育休を終えて復職した後輩に振り回される

僧侶であり3人のお子さんを育てるお母さんでもある酒井菜法さん。一緒に悩みながら、人生を豊かに歩むヒントを探していきたいと、読者のみなさんからのお悩み相談を受け付けています。今回寄せられたご相談はこちらのお母さんからでした。

お悩み相談

この春、後輩が育児休職を終えて私の部署に復職してきました。お子さんはまだ1歳前だし、慣れるまでは大変だろうとサポートをしてきたつもりです。3カ月たち後輩もペースをつかめるようになったようですが、たびたびシフトの交代を依頼されます。
初めはお子さんが熱を出したり、自分が無理をしすぎて体調を崩したりという理由だったので快く交代していました。ところが最近「今日は娘といたいから」「昨夜は娘が寝てくれなかったので」などの理由で交代を頼まれるようになりました。
私が育休から復帰したときは、無理をしてでもなるべくシフトに穴を空けないようにと精いっぱいのやりくりで対処してきました。先日また「娘が風邪を引きそう」とシフトの交代を頼まれたのでやんわりと断ったところ、「お互い様と言っていたじゃないですか。もう先輩には頼みません」と逆ギレされました。
それが社内中に知れ渡り、上司から「女同士仲良くやってくれよ」と言われる始末。もうここで仕事を続けていく自信がありません。
(Mさん 34歳/3歳の男の子の母 会社員)

あなたはとても優しくて穏やかな方ですね。困っている人は放っておけず、甘えすぎていれば優しく教えを施す。まさに仏様のようです。

後輩のような自己中心的な人に利用され、上司や社内にまで誤解されてしまったことで、とても傷ついていることと思います。

Photo by MARIA

本当は私がその後輩を叱りたいくらいです。しかし残念ながら、社会には優しい人に一方的に頼り、わがままな言動をとる人が必ずいます。相手のことを思いやり、見返りも求めず協力しているあなたのような先輩がいることは、とても幸せなことなのに。

私たちはたくさんの人に助けられて生きています。あなたもそれを感じているからこそ、後輩を助けたのでしょう。大丈夫、その功徳は必ず返ってきますよ。

正しいことだから自信をもって

上司にまで注意されて、居心地が悪いですよね。自信がなくなっていく気持ちもわかります。でも、会社を辞めるのは最善ではないと思います。そんな後輩のためにあなたが辞める必要はありません。

家族のためにも自分のためにも仕事が必要ではありませんか? 育児休暇を取ってまではたらき続けた会社と同等の条件で、すぐに新しい仕事が見つかるでしょうか? 会社を辞めてしまったその先を考えてみれば、このまま続けたほうがいいのではないでしょうか。

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後輩の心ない言動は必ず周囲の人もわかっているはず。周りは聞いているだけで何も言わないかもしれませんが、確実に後輩が悪いことは誰が聞いてもわかります。

上司の言葉も気にすることはありません。仕事の仲間と割り切り、フォローできることとできないことを継続して伝えていきましょう。次第に今の自分に合った人との関わり方やはたらき方が見えてくるはずです。

あなたは正しいことをしているのだから、自信を持ってください。周りに振り回されることなく、目の前の仕事に専念しましょう。

振り回されない強い心を持つ

後輩に対しては、怒りを持たないことです。怒りを持つと、また気持ちが揺れてしまいます。やり返すことなど考えず、「こんな人もいるんだな」くらいに思って放っておくこと。振り回されない心を作ることが大切です。

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まずは深呼吸して、心を穏やかに持ちましょう。そして、自分にとって何が一番大事かを考えて。それを支えに強い心を保ってください。

正しい心の持ち方を仏教では「正思(しょうし)」といいます。あなたは「正思」を貫けばよいのです。

断る勇気は大切

今回のことはいいきっかけだったと思います。やんわりとはいえ、きちんと断れたのですから。

そもそも後輩の場合、話を聞く限りでは「娘といたい」「娘が寝てくれなかったから休みたい」などという理由で交代を頼むことが社員としてありえません。本当はそれが断りどきだったのだと思います。

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これからは断る勇気も必要かもしれませんね。もしまた交代を頼まれたら、「その日はできない」「ほかの人に頼んで」とはっきり断りましょう。嫌な態度をされても、本当に困っているときだけ、あなたができる範囲で助けてあげましょう。それが「正思」です。

なかなか難しいですが、安請け合いはせず、自分ができることをする。よい教訓を得たと考えましょう。

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