子育ての経験をそのまま生かせる仕事

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『ハレタル』では、子育て中の女性がはたらきやすい会社、子育て中の女性こそが活躍できる仕事のベストプラクティスをよりすぐって取材しています。その会社で人材の募集をしている場合、求人情報を掲載していますが、これは求人広告ではなく編集部による取材記事です。

赤ちゃんのお母さんはとても大変。特に新生児の時期は数時間おきの授乳やおむつ替えで細切れにしか眠ることができず、緊張や疲れがたまる一方。そんなお母さんたちをサポートするのが、産褥ヘルパーだ。

産褥ヘルパーは、産後6~8週間の産褥期のお母さんがいる家庭を訪問して家事や育児を手助けする人のこと。首都圏を中心に産褥ヘルパーを派遣する「産後サポートままのわ」のスタッフ田口康子さん(45)もそんな産褥ヘルパーの一人。この秋から横浜市内の家庭で週2~3日のスケジュールで働き出した。主な仕事は食事の支度や掃除、洗濯などの家事全般で、時には赤ちゃんをあやすこともある。

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1回の利用時間は2~3時間。短い時間だけれど、お母さんたちにとってはうれしい時間だ。ヘルパーが来るのを心待ちにしている家庭も多く、中にはヘルパーの顔を見るだけで涙を浮かべるお母さんもいるという。

お母さんの自立がゴール

「産褥ヘルパーのいちばん大きな役割はお母さんに自信をつけてもらうこと。徐々にヘルパーの手を離れて自分一人で子育てできるように導くのがヘルパーの役目です」

そう話すのは「ままのわ」で横浜エリアのコーディネーターを務める苧原香織さん(43)。お母さんをしっかりと休ませてあげることで気力と体力を回復させ、育児と生活の自立を促すのが産褥ヘルパーの役割であり、家事代行サービスとの違いだという。

だからこそ、必要以上のことはしない。家事の手助けをしつつ、お母さんが育児で煮詰まらないように寄り添い、ほっとできる時間を提供する。ハーブティをいれたり、育児の悩みに耳を傾けたり、タッチケアとして肩や背中をマッサージすることも。それだけで多くのお母さんたちは心身ともに回復していくという。

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「私たちヘルパーも母親ですから、乳児を育てる時の孤独感や苦労はよくわかります。経験があるからこそ、寄り添うことができるのだと思います」(田口さん)

田口さん同様にこの秋から産褥ヘルパーを始めた大島洋子さん(47)も同じ思いだ。元保育士の大島さんは、自身の出産のとき、家族から過剰な期待をかけられて苦しんだ経験がある。

「身内から『保育士なんだから育児はお手の物でしょ』という目で見られるのが精神的に大きな負担でした。だから『助けて』とも言いづらかった。自分の出産の時に産褥ヘルパーがいたらどんなによかったかと思います」

家庭と仕事を無理なく両立

産褥ヘルパーに頼る人は年々増えていて、「ままのわ」への依頼も増える一方だ。自身の出産・子育て経験から「ままのわ」を立ち上げたアイナロハ代表の渡辺琴美さん(34)は、「すべての依頼を受けるには手が足りず、断ることも出てきています」と言う。「田口さん、大島さんのような主婦のベテランに加わっていただいたことで、また一つ手助けできる家庭が増えました」。

はたらく側にとっても、産褥ヘルパーは魅力的な仕事だ。平均的な稼働時間は日中の2~3時間に限られているので、自身の子育てと両立しやすい。

田口さんと大島さんは共に専業主婦歴10年以上。小学生の子どもを持つお母さんでもある。働きたい気持ちはあったものの、子育てと仕事の両立を考えると自分には難しいかなとあきらめていた。

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「子どもに『いってらっしゃい』と『おかえり』はどうしても言ってあげたくて……。でもその条件で仕事を探すとなかなか良いものがなかった。『ままのわ』は理想のはたらき方を実現させてくれました」(大島さん)

仕事を始めてからは、子どもたちから「お母さん最近いきいきしているね」と言われるようにもなった。「誰かの役に立てていることを実感できるのも、はたらいていてよかったと思えることの一つです」(田口さん)。

小さな子どもがいても

「ままのわ」には、幼稚園に通う子どもを育てながらはたらく産褥ヘルパーもいる。川崎市に住む梶原誠実さん(35)。子どもが小さいので、はたらけるのは午前10時~午後1時と限られた時間帯だけれど、それでも条件に合う依頼がありヘルパーとしてはたらき始めた。

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仕事に慣れてきた頃、第2子の妊娠がわかった。ヘルパーを続けることは難しいと思っていたところ、思いもかけない仕事が舞い込んできた。産褥ヘルパーの研修先としてはたらくことになったのだ。

「ヘルパーの登録者は増えているのですが、実技研修をさせてもらう場所が足りていませんでした。そこへ梶原さんの妊娠を聞き、研修先になってもらうようお願いしたのです」(コーディネーターの苧原さん)。ヘルパー経験もある梶原さんを見込んでのお願いだった。今は臨月を迎えようとする大きなおなかを抱え、自身が教材となりヘルパーの養成に一役かっている。

「ヘルパーのみなさんには、とにかく『細く長くはたらいてください』とお願いしています。そのために、私たち雇う側もどうすればいいのかを考えながら歩んでいきたいと思っています」と渡辺さん。利用者だけでなく、スタッフたちも笑顔になれるようにと夢は膨らんでいる。

◆「ままのわ」産後サポートスタッフの仕事

・基本勤務時間:平日10:00~13:00または14:00~17:00
・給与:時給1000円(交通費一律1000円支給)
・募集エリア:横浜市、東京都、埼玉県
・登録説明会:随時開催
・問い合わせ先:アイナロハの求人ページ

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