在宅でも自分の居場所を見つけられる仕事

Photo by MARIA

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主婦が在宅ワークで支えているビジネスは世の中にたくさんある。自治体が公示した入札案件に全国の企業が参加できたり、街の空き家が一軒減ったりするのは、主婦のおかげかもしれない。

「シュフティ」は在宅でできる仕事を紹介するクラウドソーシングサイト。空き時間にはたらきたい主婦と、主婦に仕事をお願いしたい企業とをマッチングしている。ウェブデザインなどの特別なスキルを持っていなくても始められる仕事が多く、およそ30万人の会員のうち20~30代の女性が7割を占める。

人の目で確認する

主婦の力が必要とされるビジネスはこのところ増えている。自治体の入札情報速報サービス「NJSS(エヌジェス)」もその一つ。福岡市に住む山下笑子さん(38)は5~10歳の3人の子どもを育てながら、在宅でNJSSの仕事をしている。

NJSSは、自治体や公的機関など6500近くのウェブサイトの入札情報をまとめて提供するサービス。おにぎりやコピー用紙からソフトウエア、大規模な改修工事まで、自治体のウェブサイトでは日々さまざまな入札情報が公示される。自社の商品や得意なサービスに合う入札がいつどこで公示されるかはわからないうえ、日々チェックするには量が多すぎる。

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そこで山下さんのような在宅ワーカーが週に数回、担当する自治体のウェブサイトをチェックしNJSSにまとめて掲載している。案件によっては、公示から入札の締め切りまで数日しかないこともある。だから、運営側に定められた時間内に次のチェックを行うというのがNJSSのルールだ。

ソフトが自動で入札情報を拾い上げるサービスも他社にはあるけれど、内容が複雑なだけにどうしても精度が落ちる。NJSSは人の目で見て手動で入力するから正確な情報を提供できるのだという。

担当制だから責任も

15の自治体を担当している山下さんは、月、水、金の午後3時以降をNJSSの仕事に充てている。繁忙期には2日分で100件近くの入札情報を集めることもあり、子どもたちの夕飯とお風呂を挟んで午後11時近くまではたらくそうだ。「ふたを開けてみると数千万円単位で落札される案件もあり、気が引き締まります」(山下さん)。

山下さんはシュフティを通じていくつかの仕事を請け負っているが、やはり担当制であるNJSSへの思い入れは強い。最初は小さな自治体だけを担当していたが、運営側から評価され、今では大型の自治体を2つも受け持つようになった。

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もともと「幼稚園の月謝分を稼げれば」という気持ちで始めたという山下さん。最初の月収は7000円だった。それでも「自由に使えるお給料が自分の力で得られて本当にうれしかった」という。いまや「NJSSは生活の一部」(山下さん)。入札の多かった12月は、NJSS以外の仕事も含めて12万円近く稼いだ。

シュフティに登録するワーカーには山下さんのように“バリバリはたらく”人もいるし、子どもが小さいから月に2万~3万円ほど得られれば十分という人もいる。

野菜売り場を直す仕事

特別なスキルを持っていないかぎり、最初のうちは仕事の単価は低くなる。でも経験を積むごとに企業からの評価が蓄積されていく。高い評価を持つワーカーには“指名”で仕事が来ることもあり、自然と給料が高くなる。シュフティを運営するうるるの社長、星知也さんは「時給に直して1000~2000円くらいになる仕事をたくさん紹介したい」と話す。

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シュフティでは在宅ワークに加え、「外出ワーク」の案件も増えている。

たとえばスーパーの産直野菜の特設コーナーを1日に2~3回チェックしに行き、陳列を直したり商品を補充したりする仕事。特設コーナーに出展している企業は人件費を減らせるし、主婦は買い物や散歩のついでにはたらける。駐車場にゴミが落ちていないかのチェックや、指定された地域の空き家を見つける仕事もある。主婦の眠れる力を借りたい企業は、これからもっと増えそうだ。

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