パートの女性たちが支える雑貨店

『ハレタル』では、子育て中の女性がはたらきやすい会社、子育て中の女性こそが活躍できる仕事のベストプラクティスをよりすぐって取材しています。その会社で人材の募集をしている場合、求人情報を掲載していますが、これは求人広告ではなく編集部による取材記事です。

「いらっしゃいませ!」――店内に元気な声が響いた。

ここは食器やキッチン雑貨を扱う「吉祥寺 菊屋」。声の主は店長の津山綾子さん(44)だ。

津山さんは埼玉県川越市にあるアトレマルヒロ店の店長。「こないだテレビで見た食器が欲しいのだけど?」と尋ねるお客さんに対しても、津山さんはすぐに答える。

実はこの店のすべての商品は津山さん自身が仕入れている。だから、どんな問い合わせが来ようと返答に困ることがない。

「任されているということに、とてもやりがいを感じます。ときには失敗してへこむこともありますけどね」

商品のセレクトからレイアウト、スタッフの採用やシフト管理も店長のお仕事。店1つを任され、責任のある仕事をしているが、実は津山さん、時給ではたらくパート社員。

子育てに専念するため、出産を機に仕事を辞めてから10年以上。子どもが中学生と高校生になって、やっと「はたらいてみよう」という気になったのは今から1年半前のこと。以前、正社員として勤めていた菊屋で、パートとしてはたらくことにした。

スタッフに指示する津山さん(左)

スタッフに指示する津山さん(左)

「家事はすべて私1人でやっていたので、私がはたらくことになるとどうなるのかとても不安でしたが、家族の形って変わるものですね。子どもたちも夫も、自然と積極的に家のことをやってくれるようになりました」

勤務は週5日。遅番の日は、夕食を作ってから家を出る。帰宅は22時近くになってしまうが、家族はそれぞれきちんとやってくれているという。

9割がパート女性

菊屋は戦後間もない1949年、陶器店として東京・吉祥寺に創業。現在は、関東を中心に駅前や駅ナカなどアクセスのよい場所に39店を展開している。店を訪れるお客さんのほとんどは女性だ。

創業当初は男性社員しかいなかったというが、今や約250人の従業員のうち、9割以上がパートタイムではたらく女性。

「店舗展開を進めながら、意欲とスキルのある人が長く働けるような職場環境を整備していたら、自然と女性とパート従業員が中心になっていきました。店で扱う商材、顧客層を考えても女性が適していたのでしょう」と、社長の宮崎浩彰さん。

正社員とパートタイムではたらく従業員は仕事の内容も同じ。「同一労働・同一賃金」を実現しているのだ。パートでもやる気があれば副店長、店長、エリア長といった役職に就くことができ、今でも実際、店長の多くは津山さんのようなパート社員だ。

給与水準や福利厚生など待遇にもほとんど差はなく、役職に就いているベテランのパートスタッフだと、正社員より給料が高くなるという。

店のある場所や客層によって売れ筋は異なり、それをいちばん理解しているのは店長をはじめとした店舗スタッフ。

「店のスタッフたちが独自に判断して商品を仕入れ、並べ、売ることで、地域に根差したお店になります。また、店同士が個性を競い合うことで活気も出るし、活躍する店長を目の当たりにしたスタッフが店長を目指すというように、モチベーションアップにもつながっています」(宮崎さん)

週1勤務で復職

東京都東久留米市にある菊屋の本部で経理や事務を担当する西山真澄さん(30)は、週1回だけはたらくパート社員。

昨年8月に産休を取るまでは週5日はたらいていた。今年4月に復職したかったが、残念ながら子どもを保育園に預けることができず途方に暮れた。

そんな西山さんに、同じ職場ではたらいていた上司や先輩が「少しでもいいからはたらいてみては」と声をかけた。

オフィスで談笑する西山さん(左)と同僚

本部ではたらくスタッフも7割がパート社員。西山さんは9時30分~17時30分の勤務だけれど、16時に退社する先輩もいれば、15時ごろに退社する同僚もいる。

ランチ時にはみんなで弁当を広げながら、家庭や子育ての会話に花が咲く。「うちは子どもがまだ小さいので、みなさんにいろいろ相談させていただいています」と西山さん。人間関係も良好のようだ。

女性の力が必要

菊屋は宮崎さんが社長に就任した08年から、店舗の再編や財務の改善に取り組み、14年の消費増税後も2期連続で増収増益を達成している。これからも場所を厳選しながら積極的に店を増やしていくというが、そのためにたくさんの女性の力に頼らざるをえない。

「規定にしばられず、ライフイベントにとらわれずに働き続けたい意思を尊重し、サポートするのが会社の役割」と宮崎さん。

社長の宮崎浩彰さん

店でも本部でも、本部に併設された配送センターでも、生き生きとはたらく女性たちの姿が印象的だった。

◆菊屋では、店舗と物流センターのスタッフを募集しています。
・勤務先:株式会社菊屋(和食器やキッチン雑貨の販売)
・募集職種:店舗スタッフおよび本部物流センタースタッフ
・雇用形態:パート
・給与:時給880~950円(勤務地により異なる)
・勤務時間:シフト制(勤務地により異なる)
・勤務地:各店舗、本部物流センター
・待遇:交通費2万円まで支給、昇給あり、有給休暇あり、社会保険完備、従業員割引あり
・問い合わせ先:
吉祥寺本店 0422-22-6508
田無アスタ店 042-460-2555
新所沢パルコ店 042-998-8003
セレオ八王子店 042-686-3330
アトレマルヒロ店(川越) 049-226-7356
西武東戸塚店 045-828-2033
ノースポート・モール店(港北)045-914-5077
まるひろ南浦和店 048-839-3603
イトーヨーカドー四街道店 043-304-7501
北千住丸井店(9月オープン予定)
中野ブロードウエイ店 03-5345-6686
本厚木ミロード店(9月オープン予定)
武蔵浦和マーレ店 048-864-5881
本部物流センター 042-420-1265

※掲載内容は取材時点のものであり、実際とは内容が異なる場合があります。

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