自分の子どもには「素敵な恋愛」をしてほしい

Photo by MARIA

かつての自分のことは棚に上げておいて、子どもが年頃になると子どもの恋愛で悩むお母さんも多い。

子どもが恋愛してもしなくてもお母さんは悩んでいる。昨年まで娘の受験で悩んでいたあるお母さん。彼女はシングルマザーで、一人で娘を育ててきた。そして無事、希望通り国公立の有名大学に合格。「これで肩の荷が降りたわ」と大喜びだった。その娘に彼氏ができた。

「恋愛したら、何でも、お母さんに話してね」と日頃から言っていた。なので、彼氏ができたことは知っていた。その彼氏は、大学の近くに下宿しているらしい。ある日、娘が言った。「バイトしたおカネで彼と旅行に行っていい?」。彼女は目が点になったという。

そんな話を聞いた私たちの仲間。
「そんなの反対したって行くよ。『女友達と行く』って嘘つくだけだよ」
「だって私たちだって行ったよね」

でも、彼女は納得できない。

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「だって、あんなに一生懸命育てた娘だよ」
「2人3脚で生きてきたつもりだったのに、私より彼なのかなあ」
「もう、セックスしたのかなあ」

と悶々としている。そんな彼女に対して、私の友人たちは容赦ない。「してるしてる。だって彼、下宿してるんでしょ」「やっぱりそうかなあ……」。

話は尽きない。それどころか、自分たちの若かりし頃の話にまで展開。そして、誰かが尋ねた。「ところでどう返事したの?」。彼女はこう言ったらしい。「子どもはつくらないでね」――。

彼女の気持ち、笑いながらも、みんなどこかでわかる。
「幸せになってくれたらいいね」
「でも19歳でしょ。これからいろいろあるよ。そんな時やっぱり、頼れるのはお母さんだよ」。

男の子を育てるお母さんたちも悩んでいる。「彼女ができて、わが家に連れてきてくれて紹介してくれたのはいいけれど、息子の部屋にこもりっぱなしなのよ」。何をしているのか気になるけれど、覗くわけにも行かない。

「絶対キスはしているよね」
「もう少ししているかも……」
「やめてよ、まだ高校生だよ」

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みんな妄想モードに突入する。

「私だけのものだと思ってたのに、寂しいなあ」
「私たちだって同じだったんだよ」

彼女ができたらできたで心配だけれど、女の子に興味がないのも心配。
「彼女ができていいじゃない。うちの息子なんてゲームとユーチューブばかり」
「まだ、中学生じゃない」
「でも、高校生になっても絶対あのままよ」

私の弟もゲーム好きのオタクだった。38歳まで独身。私の親は真剣に心配していた。けれど、かわいいお医者さんと結婚した。今では、3人の娘を育てる父親。そんな話をするけれど、でもやっぱり心配は尽きないらしい。

いつの時代も子どもは好奇心がいっぱい。そして、ドキッとする言葉を言う。幼稚園に通う女の子が言ったらしい。「ママとパパは、セックスしているの?」

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わかって言っているとは思えないけれど、お母さんはびっくり仰天。

「どこで、そんな言葉を覚えたんだろう」
「きっと、お姉ちゃん、お兄ちゃんがいる子が弟や妹に教えて、広がったに決まっているよ」
「私たちにもそんな時期があったよなあ」

そして、幼稚園の子どもたち同士でも「どの子が好き」という話題になるらしい。「私よりダンナがハラハラしているわ」

お父さんの気持ちも理解できる。自分たちにもそんな時があって、恋したり、失恋したり、愛しあったりしてきたはず。なのに、子どものことになると自分がやってきたことは忘れて、気になることばかり。そして、どのお母さんもやっぱり、自分の子どもは、素敵な恋をしてみんなに愛されて幸せになってほしいと思っている。

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一方で、何もかもうまくいく人生なんてないこともなんとなくわかっている。それどころか、私たちの年代になると、息子や娘の恋愛相手が気に入らなくて相手に嫌味を言ってしまい、息子や娘とこじれてしまった人もいる。「孫にも会わせてもらえない」と悲しんでいる友人もいる。

子どもの恋愛。親にとっては子ども以上に大きな問題かもしれない。誰と恋愛するか、うまく行ってくれるか、幸せになってくれるか、とっても気になる。そして、ふと気づく。「私の親もそうだったのかなあ……」。

私の母に尋ねてみた。

「ほんまやわ。何枚手編みのセーターやマフラー手伝わされたか。そのたびに相手が変わってたやんか!!」

しまった。余計なことを尋ねるんじゃなかった……

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