ママ友にプライベートをあれこれ詮索される


僧侶であり3人のお子さんを育てるお母さんでもある酒井菜法さん。一緒に悩みながら、人生を豊かに歩むヒントを探していきたいと、読者のみなさんからのお悩み相談を受け付けています。今回寄せられたご相談はこちらのお母さんからでした。

お悩み相談

都内の区立幼稚園に通う年中の息子がいます。子ども同士が仲良くなったことから付き合うようになったママ友グループがあるのですが、その中に一人、苦手な人がいます。私の夫が大手総合商社に勤めていることをどこからか聞いたらしく、以来「マンションはいくらで買ったの?」「ご主人はいくら稼いでいるの?」から始まり、夫の出身大学や私の行きつけのエステ、息子の英語教室のことまで、プライベートを詮索されて困っています。私について得た情報を、グループのほかのママ友にも触れ回っているようで、先日は別のママから「おうちのこと自慢するの、やめたほうがいいんじゃない?」と言われてとても傷つきました。子ども同士は仲がいいので我慢してきましたが、もう限界です。
(M・Hさん 36歳/5歳の男の子の母 専業主婦)

仏教には「怨憎会苦(おんぞうえく)」という言葉があります。人間界の苦しみ(四苦八苦)の一つで、恨み憎む人、嫌いな人にも会わなくてはいけない苦しみのことです。憎しみとまではいかなくても、気が合わない上司や、今回の相談のような苦手なママ友など、誰にでも起こりうることです。

ママ友付き合いは距離感が大事

いちばんいいのは少し距離を置くことです。今は子ども同士で仲がいいかもしれませんが、成長過程において子ども同士にも何が起こるかわかりません。ささいなケンカがあったとき、仲のいいママ友となら「いいよいいよ」で済ませられることも、うまくいっていないママ友が相手だとコトを荒立てたり、より一層こじれたりする可能性もあります。

Photo by MARIA

同じママ友グループだからといって、ずっと一緒にいなくてはいけないということはありませんよね。相手に失礼のない理由を見つけて断って、他のママ友に気を使わせない程度に距離を置くことを考えましょう。もしどうしても距離を置かずに付き合わなくてはと思うならば、「怨憎会苦」として受け止めながら、苦しみの中でも大人としてうまく付き合っていくしかありません。

相手を好意的に受け止めてみる

苦手な人を好きになるのはとてもむずかしいことですよね。そこで、こんなふうに考えてみてはどうでしょうか? 「このママ友は、このグループが本当の仲間だと思っているのかもしれない」。

もしくは「相手のことを知らないと、子ども同士を安心して付き合わせることができないと考えているのかもしれない」。つまり、子どものために相談者さんのことを知りたいと思って聞いているかもしれないと考えてみるのです。

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もちろん、こんなにズケズケと質問されたらいい思いはしませんよね。でも、こういうことを躊躇なく質問できる人に、こちらが不快に思っていることをわかってもらうことは難しいかもしれません。それならば少し距離を置くのが賢明。距離の置き方を学ぶチャンスととらえましょう。

「おうむ返し」で質問をかわす

それでも相手が干渉してくるようなら、「おうむ返し」で質問を返すという手もあります。これは仏教用語で「反問記」といい、出された質問に対して相手に同じことを質問することによって相手の間違いを気づかせるという方法です。

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答えにくい質問や答えたくない質問には、「あなたはどうなの?」と同じ質問を相手に投げてみて。「どうしてそんなことをあなたに言わなくちゃいけないの」という反応が返ってきたら、「私もあまり言いたくないのよ」と済ませることができます。立場を逆転させることによって、相手がどう思うのかという感覚をさりげなく伝えることもできます。

初めてのママ友グループができるのは、幼稚園が多いですね。でも、ママ友グループも子どもの成長とともに変わっていくもの。今後、このグループ以外でいいママ友に出会えるはずだし、このグループの中で気が合う人と出会っているかもしれません。

自分に合うママ友を見つけながら、子育ての情報収集のためにもいい距離感を築ける人間関係を学んでいきましょう。

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