香りを楽しむだけじゃない、アロマの「力」

Photo by naoko tada

最近はアロマ専門店だけでなく、インテリア雑貨のお店、オーガニックスーパーなどでもアロマグッズをよく見掛かけるようになった。アロマオイルを買ったことがあるという人は多いかもしれない。

アロマのよさがたくさんの人々に伝わっていることは、アロマセラピストとして活動している私にとって、とてもうれしいこと。でも実は、アロマについて最も大切な、そしてシンプルなことが伝わっていないのではと感じることもしばしば。

アロマとはただ「いい香り」をかいで楽しむだけではなく、香りを生活に取り入れて初めてその効果を実感できるもの。そこまで「実践」している人は少ないように思う。そもそも、「アロマセラピー」というのは、この地球に私たちとともに生きる植物の持つ力を使い、人間の自然治癒力を引き出して、心や体の健康などに役立てる自然療法の一つ。

Photo by Tomoko Saito

このコラムでは、アロマが持つ力をみなさんが気軽に、そしてセンスよく毎日の暮らしに取り入れられるよう、さまざまなヒントをお伝えしていきたい。

劇的な変化はないけれど

実は、何を隠そう私自身も、アロマスクールで学び資格を取ったものの、しばらくはあまり活用できていなかったという一人。実際に生活に取り入れるようになったのは、子どもが生まれてからのこと。

子育てに追われていたある日のこと。「そういえばアロマって抗菌作用もあるって聞いたなあ」と、何げなく子どもの寝室や玄関周りに「ティートゥリー」や「レモン」のオイルを数滴垂らしたティッシュを置いてみた。

その日から劇的な変化が起こったわけではない。でも、それ以来子どもたちを含めた私たち家族は、ちょっと体調を崩してもすぐに軽快するようになったような気がしている。なんとなくカゼっぽい症状が出ても熱が出るまで悪化することはめったにない。

ティートゥリーの芳香成分には、強い抗菌作用がある。そして、絞りたてのような爽快感があって気持ちをリフレッシュしてくれるレモンの香りにもやはり抗菌作用があるとされている。

Photo by Tomoko Saito

こんなふうに毎日の暮らしの中で「小さな実践」をしていくうちに、私は生活の中のいろいろな場面でアロマを使うようになった。その後、医師や理学博士などとの出会いを通してさらに深くアロマを学び、今では、母として家庭での暮らしに取り入れるだけでなく、アロマ調香デザイナーとして、企業やイベントの香り作りや空間演出なども行っている。

合成香料にはない力

私たちがかぐことができる植物の「香り」は、数百種類のさまざまな成分が複雑に絡み合って作られている。こうした芳香成分はそれぞれ、鎮静作用、血流改善、ホルモンバランスの調整などといった作用を持っているが、それが組み合わさることで相乗効果が生まれたり、強めの作用を緩和してくれたりする。

店などで売られているアロマグッズの中には、合成香料を使ったものも多くあるけれど、アロマセラピーという目的から考えると、天然の精油にはかなわない。合成香料は天然の香りに似せて作られてはいるものの、天然の香りに含まれる数百もの成分すべてを再現しているわけではないからだ。

Photo by naoko tada

合成香料だからダメというわけでは決してない。でも大切なのは、自分でかぎ分け、そして使い分けること。私自身は、アロマセラピーという目的であればやはり天然にこだわりたいと思っている。日頃私が使っている精油は英国製で、オーガニック認証機関の基準をクリアしているもの。生産者までたどることもでき、香りの面でも品質の面でも信頼のおけるブランドのものだ。

次回からは具体的な香りのレシピなどについても紹介していきたい。このコラムを読んでくださった方が、日々の暮らしの中にアロマを取り入れ「実践」し、その効果を実感してくださるといいなと思っている。

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