異国の日常を垣間見る「Airbnb」の醍醐味

前回のコラム、「『Airbnb』を賢く使えば旅はもっと楽しくなる」では、私たち家族がAirbnbを使ってヘルシンキに滞在したことを書いた。滞在した物件は“第3希望”であり、「清潔さにやや難あり」とのことだったので少し心配もあった。

ほかの物件でもそうだけれど、Airbnbで難関だと思うのは鍵の受け渡し。ヘルシンキでの場合は、私たちが到着するときにホストの友人が部屋で待っていてくれるという。

到着時刻を伝えてはいたけれど、当日になってホストから電話があった。英語が得意ではなかったようで、このときは夫がフィンランド語で対応してくれた。

フィンランド語を話せるパートナーがいたからよかったものの、Airbnbに言葉の壁は付きものだと実感した。電話でのやり取りが不安なら、あらかじめ余裕を持ったチェックイン時刻を知らせておき、遅れそうなときだけメッセージを送る、と取り決めをしておくのがいいかもしれない。

ワインに果物にチーズ!

アパートに到着するとホストの友人が待ってくれていたが、5分で立ち去ってしまった。少々不安を覚えたものの、さっそく興味津々でさまざまなドアを開けて回った。

冷蔵庫にはスパークリングワイン、朝食に十分な量の果物、チーズ、ヨーグルト、フルーツジュース、パンが用意されている。窓辺には木のケースに入った赤ワインまである。今回のホストは、厚意で食べ物や飲み物をたくさん用意してくれているらしい(レビューでも好評だった)。部屋にはキャンドルが灯されていて、自宅とは違う雰囲気に気分が高揚する。

キッチンには調理器具や食器が一式揃っていて、食洗機もあった。塩コショウなどの調味料やバターなど、少量だけ必要なものが用意されていたのも助かった

寝室にはダブルベッドと小さなワークスペースが配されている。白を基調にした北欧らしいインテリアだが、壁の一面だけグレーに塗られていて変化があり面白い。シーツも同系色で質感が違うものを揃えていてすてきだった。友人の家のインテリアを参考にさせてもらうようで楽しくなる。

ベッドリネンの替えもクローゼットに用意されていた。モバイルWi-Fiがあるのでネット環境は問題なし。前々回のハレタルのコラムはここで書いた

ところがバスルームを見てみると、一番清潔であってほしい便座が汚れていた。やはりレビューは正確だった。仕方なく私がウェットティッシュで掃除をしたが、なんとトイレットペーパーがない。バスマットもない。

唯一不満が残ったバスルーム。ここが清潔でないとAirbnbを利用するのに気がひける

しばらく逡巡し、メッセージでホストへクレームを出すことにした。足りないものを自分で買い足して最後にレビューで低いレートをつけるのもありだが、納得いかないまま4泊するのは楽しくない。

するとホストからすぐに返事があり、30分後には、先ほどチェックイン時に会ったホストの友人がトイレットペーパーを届けてくれた。今回この友人が初めてホストの代わりに部屋の準備をしたらしく、落ち度があったことを謝罪し、次回は改善すると約束してくれた。バスマットはホスト宅で洗濯中だったそうで、翌日郵便受けに届けられていた。

Airbnbを利用して初めてのクレーム出しだったけれど、きちんと伝えたから気持ちよく過ごせた。皆が皆このホストのようではないと思うけれど、レビューし合うという性格もあってか真摯にやり取りできるのだと思う。

今回利用した部屋があるアパートの外観。ロヴァニエミには無い、古い建物に足を踏み入れるのが楽しみだった

ヨーロッパの街並みは、道路に面してずらっと隙間なく建物が並んで建っていることが多い。建物にはゲートがあって、中に入って行くと中庭に続き、一つの建物が「ロの字型」になっていることに気づく。ここはプライベートなエリアだから、住人でないと入れないのだけど、Airbnbを利用すればそんな場所にも入っていける。

ゲートから通路を抜けると……今回は残念ながら自転車置場とゴミ置場のみで、気の休まる庭ではなかった

そして、映画でしか見ないような、手で開閉する古くて美しいエレベーターも、この建物にはあるはずだと期待していた。期待はかなえられ、古い建物ならではのドアやドアハンドルのデザインにうっとりした。私たちの部屋は1階だったので使いはしなかったけれど……。

写真右にあるのがエレベーター

海外旅行へ出かけて、ホテルに滞在し非日常の空間を味わうのも楽しいけれど、ローカルなアパートに滞在して、異国の日常を垣間見るという楽しみ方もある。ロヴァニエミに住む私にとってヘルシンキ旅行は、同じフィンランドの国内旅行でありながら、未だに異国へ行くように刺激に満ちていた。次はAirbnbを使ってどこに泊まろうかと、今から休みが待ち遠しい。

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