自分の「本心」に向き合ってますか

Photo by MARIA

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世の中のお母さんたちと同じく、夕方の私はとても忙しい。夕食が遅くなるとその後の予定もどんどん遅れるから、準備は早く済ませてしまいたい。だから夕方はキッチンに立って、料理に集中する。

そんなときでも、長女のゆとりと二女の真心(まこ)は「あれをやって」「これをしてほしい」と寄ってくる。「とりあえず」と相手をしてしまうと、家事がなかなか進まない。子どもたちにはイライラした態度を取ってしまうし、夕食の時間も遅くなる。結局、誰にとってもいいことがない。

本当は子どもたちを嫌な気分にさせたいわけじゃないし、自分もイライラしたくない。でもそれらを両立させるのは難しい……。こんなとき私は、自分の「本心」に向き合うようにしている。

本当はどう感じている?

イライラせずに子どもの言うことを聞いてあげたいから、私はまず自分自身に手を差しのべる。自分に余裕がなかったら、相手を思いやる気持ちがなくなってしまう。そして自分がどう感じているかを自覚して受け止めることが、その第一歩になる。

「ゆとりや真心の相手をしたいけど、そのために手を止めると準備が進まなくて困る」――。こういう自分の感情に向き合ったら、こんな本心が見つかった。「準備を中断する」と単に「遅くなってイライラ」するのではなくて、その間に「困っている」と感じている私がいたのだ。

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どんなに大変な思いをしていても、自分が困っていることすらわかっていなかったり、意識できていなかったりすることも。「母親として子どものすることにイヤと感じてはいけないのでは……」という気持ちもある。

でも、感情は自然に湧き上がってくるもの。だから自分が「困っている」ことに気づいていないと、ただイライラするばかりで何も解決できない。感情をコントロールするのは難しいから、それを認めて受け入れたほうがうまくいくんじゃないかと思う。母親だって「困っている」と思っていい。いや、思ったほうがいいのだ。

優先順位を決める

自分が困っていることが受け止められたら、子どもと私、どっちのほうが困っているのかを比べてみる。

私は夕食が遅くなってしまうことに悩んでいる。それに対して、子どもたちのお願いごとが「お絵書き帳を探して~」「ジュースが飲みたい!」なんて後でもいいことだったら、そのまま夕食の準備を続けてもいい。

でももし、ゆとりや真心ももっと切羽詰まったことで困っているなら、先にそれに応えてあげたほうがいい。

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お互いの「困っている」レベルを比べると、そのとき誰を優先したらいいのかわかって納得できる。だから、自分のやっていることを優先しても後ろめたい気持ちにならずにすむし、先に子どもに応えてあげるときもイライラしない。

判断は相手に委ねる

「私はいま困っている」と受け止められたら、今度はそれをきちんと相手に伝えることもとても大切。「ママは今ごはんを作っているから、途中でやめると出来上がるのが遅くなって困るんだ」と言葉にする。

でも自分が困っていることを伝えるのは、決して相手を動かして解決するためじゃない。たとえどんなに困っていても、相手を思い通りにしようとすればイヤな気分にさせるし、不思議と子どもには「言うことを聞かせようとしている!」と見抜かれてしまう。それに子どもたちをコントロールしようとしているようで、私自身もイヤな気分になる。

自分の本心を言葉にするのは、それが自分に手を差し伸べることになるから。自分の感じていることを受け止めるのが第一歩、それを言葉にして表現すれば、さらに自分自身を助けることになる。

だから、伝えた後で相手がどんな態度や行動に出るのかなんてどうでもいい。「ママは困っている」と伝えた後、ゆとりや真心がこちらの家事が終わるまで待っていてくれるならそれはそれでいいし、それでも「今すぐやってほしい!」と言うなら、私よりも困っているんだと思うだけ。

こんなことがあった。子どもたちと枝豆を食べていたら、真心が豆をさやから飛び出させてあちこちにばらまいた。一つひとつ拾うのは結構大変で、「やめなさい!」としかりつけそうになった。でもそれをぐっと抑えて、代わりに「ママは豆を拾うのが大変だから、やめてほしいの」と言葉で伝えた。そうしたら真心は自分で豆を拾ってくれた。

イライラして頭ごなしにやめさせるだけだったら、真心は素直に聞いてくれなかったかもしれない。でもきちんと言葉にしたら、自分から動いた。片付けさせるために伝えたわけじゃなかったけれど、真心は自分で考えてそうしてくれた。

自分の本心を伝えるのは、表現すること自体に意味があるから。その後どうするか、その判断を相手に委ねるのも大切なんだと思う。

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