子連れでできる、親子カフェのイベント企画の仕事

Photo by MARIA

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昨今増えてきた親子カフェは、子どもを遊ばせながら食事をとることができる。オムツ替えや授乳の設備も整っているので、赤ちゃんを連れて出掛けられる場所としても人気だ。

今年6月、多摩センター駅(東京都)から歩いて5分ほどの場所にも、「WithCo(ウィズコ)」という親子カフェができた。

オープンして間もないが、ベビーマッサージや親子ヨガ、おひるねアート撮影会などさまざまなイベントを開催し、地元に根付き始めている。

面白いのは、WithCoが親子の「憩いの場」であると同時に、お母さんの「はたらく場」としても機能し始めているところだ。

お母さん視点でイベント作り

オープン当初、WithCoはボランティアのお母さんたちによって運営されていた。間もなく運営元のジェネレーションから求人募集があり、今は時給950円で3人のパート社員がはたらいている。

ボランティアの中からいち早く手を挙げたのが、リーダーの山口浩子さん(33)。パート社員として受け付けに立つかたわら、ほぼ毎日のように開催するイベントの企画作りや運営を担当している。

お母さんならではのアイデアを生かしたイベントが多数

お母さんならではのアイデアを生かしたイベントが多数

「イベント運営は初めてで告知や集客など難しさを感じる場面もありますが、ママである自分も参加したいと思えるような企画作りは楽しくやりがいがあります」と、山口さん。これまで防災やふるさと納税について学ぶセミナー、トイレトレーニング講座など、お母さんたちならではの視点を生かしたイベントを実現させてきた。

3人とも、はたらくのは初めてではない。しかし、皆、通勤時間の長さや体力面から仕事と子育ての両立に自信が持てず、妊娠・出産を機に前の仕事を辞めたという。

山口さんは、物流会社の経営企画部門で13年はたらき、係長職も務めた。上司と部下の調整役だった経験が今、運営会社とボランティアスタッフ、イベントにかかわってくれる企業や講師などとの意向を調整するうえで役立っているという。

受け付け業務のかたわら、イベントの企画も手掛ける

受け付け業務のかたわら、イベントの企画も手掛ける

山口さんのママ友で、10月からはたらき始めた土屋なおこさん(36)はもともとアロマテラピストだった。アロマテラピーの教室を開催した経験があるため、講師の視点に配慮したイベントのアレンジができるそう。「いずれは講師としてWithCoでアロマ関連のイベントを行うのが夢です」(土屋さん)。

もう一人は、以前は10年間、事務職としてはたらいていた長谷菜穂子さん(35)。仕事を辞めてから2年のブランクがあったものの、ハロウィーンコンサートやハイハイレースを企画・運営した面白さから、11月にパート社員になった。

週に数日、子連れで半日

WithCoには子どもが遊ぶスペースがあるので、パート社員も「子連れ出勤」ができる。「いつかまた仕事をしたいけれど、1歳半の娘を保育園に預けてまではたらくつもりはなかった」という山口さん。だから「今はたらけているのは、子どもの預け先を探さなくてよかったから」と山口さんは強調する。娘さんと過ごす時間を大切にしたい山口さんにとって「子どもと一緒にはたらける環境」であることは、はたらき始める大きな決め手になったという。

たまに土日に出ることもあるが、基本は週に3~4日の勤務。午前9時半か午後1時半から4時間というシフト制なので、乳幼児連れであってもさほど負担は大きくない。

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仕事上がりや仕事前にここで子どもとお昼ご飯をすませたりオムツ替えなどができるのも、こうしたスペースのある親子カフェならではだ。店舗運営やイベント運営に協力するボランティアスタッフ17人も皆、子育て中のお母さん。「子どもがいる大変さを理解しあえる環境もWithCoのいいところです」(土屋さん)。

パート社員の3人は、今の生活がとても充実しているという。「WithCoではたらき始めてから家事も時間配分を考えながらやるようになりメリハリのある生活になりました」と山口さん。

子どもたちにもいい影響があるそう。「以前より毎日が楽しそう」「言葉が増えたんですよ」「ここへ来た日は、一緒に遊んだお友達の名前を言いながら眠るんです」と、3人は子どもたちの健やかな成長についてにこやかに語ってくれた。

「ITの仕事も任せたい」

WithCoを運営するジェネレーションは、実はシステム開発などを行うIT企業。社長の遠藤敏明さんは、多摩市を盛り上げようと活動するお母さん集団の「たまこ部」と協力して、この「コワーキング付きの親子カフェ」を作ったという。「コワーキングとして、親子が安心して過ごせるお店として、また充実感を得つつはたらける場所として、運営していきたい」(遠藤さん)。

子どもたちにもいい影響があり、毎日が充実しているという

子どもたちにもいい影響があるという

遠藤さんは、月に一度、パート社員3人にWebページの作り方を教えている。「女性は責任感が強いうえ、仕事ののみ込みも早い。希望する人がいれば、ジェネレーションのITの仕事も任せたい」(遠藤さん)。

WithCoにボランティアとして携わっている人の中には、折を見てパート社員になりたいと考えている人がちらほらいるという。ボランティアとして加わってみて「もっとやってみたい」という気持ちになったら、仕事としてのかかわり方に変えられる。そんなおおらかな風土も、子育て中の女性にとっては魅力的だ。

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