなく補い合えるようになるのが理想です。家族みんなで工夫して居心地のいい家庭が作れるよう、祈っています。合掌。

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