実力に合ったハイスペックな転職先が見つからない

僧侶であり3人のお子さんを育てるお母さんでもある酒井菜法さん。一緒に悩みながら、人生を豊かに歩むヒントを探していきたいと、読者のみなさんからのお悩み相談を受け付けています。今回寄せられたご相談はこちらのお母さんからでした。

お悩み相談

6歳と10歳の子どもがいます。これまでフルタイムで仕事と育児の両立をがんばってきましたが、上の子の中学受験、下の子の小1の壁を控え、子どもと過ごす時間を持ちたいと思い転職活動をしています。先日、自分の得意分野を生かせる職場がみつかったので面接を受けたのですが、結果は「不採用」。落ち込んでいます。
私は長年、外資系大手で経理の仕事に就いてきたので、今回受けたのも経理の職種です。国内の中小企業で時間の融通が利くことが魅力でした。グローバル会計に通じていること、語学力をアピールしすぎたので、経営陣にとって私のスペックが高すぎたのでは。ただ、それを隠したところで働き始めたら実力はおのずから明らかになるはずです。この先どう転職活動を続けていけばいいのかわからなくなってしまいました。
(Iさん 40歳/10歳、6歳の子どもの母 会社員)

今の自分の状況をよく理解されていて、子どもを優先した仕事を探し、さらに自分のやりがいや目標も明確に持っていらっしゃる。あなたは賢く立派な女性ですね。だからこそ、想定外の不採用という結果に落ち込んでいることが伝わってきます。

Photo by MARIA

不採用になると、自分を否定されたような気持ちになりますよね。私でも落ち込むと思います。でも、どうか自分に自信を持ち続けてください。あなたが否定されているわけではなく、その会社に合わなかっただけ。今のあなたに合った縁はきっとあるはずです。

謙虚な姿勢も大切

40歳で子どもが2人。子どものためにも時間に融通の利く仕事をしたい……。そう思うならば、今までの自分の経歴からは少しレベルを下げなくてはいけないこともあるということを受け入れていかなくてはなりません。

外資系大手企業で順風満帆にはたらいてきた過去がそのまま評価につながるわけではなく、自分の理想より少しレベルを下げたところを選ばないと、不採用が続くこともありえます。おそらく、あなたはそのことに、もうお気づきでしょう。だからこそ、過去の自分と今の自分の状況に不安で相談を投稿されたのだと思います。

そこで作戦を少し変える必要があるかもしれません。「これまでの経歴を生かしたい」という思いをアピールされていますが、面接官にとってそれが鼻につく応対だったという可能性もあります。

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経歴は履歴書を見ればわかること。「今までやってきたことをこの会社で少しでも生かせれば」という謙虚な姿勢で臨んだほうがいいかもしれません。

「よくできる人」という評価は、はたらき始めてから得ても遅くはありません。むしろそのほうが、会社からも長く求められることになるでしょう。

優しい笑顔で、穏やかに伝えて

仏教には「和顔施(わがんせ)」という言葉があります。お金がなくてもできるお布施「無財の七施」のひとつで、「優しい笑顔で相手に接する」という意味です。

自分のことをアピールしようと思うと、誰でもそんなに穏やかな顔ではできないものです。自分の意志を強く伝えようとするので、少し傲慢に見えてしまう場合もあります。

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それを柔軟にさせるのが「和顔施」。穏やかな目に穏やかな笑顔。口角を上げた優しい表情で、「この会社のために自分に何ができるか」という思いをやわらかく伝えてみてはいかがでしょうか。きっと良縁に巡り会えると思いますよ。

他者の評価に一喜一憂しない

人は他者からの評価が気になるものですが、人の評価など当てにならないものです。その結果に一喜一憂することなく(してもすぐ立ち直りましょう)、次に向かって進んでいける人は必ず良縁に出会えます。

良縁とは、人から見てうらやましい縁ではなく、今のあなたに合った縁です。

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転職活動に焦りは禁物。今は心穏やかに、お子さんとの時間を楽しんでください。どんな仕事でも、始まるとなかなか忙しいもので、仕事と育児・家事の両立は慣れるまでは大変ですから。

これまでがんばってきたあなたなら、諦めずに努力できるはずです。自分に何が足りないのかをよく分析しながら、自分に合う職場を探してください。良縁をお祈りしています。

合掌

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