女性ホルモンと頭痛の意外な関係

Photo by MARIA

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頭痛持ちの私は、妊娠が発覚したとき「どうしよう。頭が痛くなっても薬が飲めない」とかなり心配していた。しかし、そんな心配をよそに、妊娠中の頭痛発生回数はゼロ。「つわりがひどすぎ&長すぎて気づかなかっただけ?」と思ったけれど、産後も半年以上、薬いらずで「頭痛が治った!出産で体質改善した!」と小躍りするほど喜んだ。そして、産後8ヶ月で爆発的な痛みに襲われ、頭痛持ちに逆戻り……。

毎日200〜300人を頭痛外来で診察する脳神経外科医の清水俊彦さんにこの話をしたところ「その通りです」と言われた。「片頭痛は女性ホルモンの一つ、『エストロゲン(卵胞ホルモン)』に大きく影響を受けている。妊娠すると女性ホルモンの変動がなくなるため、頭痛もほとんどなくなります」。私の妊娠中、産後の状況にピタリと合致した。

月経のときに出る片頭痛

実際、清水さんのところにやってくる頭痛患者の8割以上は女性で、20代から40代がほとんど。思春期はまだ性周期が安定していないので、わかりやすい片頭痛の症状は出ていない人も多い。そして、更年期になって女性ホルモンが減少すると、典型的な痛みはなくなっていく。

月経や排卵日の前後は、エストロゲンの分泌が急激に変動して、頭痛が起こりやすくなる。生理中に頭が痛くなるのは生理痛ではなくて片頭痛。れっきとした「月経関連片頭痛」という呼び名まである。片頭痛と女性ホルモンのリズムとは、それほど密接に結びついている。

片頭痛の主な特徴は、

・ずきんずきんと脈打つように痛む

・体を動かしたり頭を振ると「ガーン」と痛みが増す

・片側のこめかみが痛むことが多いが両側が痛むこともある

・光や音、においに敏感になる

・吐き気や嘔吐、下痢を伴うことがある

といったもの。日常生活に支障をきたすことも少なくない。

妊娠中、産後はどうすれば?

この片頭痛と付き合うためには、我慢せずに上手に薬を飲むこと。ただ、妊娠や出産を考えているなら、「薬を飲んでいたら、胎児の発育に影響するのでは?」と心配にもなるだろう。

片頭痛の痛みと脳の興奮を抑える薬に、「トリプタン製剤」がある。痛みと脳の興奮を抑える薬として、片頭痛がひどい人に病院で処方される薬。

Photo by Fumishige Ogata

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「トリプタン製剤だけで頭痛が抑えられるようになっていれば、妊娠に気づくまでのごく初期に薬を服用していても問題ありません。着床後は女性ホルモンの変動がなくなるので、頭痛がなくなり、薬を飲む必要もなくなります」(清水さん)。

産後はホルモン環境の激変と睡眠不足で、片頭痛が悪化することもあるから注意が必要だ。「授乳中で頭痛が我慢できなければ、母乳とミルクの混合にすることを考えてみては。片頭痛の治療薬であるトリプタン製剤は、服用後24時間は授乳できないので、ミルクで代用する必要があります」(清水さん)。

片頭痛=才女?

清水さん曰く「片頭痛を起こしやすい人は、脳の働きが活発で、頭の回転がよい人」。頭痛女子には才女が多い、というのが清水さんの持論なのだそう。

片頭痛持ちの人は、外界からのちょっとした変化や刺激も見逃さないため、優れたひらめきをすることが多い。天気の悪い日や季節の変わりめに頭痛を起こすのも、外界からの刺激を敏感に察知してしまうのが原因なのだそう。

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個人差はあるけれど、生理のあと10〜14日後、数日にわたって頭痛が発症したら、排卵日である可能性が大きい。妊娠を考えている人は基礎体温の計測値と合わせると、排卵日をより正確に知ることができそう。

当たっているかどうかは別にして、片頭痛もまんざら悪いことばかりではなさそうだ。

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