いま踏み出す小さな一歩で未来は変わる

Photo by MARIA

Photo by MARIA

もし未来を変えたかったら、今の行動を変えるしかない。私自身も、小さな行動の積み重ねによって今の自分になった。特別な目標や目的があったわけじゃない。でも今、充実している。ありがたいことに大好きな仕事があって、大好きな仲間に囲まれて、ごきげんに生きている。自分がごきげんだからこそ、素直に人の幸せも喜べるし、人のためにできることはやろうと思える。

けれど、最初からそうだったわけじゃない。30代の私は焦っていた。友達の半分はバブルで浮かれているにもかかわらず、幼い子どもと2人でなかなか帰らない夫の帰りを待っていた。家でイライラしていた。

そんな自分が嫌で起業した。でも、そんなに簡単にうまく行くはずがない。飛び込み営業をしても誰も仕事をくれない。でもある日、開き直った。

Photo by MARIA

Photo by MARIA

「どうせ、誰も私に仕事をくれないなら、素直に勉強しよう」。そう思って飛び込み営業をして、素直にこう言った。「すみません。もしよかったら、社長が創業した時の話を数分でもいいから話してくれませんか。私、起業したばかりなんで学びたいんです」。

すると、話してくれる話してくれる。それどころか、「次は、いつ来る?」「今度、ご飯に行こうか」と、先方から誘ってくれるようになった。そして、私ができる仕事を回してくれるようになった。

1台のパソコンから

会社が軌道に乗った時に阪神淡路大震災を経験した。仕事の9割を失った。そのまま、落ち込んで終わってしまうのも嫌で、わらをもつかむ思いで1台のパソコンを購入した。何か新しい未来とつながるかもしれないと思った。

20年以上も前はまだパソコン通信の時代。インターネットをやっている人も電子メールをやっている人もほとんどいなかった。けれど、そのパソコン通信で知り合った官僚やシステムエンジニアや外資系金融に勤めるメンバーが、私のビジネスにいろんなアドバイスをくれるようになった。

そして、私は、研修や講師という世界を知ることになった。そのおかげで、今も講師や研修のお仕事をさせてもらっている。これらの仕事を通して、いろんな出会いやチャンスをもらうことにもなった。

また「自分が生きてきたことを残したい」という思いでひたすら、吉本興業ではたらいていた日々のことを書いてみた。それが1年後、出版社の目に止まって、『吉本興業女マネージャー奮戦記「そんなアホな!」』(扶桑社刊、現・リットー文庫刊)となって世の中に出て、この本を読んでくれた人たちによって、企業や団体に講師に呼ばれることになった。それによってまたまたたくさんの出会いとチャンスをもらった。

仕事は楽しくやっていたものの、家のことをしないでいたら、当然のことながら夫とぶつかることになった。それでも、なんとかやってきたものの、どうしても仕事をもっとやりたくなって、子どもが高校生になったのを機に愛情を友情に変えてもらった。お互い別の人生を歩むことを決めた。でもその結果、お互い新しいパートナーを見つけて、それなりに幸せにやっている。子どもたちも気づけばすっかり大人になって、自分の人生を歩んでいる。

ネガティブな自分と決別

でも、そんなふうに充実した人生を歩んでいたはずだったのに、2011年、仙台で仕事をしていた時に東日本大震災に遭遇した。なんとか無事戻ってきたものの、「自分が無事戻ることばかり考えていてよかったのだろうか」と、自己嫌悪に陥った。亡くなった人たちの情報を見るたびに、いろんなことがむなしくなった。

「私、なんで生きているのだろう」
「私、いつ死ぬのだろう」

そんなことばかり考える自分と決別したくて、環境を変える決意をした。

Photo by MARIA

Photo by MARIA

そして、50歳にして、法政大学の大学院に入学。女子大生になった(笑)。22歳から70歳の人たちと一緒に学んで、いろんな友達ができた。教授からいろんなことを教えてもらった。学ぶこと、知る人、みんなとても新鮮だった。昨年、無事に修了。大学院で学んだことをいかして、地域活性や地域の人材育成の仕事もさせてもらっている。

「苦労=不幸」じゃない

私はここで自分の自慢をしたいわけじゃない。今すぐに結果が出なくても一歩踏み出すってムダじゃないんだよということを伝えたい。もしあの時、一歩踏み出していなかったら、今の私はいない。文句だけ言っていても何も変わらなかった。

一歩踏み出したために苦労したことだってたくさんあった。でも、今だから言える。「苦労=不幸」じゃなかった。苦労したけれど、楽しいこともいっぱいあった。知らなかった世界をいっぱい見ることができた。出会えない人といっぱい出会った。

Photo by MARIA

Photo by MARIA

それは、とっても小さな一歩だった。ちょっとだけ好奇心を持って動いた結果、いろんな世界が広がった。今のままでいいのなら、それも悪くない。だけど、もし変えたい未来があるなら、ちょっとだけ一歩を踏み出してみるのも悪くない。そんなことを伝えたくて、この原稿を書かせてもらった。

  • この記事をシェア
トップへ戻る