夏のクールダウンにヨガのシャバアーサナ

花火大会、盆踊り、かき氷……。夏の風物詩はいろいろあるけれど、うちでよく見られるのは「猫のへそ天」である。猫があられもない姿でおなかを上にむけてごろーんと仰向けになっている姿。

猫は、安心できる場所で暑さをしのぐときにこのポーズをするそうだ。なんともだらしがない姿なのだが、ちょっと真似をしてみると意外に気持ちいい。

ヨガの中にも、似たようなポーズがある。しかばねのポーズとも呼ばれるシャバアーサナだ。猫ほどだらけてはいないが、おなかを上に向けて脱力する。たったそれだけのことなのに、体も心もだんだんとリラックスしていくのを感じる。

心地いい姿勢を探す

ヨガのクラスでは、ポーズの練習が終わった最後のリラクゼーションとして5~15分ほどシャバアーサナを取り入れることが多い。

じっくりと休むこの時間が好きだという人は多く、私もシャバアーサナが大好きだ。

まずは仰向けになり、手のひらを上にむけ、胴体からすこし離して置く。足は腰幅くらいの広さで自然に開き、目を閉じる。自分が心地いいなと感じる場所を探しながら体を揺らすなどして微修正するといい。

イラストは山音ことらさん作

ポイントは、手のひらを上に向けること。手だけでなく肩の力も抜けやすくなる。最初はちょっと慣れないかもしれないが、胸が開いて呼吸しやすくなるので試してみてほしい。

心地いい姿勢が決まったら、できるだけゆったりとした深い呼吸を心がける。呼吸に集中していると、次第に体もくつろぎ、完全にリラックスした状態が訪れる。

シャバアーサナの効果は、体をくつろがせてクールダウンすること。ヨガで汗だくになった日も、呼吸が落ち着き、汗もひいてスッキリしてくる。

シャバアーサナはヨガのポーズでありながら瞑想の一つでもある。脳を休めてリラックスさせる効果が大きいので、シャバアーサナを5分行うだけで30分ほど寝ていた感覚になるときもある。実際に寝てしまっているときもあるのだが……(笑)

ただ、「脳の疲れを取る」ことと「寝てしまうくらいリラックスする」ことはイコールではない。眠らずに脳を休める、というのは、案外とても難しかったりする。シャバアーサナが「意識的に自らのくつろぎを学ぶポーズ」とも言われるゆえんだ。

私は、最初は寝てしまってもいいと思う。まずは体がリラックスしてゆるんでいく感覚を味わってみてほしい。

ヨガのクラスでは、先生がティンシャという鐘を鳴らしてシャバアーサナの終わりを知らせてくれることが多い。自宅で行うときに寝すぎてしまうのが心配ならタイマーをセットしてみて。

スマホのアプリには、ティンシャや鐘の音で終わりの時間を知らせてくれるタイマーもある。私は「calm」や「サムサラ」というアプリをときどき使っている。

忙しいときほど取り入れて

夏はシャバアーサナにもってこいの季節。暑いこの時期、シャバアーサナをすると体の火照りが取れる。「シャバアーサナはヨガのポーズが一通り終わった後でないとダメ」と思い込んでいる方もいるのだが、別にそういうわけではない。家事や仕事で体も頭もヒートアップしそうなとき、マットの上にごろんと転がってシャバアーサナの姿勢をとる。これだけでも一つのポーズなのだ。

忙しくて“やるべきことリスト”で頭がいっぱいになっているようなときほどおすすめ。この5分を取り入れると、その後に落ち着いて行動できたという経験がたくさんある。

夏は畳の上でシャバアーサナをするのも気持ちいい。どのオフィスにも、ヨガマットが1枚敷けて、ストレッチやシャバアーサナ、瞑想など、休憩時に自由に使っていい部屋があるといいのにな、と思う。

今わが家のリビングで仰向けになると、ちょうど目に入るのがゴーヤのカーテン。葉っぱが風に揺れているのをぼーっと眺めていると、目の休息にもなり、頭が涼しくなっていくのを感じる。シャバアーサナに入る前のちょっとした癒やしになっている。

  • この記事をシェア
トップへ戻る