「打ち直し」でふとんを生まれ変わらせる

実家にいた頃、ずっとふとん生活をしていた。毎日の上げ下げの手間はあるけれど、畳んで片づけてしまえば、日中は部屋を有効に使える。晴れた日に天日干ししたふとんはふっくらとしていて、もぐり込むのは本当に幸せなひとときだった。

結婚するとき、ふとんを二組、実家から持ってきた。今から40年以上前、母が結婚するときに購入し、私が生まれたときから使っていたずいぶん年季の入った綿ふとんだ。見た目が古臭く、新しいふとんを買おうかどうか迷ったけれど、来客があったときには便利かな?と持ってくることにしたのだ。

本当に生まれ変わる?

結局、お客さんが泊まりがけで来るような機会はまずなかったが、新しく買い足したふとんと持ってきたふとんを並べ、夫と2人の子どもと使った。後に家族の希望でベッドを置くことになったけれど、子どもが熱を出したときにはリビングの隣の和室にふとんを敷いたり、夫が赴任先に持って行ったりと、今も便利に使っている。

数年前、母が実家のふとんを打ち直しに出すから一緒に出すか、と声をかけてくれた。わが家のふとんはペタッと潰れて重くなり、完全に「せんべい布団」と呼ばれる状態になっていたので、そろそろ処分してもいいかなと考えていたところだった。打ち直しに出すと新品のように生まれ変わると聞いて、私も試してみることにした。

打ち直し前のわが家のふとん

母と一緒に、地元のふとん店を訪れた。「こういう本綿のふとんは、最近なかなか見かけなくなったよ。こんな立派なふとんなら、ベランダに干していても誇らしい気持ちになるね」と店主が言った。「最近は原綿がインドから日本に入ってこなくなっているから、これからは長く使える本綿のふとんはどんどん少なくなってくる。大事にした方がいいよ」と。

見本の生地の中から、新しくふとんにかぶせる生地を選んだ。シンプルな無地をイメージしていたけれど、あったのは柄物の和風の生地ばかり。なんだか着物の布を選ぶような感覚でとても楽しく、私は少しモダンな柄を選んだ。

長持ちさせるちょっとしたコツは

仕上がって届いたふとんは、想像以上にふかふかで、本当に新品のようだった。もともとの綿をほぐし、新しい綿を足して仕上げてくれたそうだ。実家のふとんもとてもすてきに生まれ変わっていた。

木綿わたは、吸湿性と保温性に優れていて、適度な硬さとクッション性があるため、ふとんに最適なのだそう。また日干しをすることにより、ふんわりとかさが回復する特徴があるそうだ。正直、ずっと使っていたふとんがそんなにいいものだったなんて、打ち直しに出すまで知らなかった。古くいいものをきちんと手入れしながら長く大事に使う。日本文化のよさを教えてもらった気がした。

打ち直した後のふとん。かさが増して新品のよう。落ち着いたモダンな柄も気に入っている

ただ、打ち直しは中の綿をほぐすため、打ち直し後のふとんは新品のころよりも、中のわたが固くなりやすいそう。また何度も打ち直しができるわけではなく、効果が感じられるのは2回くらいまでだという。

わが家のふとんは本当に古いので、次にせんべい布団になったらそろそろおしまいかなと思っている。でも、打ち直しをしてこれだけ長く気持ちよく使えていることに、とても満足している。

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