ビタミンDと日光浴で卵巣がよみがえる

Photo by MARIA

Photo by MARIA

女性ホルモンを分泌する卵巣が、女性のきれいの源になっているということを、「30代から始める、卵巣のアンチエイジング」「いつ産む? 卵巣年齢から考える“産みどき”」で書いてきた。

自分では、老化に気づきにくい卵巣だけれど、いったん老化してしまってもあきらめなくていいらしい。なんと、「ビタミンD」が卵巣をよみがえらせてくれるのだという。

妊娠とビタミンDの関係

妊娠できるような健康な体なら、卵巣のはたらきも良いことが多い。妊娠しづらくて産婦人科に通っている不妊治療の患者さんの例から、卵巣のアンチエイジングについて考えてみたい。

女性健康科学者の本田由佳さんによると、不妊治療をしている人の9割もが「ビタミンD欠乏症」だった。30代の一般女性のビタミンD欠乏症の割合が29.5%と全体の約3割だったのに対し、不妊治療をしている人の場合は87.0%。これは、驚きの差と言ってよさそう。

本田さんの研究によると、血中のビタミンD濃度が高い人 は、低い人に比べて体外受精が成功しやすいという。また他の研究では妊娠前にビタミンDを十分摂ることで、流産しにくくなるという報告もあるそう。

Photo by MARIA

Photo by MARIA

妊娠率などに影響する一つの栄養素・ビタミンDは、卵巣年齢とも大きくかかわっている。

「30歳以上の女性で血中のビタミンD濃度が上がることで卵巣年齢が若くなる人も中にはいる」(本田さん)というから、年齢が上がっていっても、ビタミンDは卵巣のアンチエイジングにしっかりと役立つ可能性があるわけだ。

それに、不妊治療をしているビタミンD欠乏症の人が毎日一定量(1000IU/日)のビタミンDのサプリメントを欠かさず摂ったら、4か月でほとんどの人が欠乏症ではなくなった。2人目を妊娠しづらくなっているかも、と感じていたら、今からビタミンDを摂りはじめても遅くない。

バランスのよい 「地球食」

とはいえ、ビタミンDが足りていない人はもともとの食生活や生活習慣に問題があることがほとんど。毎日サプリメントを摂り続けるか、食生活を改善しないかぎり、一回改善してもまたビタミンDが足りなくなる。では一体、何を食べればいいのだろうか。

本田さんがバランスのよい食事としてすすめるのは「地球食」。

地球上にある「海」「山」「大地」の恵みを一度の食事でそろえるのが、地球食。魚や海藻といった「海」のもの、キノコや山菜といった「山」のもの、肉や野菜、卵など「大地」で育ったものが食卓に並べば、ビタミンDは十分に摂れるはず。

Photo by MARIA

Photo by MARIA

「ビタミンDが多く含まれる食材は、キノコ、魚、卵、肉。これらは野菜やほかの食材と組み合わせることが多いので、ビタミンDが摂取できている人は、食事のバランスが取れている人が多いんです」と本田さん。

地球食は、たとえばみそ汁で簡単に取り入れられる。「冷蔵庫にあるものをなんでも入れて作ってしまえばいいんです。みそはタンパク質で、発酵食品なので腸を元気にしてくれます。さらに、”幸せホルモン”と呼ばれる人間の感情のバランスを保つセロトニンを増やしてくれるので、セロトニン分泌を促進するビタミンDとの相性もいい。つまり、体にも心にもいいんです」(本田さん)。

魚もグリルで焼くと洗うのが大変だけれど、クッキングシートとアルミホイルで包んで、トースターで焼けば後片付けが楽になる。

太陽とよき友に

ビタミンDは食べ物からだけはなく、日光浴からも摂ることができる。人間は体内で紫外線から活性型ビタミンDを合成することができるのだという。

目安は、1日に15~30分、日光を浴びること。ただ、日照時間は緯度と季節による差が大きいので注意が必要。

たとえば、体内で必要なビタミンDを生成するのに必要な時間は、7月の15時なら札幌(北海道)で13.3分、つくば(茨城県)で10.1分、那覇(沖縄県)で5.3分。それが12月の15時になると、札幌で2741.7分、つくばで271.3分、那覇で17.0分と大きく変動する(国立環境研究所・東京家政大調べ)。

Photo by MARIA

Photo by MARIA

日光浴どころか、紫外線は女性にとっての敵というイメージが強いので、子どもと一緒に外を歩くときにはしっかりUVカットすることが多いのでは。最近では窓もUVカットになっていて、ほとんど日光を浴びることはない。

UVケアが悪いわけではないけれど「太陽とよき友になる」という考え方を持つことも必要。「日光に当てるのは手のひらでもどこでもいい」と本田さんは言う。それでも難しい人は毎日の食事でビタミンDをしっかりと取り入れたり、サプリメントを摂ればいい。まずは自分にできることから始めて、体の中のビタミンD濃度を高めてみては。

  • この記事をシェア
トップへ戻る