家でもできる「お店選びコンシェルジュ」

Photo by MARIA

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大切な人との食事には、すてきなお店を選びたい。でも、ひいきにするお店の数には限りがあるし、忙しい毎日の中、自力で情報収集をしてお店を絞り込む作業もなかなか骨が折れるもの。

そんな悩みに、救いの手を差し伸べてくれる人たちがいる。インターネット上でやり取りできる「お店選び専門のコンシェルジュ」だ。

これは、「PlanB」(プランビー)という名称で去年の秋からスタートしたサービス。「旅行のとき、現地の知り合いにお店のアレンジを頼むように」使ってもらおうというのがコンセプト。

スマホから簡単に依頼できる

スマホから簡単に依頼できる

コンシェルジュは、依頼者の希望に沿ったお店を選ぶだけでなく、予約までしてくれる。お店の雰囲気や、座席からの眺めなど、実際に行ったことがある人でないとわからない「生の情報」に基づくアレンジがウリだ。

主婦のコンシェルジュも

コンシェルジュは約70人。フードアナリストや元ホテルマンといった玄人もいるが、その街をよく知る一般の人たちも多い。それぞれに得意な食ジャンル、シチュエーション、地域を公開しているので、利用者は自分に合うコンシェルジュを選んでお願いすることができる。

すごいコンシェルジュだと、デートや女子会、子どもとのランチといった楽しい会合から、接待や両家顔合わせなどより専門性が求められる案件まで、あらゆるシチュエーションに対応。一見さんお断りのお店をセッティングしてあげるケースもあるとか。

そんなコンシェルジュの一人、青山恭子さんは、外資系コンサルタント企業の秘書を10年務めた経験を持つ、子育て中の主婦。得意な食ジャンルや地域が幅広く、利用者の人気も高い。

秘書だった青山さん

子育ての傍らはたらく青山恭子さん

青山さんは元々食べることが大好きで、訪れたお店をブログやツイッターにつづっていた。これらを目に留めたメディア関係者から声がかかり、テレビに出たりコラムを書いたりしたこともある。こうした評判を聞きつけたプランビーの運営会社、ドリコムが、青山さんをスカウトした。

しかしそのとき、青山さんは産後3カ月だったという。結婚を機に会社を辞めてはいたが、育児がスタートしたばかりのたいへんなときに、なぜコンシェルジュの仕事を引き受けたのだろうか。

すき間時間をフル活用

実は、この仕事は、依頼者とのやりとりをすべてチャットで行うので、ネット環境さえあれば、いつでもどこでもできる。「在宅でもできるという点が大きな決め手でした」(青山さん)。夫も、「家族との時間を大切にしつつ、得意なことが生かせるね」と、背中を押してくれた。

青山さんは、月に2回、一時預かりを利用する以外は、基本的に“すき間時間”を使ってはたらいている。子どもが昼寝をしている間や、夜寝かしつけた後に、利用者とやり取りしたりお店を予約したり。週に一度実母が遊びに来てくれるときや、夫が子どもを連れて散歩に行くわずかな時間もフル活用する。

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1案件にかかる期間は、早ければ2~3日、長くても1週間。依頼がどれくらいのペースで来るかにもよるが、はたらく時間は、最長でも1日2時間くらい。「今は子どもが第一」と考える青山さんは、子どもとの時間を大切にしながら、しかも大好きな食べることを楽しみながらはたらけるこのスタイルが気に入っている。

リサーチを兼ね、平日は週3日くらい子どもを連れてランチに出かける。産後は特に、離乳食が持ち込めるか、親子で同じものが食べられるか、入り口に段差はないかなど、お母さん目線でもチェックするようになったとか。

「子どもが泣いているときでも、『2人で個室の焼き肉に行くならどこがいいかな?』など、プランを考えながらあやしていると、煮詰まらずにすむんです」と青山さん。はたらくことが、子育てにもいい影響を与えている。

グルメな人には天職

この仕事を始めてから、青山さんは「自分の知見が生きる」ことを実感している。

秘書時代、ボスのさまざまなニーズに合わせて会食のセッティングをしてきた青山さん。プライベートでも、「プロポーズによい店を教えて」と頼まれたり、ツイッターで知らない人から「こんなお店を探して」とメッセージをもらうなど、昔からお店選びの依頼が多かった。その一つひとつに丁寧に対応してきたから、提案の引き出しは膨大だ。

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顔が見えないチャットのやり取りでは、しつこくならないよう距離感を大事にしながら好みを探っていくのだそう。そんな細やかな気配りも、天性の資質に加え、きっと過去の経験から培われたところが大きいに違いない。

アレンジ価格は500円からでコンシェルジュが決めることができ、うち80%が支払われる。青山さんに頼む場合のアレンジ価格は1500円だ。きちんとした仕事に対する報酬としては少々安く感じてしまったが、「何よりフィードバックがうれしい」と青山さんは話す。後日、依頼者からお礼の連絡がくることも多く、報酬以上に大きなやりがいになっているという。

サイトから登録すれば、審査なしで誰でもコンシェルジュになれる。グルメな人やお世話好きな人には、天職と言えそうな仕事。興味が湧いた人は、チェックしてみてはいかがだろう。

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