仕事ができる夫からバカにされたように感じる

酒井菜法
僧侶であり3人のお子さんを育てるお母さんでもある酒井菜法さん。一緒に悩みながら、人生を豊かに歩むヒントを探していきたいと、読者のみなさんからのお悩み相談を受け付けています。今回寄せられたご相談はこちらのお母さんからでした。

お悩み相談

私の夫は仕事が大好きです。夫が会社で活躍していることは、彼の友人から聞いています。私は家でもっと夫の仕事の話を聞きたいのに、「お前に話したってどうせわからないからヤダ」と言われてしまい、会社のことは教えてもらえません。仕事の話はしたくないのかと思い、世間話のつもりでママ友の話や子どもの幼稚園の話をすると「お前の話はなんでそうくだらない話ばかりなんだ」と言われました。正直、自分でも驚くほど傷つきました。今は専業主婦ですが、私だって出産前ははたらいていたので仕事のことはわかるつもりです。夫は、私が社会のこと知らないとバカにしているように感じます。夫の言うとおり、自分がとてもくだらない人間に思えて自信がなくなってきました。どうしたらいいでしょうか?
(Y・Hさん 32歳/3歳の男の子のママ)

このお悩みを聞いて、私も心が苦しくなってしまいました。どんな話でも夫に共感してもらえないのは悲しいですよね。だからといって私があなたのご主人を非難したら、それも悲しくなるでしょう。

Photo by MARIA

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私も以前は夫婦でいろんな話を共有して、ともに歩んでいくのが結婚生活だと思っていました。でも実際、結婚して子どもができると、夫婦の関係はどんどん変化していく。いつしか相手を思いやることを忘れて、「私を思いやってくれない」という不満ばかりが強くなっていきました。

でも、一緒に暮らす時間が長くなってくると、少しずつ“家庭を築いていく”ということの意味を自分の中で解釈できるようになりました。結婚したことによって違う自分を作っていかなくてはいけない、夫とも歩み寄っていかなければ……。だんだんと自分の気持ちを整理できるようになりました。そんなことを積み重ねながら、ようやく家族になっていくのだと実感しています。

妻にしかできない夫のサポートを

夫にとって家庭は仕事で疲れた自分をやさしく迎え入れてほしい場所。そこで「どうしたの?」とあれこれ聞くと、仕事の悩みや苦しみをもう一度持ち出すことになり、ご主人にとってはキツいのかもしれません。

まずは「きっと彼も仕事で苦しいんだろうな」と相手の気持ちに立ってみること。「お疲れさま」とねぎらい、夫が家庭で穏やかに過ごせるようにしてみましょう。「疲れただろうから今日は栄養のあるご飯にしたのよ」「先にお風呂に入れるように沸かしておいたよ」など、「私はあなたのことを応援している」ということが相手に伝われば、彼も気持ちがいいはずです。

Photo by MARIA

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この世代の男性は働き盛りで、とにかく仕事が大変。子育てはお気楽に見えてしまい、「俺はこんなに大変なのに」と妻に当たりたくなることもあるかもしれません。そんなときも「私はあなたが仕事を頑張れるように支えているよ」ということが夫に伝わっていれば、「俺も頑張ろう」と歩み寄れるはずです。

また、いい意味で“相手に期待しない”ことも大切。「夫は話を聞いてくれて当然」と期待するから、それに反することをされたり言われたりすると傷つくのです。自分に都合のいい期待をなくし、「彼なら言いかねないな」と予想できるようになれば、自分が傷つかないための防衛策にもなります。

良妻賢母を目指さない

私は“良妻賢母”という言葉を自分に当てはめようとして頑張っていましたが、それを捨てることにしました(笑)。そんなに賢くいい妻であろうとしなくても、家庭が円満ならそれでいい。良妻賢母を目指すから苦しいんだ……そう気づいたからです。

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夫のいない日中は子どもと一緒に存分に羽を伸ばし、ママ友と出掛けて情報交換をする。そして、疲れて帰ってきた夫を穏やかに迎え入れて支えてあげる。家族が毎日笑顔で帰って来られる家を作ること、それこそがいちばんの良妻賢母だと私は思います。

夫を変えるより自分の気持ちを変える

決して自分を「くだらない人間だ」なんて思わないでください。ママ友と遊ぶことにも後ろめたく思う必要はありません。子どもをほったらかして遊びほうけているわけではないのですから。子どもと一緒に楽しく過ごす時間はママにとって元気の源。それを夫が「遊んでいる」「くだらない」と言うなら、一日の出来事を逐一報告しないことです(笑)。

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家庭を築くって難しいですよね。夫に対する期待をやめるのは悲しいことですが、相手を変えようとするより自分の気持ちを変えるほうが簡単。自分の気持ちが変われば態度や言葉も変わり、少しずつ家の中の空気も変わります。まずは夫を笑顔で迎え入れる努力をしてみることが、家庭円満の秘訣だと思います。

『ハレタル』では酒井菜法さんへの悩み相談を受け付けています。
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