夏こそ始めたい、簡単ぬか床ライフ

ぬか漬けを始めた。「ぬか床は生きているから、マメにお世話しないとカビが生えたりして大変」。そんなイメージがあったから、ずっと手をつけられずにいた。

米ぬかにはビタミンEやギャバ、鉄、マグネシウム、食物繊維といった栄養素が詰まっているらしい。さらに、ぬか漬けを食べると、生きた乳酸菌も摂取することができるのだ。

混ぜるのは5日に1度

ぬか漬けが体にいいことは知っていたが、はたらいていると毎日世話をしきれないのではないか、旅行にも行けない……などと心配し、足踏みしていた。でもぬか漬けのよさを知れば知るほど「やりたい」という気持ちは高まるばかり。そんなとき、保管は冷蔵庫で、混ぜるのも5日に1度でいいという、私にぴったりのぬか床があることを知った。「漬けもん屋のぬか床セット」という商品だ。

このぬか床は、和歌山県産のコメからとれたぬかを180日間以上漬け込み、植物性乳酸菌によって発酵させたもの。大根や昆布、柿の皮やみかんの皮などすべて国産の成分がうま味となってぬかに溶け込んでいる。初めて野菜を漬け込んだときから、長い間野菜を漬け込んで熟成した味の深みを感じることができるのだ。

「冷蔵庫で保管できる」「毎日混ぜなくていい」という特徴も、ぬか漬け初心者にとってはうれしいところ。まずはやってみようと、冷蔵庫でのぬか漬けを始めたのだった。

夏の朝ごはんにもぴったり

まずは、夏野菜の代表であるキュウリとナスを漬けてみた。

何のことはない。軽く塩でもんだ野菜をぬか床の中に埋めるだけ。あとはぬかが野菜をおいしくしてくれるのを待っていればいい。冷蔵庫の中なので常温のぬか床よりちょっと時間はかかるが、管理は格段に楽だと思う。野菜を入れたり、取り出したりするときに軽く混ぜれば大丈夫。

一日漬けたら、ナスもキュウリもしっかりと漬かっていた。

一口食べると、これが何ともおいしい。ぬかにはくさいイメージがあったが、実際は全然くさくない。キュウリもナスも、かむたびにうま味を含んだ水分が口の中にあふれて来て、程よい塩分があとを引く。おいしいのだ。冷蔵庫の中で漬けているからよく冷えているし、食欲の出ない夏の朝ごはんにもぴったりだと思う。

いちばんおいしい野菜は…

すっかりぬか漬けが楽しくなってしまった私は、以来、野菜が余るとぬか床に入れ、まめに漬けて食べるようになった。夏野菜の中でいちばんおいしいと思うのは、瓜(ウリ)だ。

瓜は水分が多くすぐに漬かるので、食べきれる分だけを切って漬ける。表面の皮をうすくむき、そのままぬか床に入れる。夏場なら数時間で漬かってしまう。出来上がった瓜のぬか漬けは、歯ごたえがあってとってもみずみずしく、パリパリといくらでも食べられてしまうのだった。

ぬか漬けで気を付けなくてはならないのは、水分。毎日のように漬けていると野菜の水分がぬか床にたまってくる。水分が多いと漬かるのに時間がかかるし、味も香りも変わってしまう。こうなったときは「足しぬか」のタイミングだ。

お世話をすればぬか床は育つ

キッチンペーパーで軽くぬか床の水分を取り、そこへ市販の炒りぬかと塩を足し、昆布とにんにくと鷹の爪を入れ替え、常温で2日間。朝と晩に空気を入れるように混ぜたら、おいしいぬか床が復活した。

こうやって何度も手を入れていると、ぬかが元気になってくるのがわかる。「あ、手触りが変わった」「あ、においが変わった」――。こうやって手のかかるこのぬか床を可愛く思えるようになったらこっちのものだ。

時間がなければ、まずは出来合いのぬか床でいい。保管するのも冷蔵庫でいい。大変なことを大変なままやろうとするとなかなか一歩が踏み出せないから、できそうなことから軽い気持ちで始めてみることだと思う。

楽しく続けていけば、私もいつか、抜群においしいぬか漬けを作れる名人になるかもしれない。今の私にとって、「ぬかの匂いのするお母さん」は、ちょっとした憧れである。

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