子育てしながら活躍する姉にモヤモヤが募る


僧侶であり3人のお子さんを育てるお母さんでもある酒井菜法さん。一緒に悩みながら、人生を豊かに歩むヒントを探していきたいと、読者のみなさんからのお悩み相談を受け付けています。今回寄せられたご相談はこちらのお母さんからでした。

お悩み相談

2歳の子どもがいます。育児は大変なこともありますが、子どもはかわいいし私なりに楽しんでやっているつもりです。でも一方で、子育てしながらバリバリはたらいている姉を見ていると「ずるいな」と思ってしまいます。姉は会社で大きなプロジェクトを任されていて、先日も表彰されたそうですが、そんな話を聞いても素直に喜べない自分がいます。私が以前はたらいていた会社は激務で、子育てしながら仕事を続けることなんてできませんでした。姉の会社は子育てとの両立支援も充実していて、だからこそ仕事を続けられているんだと思います。子育てに専念できる分だけ、姉の子どもたちよりも手をかけてあげたいと思っているし、そんな生活に満足もしているのですが、どうしてもモヤモヤしてしまいます。この気持ちをどうしたらいいでしょうか?
(K・Mさん 28歳/2歳の女の子の母)

私たちは育児だけでなく、仕事でもなんでも誰かと比較して自分を見てしまうものです。つねに誰かを意識しながら生活している。それが、人間は一人では生きていないということの証しでもあります。その中で自分が成長できるか、成長せずに自分をネガティブにとらえたまま生きていくかは、心の持ちよう次第。相手に何かを求めるのではなく、自分の中の苦しみとどう戦っていくかでしか解決できません。

相手をねぎらう気持ちを持ってみる

この相手がもし姉ではなく親しい友だちだとしても、同じように「ずるいな」と思いますよね。その人の裏側まで知っているからこそ、「なぜ彼女ばかり」「私とあまり変わらないのに」と。これが遠い存在の人なら気にならないはずです。遠い人には“あこがれ”で終わるのに、近しい人の場合はなぜか“ねたみ”に変わってしまう。

Photo by MARIA

Photo by MARIA

私も同じような体験があります。私はそんなときは、自分の気持ちをわざと「相手をねぎらう」ように向けました。華やかなところばかりが目につくものだけれど、きっと姉も大変な中で育児をしているはずだし、今に至るまでには苦労もあったはず。その苦労を妹にも誰にも打ち明けられずに過ごしてきたのかもしれない……。

そして、相手を少し褒めてみます。「よく頑張っているよね」「何かあったら私に相談して」、そんなひと言を自分の心の中でつぶやくことから。相手に会ったときにそうした言葉を出せるようになれば、自分が惨めではなくなり、気持ちがずっとラクになります。

「うらやましい」をねたみに変えないこと

「いいな」とうらやましく思うことは当たり前の感情。自分の中にそういう感情があるということに劣等感さえ持たなければ、持っていてもいい感情です。「素敵だな」とあこがれて、「私もそうなりたい」「じゃあ私にできることは何だろう」と励みにすればいいのです。あこがれをねたみに変えて「どうせ私は」とひがんで生きていくのはもったいないこと。せっかく子どもを授かり、今しかない貴重な時間を過ごしているのに、ねたんでばかりでは子どもにもきちんと向き合えませんよね。

Photo by MARIA

Photo by MARIA

今、育児を一生懸命に頑張ることは、必ず自分の糧になります。誰かと比べ続けて、結果その時間が無駄になっていくよりは、「今、子どものために何ができるか」を考えながら子どもとの時間を有意義に過ごすほうが、自分のやりたいことや自分にこそできるものが見えてくるはずです。

瞑想で呼吸を整えて心穏やかに

もし、どうしても負の感情から抜け出せないときは、瞑想してみてください。お風呂に入っているときでも、おっぱいをあげているときでも、電車で吊り革につかまっているときでもOK。“今”この瞬間に集中して呼吸をします。瞑想して呼吸を落ち着かせ、自分の気持ちに向き合う時間を重ねていくのです。そうすると不安や悩みを客観的に見ることができるようになり、心が少し穏やかになります。

Photo by MARIA

Photo by MARIA

いつもイライラしていると呼吸は乱れ、脈も上がります。瞑想で呼吸が落ち着いてくると脈も落ち着き、誰から見ても穏やかな雰囲気に。ママの穏やかな雰囲気は子どもにも伝わり、子どもの心も穏やかになります。
人の幸せを願える心を作れるのは自分自身。人の幸せを願えるからこそ、自分も幸せだと感じられるようになるのです。

『ハレタル』では酒井菜法さんへの悩み相談を受け付けています。
応募フォームはこちらから。
  • この記事をシェア
トップへ戻る