オトナ女子たちよ、足を閉じよ!

電車の中を見渡すとよくわかるが、座っている人のほとんどが足を開いている。ひざを開いて前かがみでスマホに向かう人、足元に荷物や傘を挟んでいる人――。

首都圏の在来線で何度も観察してみたが、やはり9割近い確率で乗客は足を開いている。大人の女性として、これってちょっと恥ずかしいことかもしれない。

大腿筋が衰えている

電車だけではない。懇談会、入学式、会議……。さまざまなシーンで観察してみたが、ほとんどの人が少し足を開いて座っている。

「足を閉じて座らないのは大腿筋が衰えている証拠ですよ」と語るのは、ウォーキングスタイリストで「ウォーキングスタジオ・レイ」を主宰する永井レイ先生(69)。

永井先生はディオ-ルやサンローランなど、世界のトップブランドのショーで20年以上モデルを務めた経歴を持つ。そんな永井先生が最近感じているのは、女性たちの“美意識の低下”だ。それも足を開いてしまう原因になっているのだとか。

「最近の女性たちは誰かに見られているという意識が低い。すっぴんでもマスクをしていればいいと思っている人も多い。だから足元も緩むんです。どうしてそんなに早くおばさんになりたいの?と思ってしまいます。足を開いて座ると見た目も老けるし、ヒップも下がりますよ」と永井先生からドキっとするお言葉。

Photo by MARIA

ガウチョやスカーチョといったトレンドも、足元の油断を助長している。「ファッションが昔よりラフになってきたのも一因。ナチュラル志向の服を着ると『ありのままの私の座り方でいいや』ってなってしまうのでは」(永井先生)と分析する。

美しさ2割増

降車駅まで足をそろえる。このほんのちょっとした積み重ねが、美しく年を重ねるコツになる。そこで、美しく座るポイントを永井先生に教えてもらった。

・つま先、かかと、ひざをそろえる(離れるとももが緩む)
・深く椅子に沿って座る
・胸の位置を高く意識する

最低限これらを守るだけで、“見た目の太さ”と“老け感”がずいぶん違ってくるという。試しにひざを閉じた時と開いたときのももの太さを見比べてもらいたい。その差に驚くかもしれない。

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足をそろえるだけで2割は美しさが増す。気品も増し、ファストファッションの安い服も高そうに見えてくるから不思議だ。

スマホと傘の持ち方

電車内では注意したいことがいくつかある。まず、スマホを操作するときは前かがみにならないこと。片手でひじを支え、目線の高さまで持って来てあごを上げるとぐんとステキに見える。

ここで注意したいのが傘。今の季節は日傘を持ち歩くことも多いが、杖のように体重をかけたり、ひざの間に挟むのは避けたいところ。

永井先生のアドバイスによると、傘を持って座席に腰掛ける場合、つま先を左右どちらかに少し寄せ、空いたスペースに傘をそっと添える。隣の乗客のエリアに入らないよう注意することがポイントだという。さらに柄の直線部分を指先で持つとオトナ女子力がUPする。

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ポッコリお腹も改善

「足を閉じる=ももが鍛えられる」ということはわかったが、健康面ではどのようなメリットがあるのか。健康科学の観点からも考察しておこう。

お話を伺ったのは健康科学大学(山梨県南都留郡)の講師で体育科学博士の升佑二郎先生。理学療法士を育成する分野で活躍する、筋肉のエキスパートだ。

升先生によると大腿筋を意識して鍛えると、正のスパイラルを生むという。足を閉じて座る→大腿筋が引き締まる→骨盤が引き締まる→ぽっこりお腹がへこんでくる→お尻が引き締まる→基礎代謝が上がる、といった具合に連動する。

逆に言うと、このまま足元を緩めた生活を送ってももの筋肉が弱くなると、骨盤が前傾しやすくなり、猫背になってポッコリお腹になりやすくなるという。腹筋が弱まって息切れしやすくなったり疲れやすくなったりもするらしい。冷え性やむくみも筋力の衰えが大きく影響している。

足を閉じれば「一石三鳥」

「そう言われてみれば、思い当たる節がある!」という読者も少なくないかもしれない。また、脳と筋力は密接な関係にあって、筋肉を鍛えることで基礎代謝が上がり、脳も活性化する。大殿筋(お尻)+大腿筋(太もも)は体の中でいちばん大きな筋肉なので、ここを鍛えることで全身の代謝が上がり、とても重要な意味を持つそうだ。

子育てをしていると、動きやすい服装をチョイスするのでつい足を開いて座ってしまいがち。でも、その気の緩みがいつの間にか女子力を低下させている。

足を閉じることで、女子力UP、筋力UP、脳力UPと「一石三鳥」。「あの人、あのあの……名前が出て来ない」といった最近気になる脳の衰えも、少しはましになるかもしれない。

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