存在を否定する言葉は絶対に言ってはダメ

Photo by MARIA

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子育てしていたらイライラすることなんて山ほどある。そして、子どもは思い通りになんて絶対にならない。頭ではわかっていても、その時その時の感情で言ってはいけない言葉を言ってしまうこともあるかもしれない。

言葉は「言霊」となって自分に返ってくる。取り返しがつかない亀裂が生じたり、後悔してもしきれないことが起こるかもしれない。だから、出そうになった言葉を一度のみ込むことも大切。

中学生の私は勉強ができなかった。弟2人は、学年でもいつもトップクラスだった。元教師でやっぱり学年でいつもトップクラスだったらしい母親は、

「なんで、あんたはいつもそうなの」
「どうして、先生の言っていることがわからないの」

と私を責めた。そんなのわかっていたら苦労しない。ますます私は反抗的になった。

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勉強もせず、友達と遊び歩いた。結果、成績は、後ろから数えたほうが早い順位。ある日、勉強机の上に母からの置き手紙があった。

「あなたを産んで情けない」

今だから笑って言える。今から思えば、そんな子どもでもちゃんと授業料払って大学まで出してくれた親にはちゃんと愛情があったということだし、あの一言だって親心からの言葉だったのだろう。当時の母は、祖父母の世話に父親と子ども3人の世話。かなりイライラしていたのかもしれない。でも、その時の私のショックはかなりのものだった。反抗期に火をつけた。それ以来、親の言うことなんていっさい聞かない子どもになった。

褒められることの大切さ

結果、学生時代も好き勝手をして、吉本興業という会社に入社した。この会社は、“スーパー存在肯定”の会社だった。芸人さんたちは、めっちゃお調子者ばかり。

「君、かわいいなあ」
「薬師丸ひろ子が来たと思ったわ」
「ええプロデューサーになるで」
「きっと、ええ奥さんになるで」
「ほんま、かわいいなあ」

思っていなくても褒め言葉がポンポン出てくる。単純な私は、本当にその気になって、心から楽しんで仕事をする人間になった。それどころかありとあらゆる勉強を始めた。とにかく学んで、みんなの役に立ちたかった。そして、それなりの結果も出せた。褒められるということがどれだけ大切かということを実際に経験した。

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オリンピックのメダリストの親はみな「子どもを信じて、褒めてきたんです」と言うようだ。褒められると思うと厳しい練習も厳しくなくなる。しんどいこともしんどくなくなる。「もっと、褒められたい」と、練習が楽しくなるらしい。

存在は否定せず行動を怒る

もっとも、わかっているのに自分の子どもにはイライラしてきた。「なんで、そんなことするの」「なんで、そんなことわからないの」と、自分が親に言われた言葉と同じような言葉を投げた。逆にわが母は、過去のことなんて忘れたように孫に甘い。「そんなに怒らなくてもいいじゃない」「この子は、とってもかわいいわよ」と、孫を褒めまくっている(笑)。

それでも怒りたい時はいっぱい出てくる。それが人間。イライラすることは山ほど出てくる。ただし、その時に存在否定をするようなことを言ってはぜったいにダメ。

「あなたが生まれてくれて本当によかった」「でも、こんなことはしないでほしい」と、存在と行動を別にして怒るといい。もっとも、カーッときていると、つい感情で言葉を先に出してしまう。その時は、コーヒーでも飲んで落ち着いてから言葉にするように私も努力している。

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