40代の脳は伸び盛り! 新しいことに挑戦を

Photo by MARIA

Photo by MARIA

新しいことを始めるのは楽しみであると同時に不安も伴うもの。そして年齢を重ねるほど、その不安は大きくなり、なかなか第一歩を踏み出せないという人は多い。

でも大丈夫。脳の神経ネットワークを研究する早稲田大学研究戦略センター教授の枝川義邦さんからこんなうれしい一言があった。

「知能の観点から言えば、40代は伸び盛り! ぜひいろいろなことにチャレンジしていただきたい」

40代は、これまでに蓄積した経験を基に物事を見分けられるため、判断力にすぐれており、人や情報をまとめる役割に就くと力を発揮することが多いのだという。この世代を「働き盛り」というのは脳との関係から言っても妥当なようだ。

経験がモノを言う

知能には大きく分けて2種類ある。一つ目は、新しいことを覚える、計算を早くするなどの「流動性知能」。頭の回転の速さやIQ値などはこの知能のことを指す。学生時代に誰もが経験したであろうあの歴史の年号を覚える力も「流動性知能」に該当する。しかし、この知能は残念ながら30代ごろをピークに衰え始めるといわれている。

「若い頃、徹夜して詰め込めばなんとかなったというのは流動性知能の力。詰め込み式が効かなくなるのはこの力が衰えるため。30代以降はもう一つの知能を有効に使うことが大切です」(枝川さん)

Photo by MARIA

Photo by MARIA

枝川さんの言う「もう一つの知能」とは「結晶性知能」。この知能は、学位取得などを通して専門的に学んだ知識や、若いときの経験などから備わったもので、料理や洗濯の知恵などもこちらの知能にあたる。

この「結晶性知能」は過去の経験が基となるため、衰えることが少ないのが特徴。経験値を武器に、仕事や社会貢献など気持ちさえあればいくらでも挑戦できる力は残っている。

謙虚さは気力を奪う

とはいえ、新しい世界に一歩を踏み出すのはそう簡単なことではない。新たにはたらき始める、ボランティアチームのメンバーに加わる、興味のあった習い事を始める、起業する……。気持ちのハードルは確かに高い。「私にはたしてできるだろうか?」と自分で自分にブレーキをかけてしまうこともしばしば。

でも「こうしたブレーキがかかっていては、いざやりたいことに巡り合ったときに十分に力を発揮できない」と枝川さん。「このタイプの人は『セルフ・エフィカシー』が低い状態だと言えます」。

「セルフ・エフィカシー(自己効力感)」とは、心理学者のアルバート・バンデューラが提唱したもの。「私はできる!」と自分で思えることを指す。他人から見てどうかは関係なく、主観的認知として見るのが特徴だ。

セルフ・エフィカシーが高い人は何ごとにもやる気が起こりやすく、凹みにくいといわれている。逆に、セルフ・エフィカシーが低い人は何に対しても「私にはできない」と思い込み、小さな失敗にもすぐ落ち込んでしまう。

では、セルフ・エフィカシーを高めるにはどうしたらいいのか。

「やる気」と「ソノ気」が大事

まず一つの方法は、小さな成功体験を積み重ねること。たとえば、興味のある分野の学びに取り組むこともいいだろう。テキストを一冊やり遂げるなど、簡単な目標を設けて達成する。簿記や英検などの検定にチャレンジするのもいいかもしれない。

ただし、「これなら達成できる」ということから挑戦してみるのが大切だ。目標達成の成功体験を繰り返すことで、神経伝達物質の一つ「ドーパミン」が増え、セルフ・エフィカシーが高められる。この好循環が次の「やる気」につながるのだという。

Photo by MARIA

Photo by MARIA

成功体験は「代理体験」でも構わない。自分と同じような境遇で成功している人の体験を見聞きすることで「私にもできるかも! 」という感情が育つ。

これを枝川さんは「ソノ気」と呼ぶ。身近にロールモデルを見つけて話を聞くのもよいし、テレビ番組や雑誌などの記事を通して「代理体験」するのもよいそうなのでぜひ『ハレタル』も参考に。

新しいことを始めるにはエネルギーがいる。日頃からセルフ・エフィカシーを高めることを少し意識するだけで、明日の自分は変えられるかもしれない。

  • この記事をシェア
トップへ戻る