自宅の庭で“来年のらっきょう”を育てる


数年前かららっきょうを育てている。庭の隅の小さな小さなスペースを耕し、レンガで囲って、らっきょうを植えている。植え付けるのはらっきょうの旬を終えた夏。翌年の5~6月には収穫できる。

前回のコラム「義父に教わった、らっきょうしごと」でお伝えしたように、私は毎年らっきょうを漬けている。それをお隣のおばあちゃんに話したら、その昔、おばあちゃんのお母様が庭でらっきょうを育て毎年収穫していたという話を聞いた。「育てるといっても簡単なのよ。ただ土に挿しておくだけ。翌年にはそのらっきょうが増えるから収穫して、またいくつか残して植えておくの。その繰り返しで、どんどん増えるから」とおばあちゃんは言う。

らっきょうの中からいくつかを取り分けておく

らっきょう作りにはまっていた私は、おばあちゃんの話を聞いてぜひともやってみたくなった。うまくいけば、毎年自分で育てた無農薬の新鮮ならっきょうで、らっきょう漬けが出来るかもしれない。しかもタダだ。これはやってみるしかないと、さっそくその年漬けるために買ったらっきょうの中から6~7個を取り分け、家の前の植え込みに植えておいた。

植えたばかりのらっきょうたち

待つこと1年。またらっきょうの季節がやってきた。時々様子を見ていてくれたおばあちゃんの「そろそろいいんじゃない?」というアドバイスを受けて、いざ収穫だ。

スーパーで売っているらっきょうと比べたら本当に本当に小さいのだが、それでも27個ものらっきょうを収穫することが出来た。植えたのが6~7個だから、4倍に増えたことになる。

初めて収穫した27個のらっきょう

らっきょうを収穫するときは、根元をつかみ、葉がぶちりと切れないように親指の一点に力を入れて引き抜く。私が小さい頃によくやったノビル採りとコツは同じ。ヌボッと抜けた時は快感だが、根っこに負けて葉がぶちりと切れた時のストレスといったらない(笑)。根っことの勝負のような収穫が面白く、小さい頃は頼まれてもいないのに袋いっぱいにノビルをとって母に渡したものだ。

ノビルもらっきょうも、人の手を借りずとも自分の力で根を張ってぐんぐん育つ力はすごいなと思う。こうした自然の食材をしっかり食べることで、ちょっとやそっとじゃ負けない強い体になるのだ。収穫したらっきょうから伸びるいくつもの根っこを見ていてそう思った。

収穫したらっきょうは、まずはきれいに洗って、生のままみそをつけて食べた。
ぴりっとして何ともおいしい。土から収穫したものをその日のうちに生のままで食べるとは、何よりの贅沢だと思う。

残った数個は、らっきょう醤油(しょうゆ)にした。

■らっきょう醤油の作り方
<材料>
らっきょう8~10個、ごま油大さじ2、醤油小さじ1/2、酢小さじ1/2、砂糖お好みで少々

<作り方>
1.らっきょうをみじん切りにする。
2.らっきょう以外の材料をボウルに全て混ぜ合わせる。
3.2に1を入れ、30分ほど置いたら出来上がり。

らっきょう醤油は冷奴にも、もちろんそのまま食べてもおいしいのだが、私がいちばん気に入っているのは、たたいたキュウリに和える食べ方だ。水分の多い夏のキュウリとぴりっとした辛みがよく合い、ビールがすすむ。

自家栽培のらっきょうは、上手にやればもっと大きく、もっとたくさん収穫できるそうだ。土を耕し、肥料をあげれば、育ちも味も良くなる。毎年気ままな私のらっきょう栽培は、まだまだらっきょう漬けが出来るほどの量にはなっていない。それでも、毎年収穫したらっきょうの根っこを見て思うのだ。たった数個であってもこれを丸ごと食べることで、らっきょうのパワーが体にみなぎり、これからやってくる厳しい夏の暑さを乗り越える力になってくれるに違いないと。

さあ、そろそろ、今年のらっきょうしごとの始まりだ。

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