小さな子がいても“フリーランス母”になれる

Photo by MARIA

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小さい子どもを育てている専業主婦の女性でも「ほんの少しだけならはたらきたい」という人は多いと思う。「子どもと家庭」を最優先にしたいけれど、「ほんの少しだけ」できる余裕のある時間を、社会とつながったり、誰かのために使えたりすればいいのに……。

私も2歳の子どもを育児中の身なので、その気持ちはよくわかる。

そうはいっても「ほんの少しだけ」はたらける仕事、というのが本当に少ない。3時間を週2回ならなんとか都合がつくけれど、5時間を週3回となると厳しい。これが主婦の現実なのに。

アメリカでは3人に1人

私はフリーランスのライターとして、子どもが1歳半のときに仕事を再開した。自宅ではたらいているので「ほんの少しだけ」はたらくことができている。「ライター」という職種は育児と両立しやすいし、育児中の女性にお勧めできるはたらき方だけれど、他の「フリーランス」とよばれる職種はどうなのだろう。

そう思って、日本中小企業情報化支援協議会の女性の働き方に関するイベントでお話を伺ってきた。講師は、フリーランスの女性向けのサービスを提供する「リズムーン」代表の小野梨奈さん。

リズムーンの小野さん

リズムーンの小野梨奈さん

小野さんによると、フリーランスというはたらき方は育児と両立しやすく、特に小さい子どもがいる女性には、おすすめのはたらき方だという。「はたらく時間や場所が自由なので、子どもの病気や行事にも対応しやすいのです」(小野さん)

現在日本でフリーランスとして働いている人は312万人。この人数は日本の労働人口の5%以下と、まだまだ少ない。

でもクラウドソーシングなど、人と人をつなげるマッチングサービスが充実し始めたことで、今後はフリーランスというはたらき方は、どんどん増えていきそう。クラウドソーシングの市場も2011年は44億円だったが、2017年までには1474億円へと広がると言われている(矢野経済研究所調べ)。

「アメリカでは3人に1人がフリーランス。日本も少しずつそれに近づいていくのではないでしょうか」と、小野さん。

3つのパターン

以前は、フリーランスというと、カメラマンやライター、イラストレーターなど、“手に職”を持った人ばかりだった。でも最近、フリーランスの職種の幅が広がってきている。

「ここ数年は、会社で働いた経験を生かして、フリーランスとしてはたらく女性がかなり増えています。秘書や営業、マーケティング、労務人事などの管理業務と、職種もさまざまです」(小野さん)

会社にいなければ仕事にならないと思いがちな事務や秘書の仕事でも、フリーランスとして自宅で働くことができるようになってきているのだ。こうした事務や秘書の仕事は、オンラインアシスタントなどと呼ばれ「子どもが幼稚園に行っている数時間だけ仕事ができる」と女性からの人気が高まっている。

小野さん自身もオンライン秘書サービスを利用していて、領収書を送って経理の仕事をしてもらったり、簡単なリサーチ業務をお願いしたりしているのだそう。

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フリーランスになるには3つのパターンがあるという。

一つは「会社員経験をそのまま生かす」パターン。旅行会社ではたらいていた経験をもとにフリーのツアーコンダクターに、マーケティング会社の勤務経験からフリーマーケターに、といった例。事務や人事といった裏方業務でも、フリーランスとしてはたらく道はある。

「習い事や趣味を生かして」フリーランスになるパターンもある。趣味で消しゴムハンコを子どもの頃から作っていて、オーダーを受けるようになった人や、趣味のフラダンスが高じてフラダンス教室を自分でオープンさせた人もいるという。

さらに、「資格をとって」フリーランスになることもできる。キャリアカウンセラーやファイナンシャルプランナーの資格をとって独立した人や、コーチングの資格をとってフリーのカウンセラーになる人もいる。

おカネをもらう価値があるか

仕事のテーマの見つけ方は人それぞれ。「一つは自分のやりたいこと、好きなこと、情熱を注げること。もう一つは、自分の仕事におカネを払いたいと思ってくれる人がいるのか、ということ」(小野さん)。

「フリーランス」と聞くと専門職のように思えて、自分がやってみるには、なにか高いハードルがあるように思う方も多いけれど、実際にはフリーランスは、誰でもいつでも始めることができる職業。「私は、フリーランス」と宣言すれば、今すぐにでもなれる。

主婦である女性は、「子どもを育てる」という経験もしかり、これまでの人生の中で、さまざまな経験を積んできたはず。興味のあることなら今から勉強して資格をとることもできる。

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気をつけなければいけないのが、フリーランスになったからといってすぐに稼げるわけではないということ。収入は会社員のように安定せず、自分の代わりもいない。仕事の対価が、仕事をした月の翌々月にしか支払われないということもよくある。

そうしたデメリットも踏まえたうえで、「社会の風を感じたい」「誰かのために何かしたい」という気持ちがあれば、フリーランスとしてはたらいてみる、という選択も面白いのではないだろうか。

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