研修中も時給1000円!人気の事務職が目指せる

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「またお仕事を始めたいな」と思っても、会社を辞めてからブランクがあると、ちょっと心配。しかし、そんな不安を抱えていても、安心して人気の事務職を目指せるプログラムがある。

それは、東京都足立区が2013年から取り組んでいる事業で、子育てが落ち着き、またはたらきたいと考える女性限定の「紹介予定派遣」だ。

未経験でもOK

紹介予定派遣とは、派遣社員としてはたらきながら、正社員や契約社員を目指せるはたらき方のこと。通常は即戦力を求められるものだけれど、ご安心あれ。

なんとこのプログラムは、丁寧な研修もついているため、パソコンスキルに自信がなくても、オフィスワークの経験がなくてもOK。しかも、足立区民に限らず、どこに住んでいる人でも応募できる。

応募して採用されると、この事業を運営している人材会社・シグマスタッフの契約社員になり、「スキルアップ研修」を受ける。

まずは、各自のレベルに合わせ、ビジネスの場で必須のパソコンスキルの勉強からスタート。さらに、メール作成や電話の取り方といったビジネスマナーから、自己PRや選考書類の作り方など就職活動の攻略法まで、基礎から丁寧に学んでいくことができる。

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「タイムマネジメント講座」という、子育て中の女性向けならではの内容も。夫や子どもとのコミュニケーションも含め、はたらき始めてからのスケジュール管理に対する不安を解消するためのものだ。

そのほか、オフィスカジュアルやメイクなど、ブランクがあると忘れがちな「職場で浮かないマナー」も細かく指導してくれるという。

研修中も時給1000円

こうした最長3カ月間の研修を終えると、紹介予定派遣の形で3カ月間の職場実習が始まる。実習先は、週に一度のキャリアカウンセリングの中で決めていく。

実習先は足立区内をはじめ都内の企業200社ほどだが、要望に合わせて新たな企業を探してくれることもある。もし実習中にそこの職場と相性が合わないと感じた場合も、ほかの実習先を一緒に探してくれるという。

「フルタイムではたらく」という感覚に慣れるため、研修中は週5日、9~18時まで、実習中は実習先と取り決めてある勤務時間のとおりにはたらくことになるが、うれしいことに研修中は時給1000円、実習中は時給1100円のお給料が出る。

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そして、実習が終わった後は、企業と合意できれば正社員もしくは契約社員に切り替えることができる。

就職後のサポートも充実しており、仕事が終わった17時以降に研修所でPCの補修が受けられる。また、キャリアカウンセラーが、直接の相談はもちろん、メールや電話でも対応してくれる。

気になる就職状況は?

最近では、口コミで人気が広がりつつあるようで、「ここを通じて就職できたママ友がいたので応募しました」という女性も。

応募者は、子どもがいる40歳代の女性が中心。シングルマザーや10年以上ブランクがある女性、就活をしたことがない女性などさまざま。

ただし、「生活が安定して女性が輝けば地域活性にもなる」(足立区産業経済部就労支援課の倉本和世士課長)との考えから、フルタイムで長く働きたいという意欲の強い人を中心に選抜しているそう。

意欲的な女性たちがしっかり支援を得られるだけあり、毎年ほぼ全員が就職しており、ほとんどが正社員や契約社員の仕事に就いているという。介護や体調不良、転職といったいくつかの例を除き、ほとんど辞めていない。

しっかりはたらきたい

東京都葛飾区在住のAさん(51)は、かつて簿記2級の資格を生かし、大手企業の正社員で経理をしていたが、出産を機に退職。子どもが幼稚園に入ってからは、子どもの成長や実母の介護などに合わせて電話業務や梱包作業などのパートではたらいてきた。

やがて、「母が施設に入り、2人の子どもにもお金がかかるようになったので」しっかりはたらこうと決意。しかし、パート先の社会保険に入れてもらえなかったり、転職活動をしてもパソコンスキルがないことを実感したり、うまくいかなかった。

そんな矢先、就職情報誌で見つけたこのプログラムに応募。晴れて足立区の警備会社ではたらくことになった。しかも、経験のある経理事務としての採用だった。

企業にもメリット

企業側もメリットが大きい。足立区にある三浦工務店の人事担当・町田一芳さんはこう話す。「PCスキルを勉強しているし、当社を第一志望とする方が来てくれるのがありがたい。何より3カ月間お互いが様子を見ることができます」。

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このプログラムの正式名称は、「子育て終了後再就職希望者支援事業」。次回8月後半スタートのプログラムへの参加募集は7月18日から。

東京都の補助金を活用しているので、毎年行われるとは限らないが、子育て女性の再就職を支援する仕組みはほかでも増えてきている。

一人で就活することに不安がある人は、こうした復帰支援を探すことから始めるのもいいかもしれない。

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